【解説】
収穫した白瓜を塩水に漬け込み、さらに塩漬けにして貯蔵し、余分な塩分を取ったあと酒粕に漬け込んで作る。白瓜だけでなく、胡瓜、守口大根、西瓜なども材料になる。
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茎立(くくたち) 三春
【子季語】
くきたち
【解説】
三、四月頃、大根や蕪、菜の類が茎を伸ばす事。その伸びた茎を薹という。一般に茎立した野菜は潤いがなく味が落ちる。
【科学的見解】
アブラナ科の多くは、冬季に風や寒さから身を守るため、葉を放射状に伸ばし、地面に張り付いたロゼット形をしている。その後、春季になり暖かくなると、開花及び結実のため、茎を伸ばし、受粉や種子散布の効率を高める戦術をとる。この茎の伸長を茎立と呼ぶが、茎の伸長や開花・結実には多くのエネルギーが必要なために、それまでに貯えた水や栄養を使用する。ダイコンやカブのような貯蔵器官を食用にする野菜は、茎立が起こると水分や栄養、食味が低下し、食用には向かなくなる。(藤吉正明記)
【例句】
くゝ立や縄の付たる捨氷
嘯山「葎亭句集」
茎立に翌飛ぶ蝶のすがりけり
大江丸「俳懺悔」
のつ切つて庵の草も茎立ちぬ
一茶「七番日記」
御薬を供ず(みくすりをくうず) 新年
【子季語】
白散/度嶂散/薬子
【解説】
元日から三日まで、延命長寿を願って天皇に歯固と薬を献じる儀式。はじめに大根・押鮎などの歯固、次に薬を供じる。薬は、一献に屠蘇、二献に神明白散、三献に度嶂散を、いずれも酒に入れて供する。はじめに薬子と呼ばれる少女が飲み、事後には後取の蔵人に授けられた。
【例句】
薬子やしも中かみにふさうこく
正章「山の井」
白散よ酒に交へて生く薬
松瀬青々「妻木」
案山子揚(かかしあげ) 初冬
【解説】
陰暦十月十日に長野県や山梨県などで行われる行事。案山子はもともと山から降りてきた田の神と考えられていた。田の神が山へ帰るこの日、田から案山子を引き上げ、餅や大根を供えて感謝するというもの。
鏡草(かがみぐさ) 新年
【子季語】
加賀見草
【解説】
ダイコンのこと。昔、正月に鏡餅の上に大根を飾ったので、この呼び名がある。鏡餅の風習は平安時代からで、大根飾りは民家から起こったものとおもわれる。米、粟、黍、蕎麦さえ取れない時も、大根は育つ。料理法も多様。鏡餅・大根祝う等同義である。
阿茶羅漬(あちゃらづけ) 新年
【解説】
関西地方の正月料理のひとつで漬物の一種。アチャラはポルトガル語で野菜や果物の漬物のこと。蓮根、大根、蕪、牛蒡などの野 菜をこまかく刻んで、酢、酒、醤油、砂糖、唐辛子などで漬けたもの。
野の宮の別(ののみやのわかれ) 晩秋
【子季語】
桂川の御禊/別れの御櫛/斎宮群行
【解説】
京都嵯峨野の野の宮神社は、伊勢皇大神宮や賀茂神社に奉仕する 斎宮、斎院が精進潔斎した所。三年間の潔斎の後、参内して天皇に別れを告げ神の女性となった。「野の宮の別、秋九月。恋にあらず」とあるが、今は十月第三日曜、行列が出て嵐山で禊をする。
【例句】
野の宮にわかれからびて大根かな
巣兆「発句題叢」
野の宮の別れ語るや小百姓
松瀬青々「鳥の巣」
白川祭(しらかわまつり/しらかはまつり) 晩秋
【解説】
十月六日、京都市左京区北白川仕伏町の北白川天満宮の祭。古代の供物の型を伝える祭儀で、米、小芋、大根なます、するめ等を 味噌をつなぎに円錐形に盛りあげる。黒木綿に前垂れ姿の女性が御本前行列をなし、神前に供える。各家は、小豆餅を作って祝う。
集め汁(あつめじる) 仲夏
【子季語】
むじつ汁
【解説】
端午の節句に食す汁物で、邪気を払うとされる。大根、牛蒡、芋、豆腐、竹の子、干し魚などを一緒に煮込み、味噌汁またはすまし汁にしたもの。
歯固(はがため) 新年
【子季語】
歯固の餅/火鑚餅
【解説】
正月行事の一つで延命長寿を願い固いものを食べる風習。すでに「土佐日記」に歯固めの記載がある。歯固めの対象となる食材は餅であったが、副材料として、押アユ、シシ、シカなどの塩蔵品や大根また、かち栗、串柿などの縁起物を用いる。一条関白兼良の『世諺問答』にも「人は歯をもって命とするゆゑ、歯の字をよはいともよむなり」の記述があり古くから歯についての関心が高かったことが伺える。
【例句】
歯がために二人の翁喰ひにけり
鬼貫「辰歳旦惣寄」
歯固やとは伝ひさして水の恩
言水「初心もと帖」
歯がために杖のへるこそめでたけれ
北枝「北枝発句集」
涎して歯がためなせる童かな
如泉「新類題発句長」
歯固の歯一枚もなかりけり
一茶「八番日記」