駒鳥(こまどり) 三夏
【子季語】
こま
【解説】
ツグミ科の鳥。雀大で背面は灰黄褐色、顔から喉、上胸部にかけては紅赤色。夏鳥として渡来し九州以北の高い山で繁殖する。薮の中にいるので姿は、なかなか見る事ができない。「ヒンカララララ」と美しい声で鳴く。鳴き声が馬(駒)のいななきに似ているのでこの名がある。
【科学的見解】
コマドリは、ヒタキ科(旧ツグミ科)の鳥類で、九州から北海道までの地域に夏鳥として渡来する。本種は、山地の藪や茂みを好み、主に昆虫類を餌としている。産卵期は、六月から七月で、三個から五個程度産卵する。近縁種として、伊豆諸島南部や九州大隅半島で留鳥として生息している亜種のタネコマドリが知られている。(藤吉正明記)
【例句】
駒鳥の声ころびけり岩の上
園女「其袋」
駒鳥の日晴れてとよむ林かな
闌更「半化坊発句集」
駒鳥やめしひの殿の朝機嫌
紫暁「この時雨」