交喙鳥(いすか) 晩秋
【子季語】
交嘴鳥/なきいすか
【解説】
スズメ目アトリ科の渡り鳥で、秋、シベリア方面から渡来する。体長は十八センチくらいで、スズメより大きめ。羽は灰褐色であるが、全体的には赤褐色である。松の種を好んで食べ、針葉樹の林で生息する。
【科学的見解】
イスカは、アトリ科の野鳥で、北海道から九州までの地域に冬鳥として渡来する。渡来個体数の多かった翌年は、一部の個体がそのまま日本に留まり、山地の涼しい地域で繁殖する場合があるとのことである。嘴は上下に曲がっているところが特徴で、その嘴を器用に使い、マツ科樹木の球果であるマツカサ(マツボックリ)の中の種子を取り出し採食する。種子の中にはデンプンが蓄えられているため、その小さくて硬い種子を採食するために特化した鳥類と言える。夏は、シラカバやカラマツ、アカマツ等の新芽を食べるとのことである。(藤吉正明記)