入内雀(にゅうないすずめ/にふないすずめ) 三秋
【解説】
スズメ目ハタオリドリ科の留鳥で、スズメと同じくらいの大きさ。頭部から背にかけて赤褐色で、腹部は白っぽい。スズメに似ているが、顔に黒い部分がないので見分けがつく。虫などを捕食する。冤罪を着せられた実方中将の霊が雀となって、内裏の食べ物をあさったことに由来する名前である。
【科学的見解】
ニュウナイスズメは、スズメ科(旧ハタオリドリ科)の野鳥で、本州中部以北の積雪の多い地域で繁殖し、冬期は本州中部以南の暖地へ移動する。繁殖期は、五月から七月で、主に落葉広葉樹林内の樹の洞で営巣を行うが、人家や巣箱等でも繁殖することが知られている。冬から夏にかけては、主に地上に落ちた草の種子を採食するが、秋頃にはイネ科植物の未熟な種子をくちばしで加えて押しつぶし、胚乳を盛んに食べるので、収穫前のイネに大きな損害を与えるとのことである。近縁種としては、馴染み深いスズメのほか、近年北海道や日本海側の島等で記録されているイエスズメが知られている。(藤吉正明記)