田雲雀(たひばり) 晩秋
【子季語】
畦雲雀/溝雲雀/土雲雀/川雲雀/犬雲雀
【解説】
スズメ目セキレイ科の渡り鳥で、秋、シベリア方面から渡来し、日本各地の平野部の川原や湿地帯に棲息する。体長十六センチくらい。頭部から背中にかけて灰褐色で、羽は黒褐色、腹部は黄白色である。草の実や昆虫類を食べる。
【科学的見解】
タヒバリは、セキレイ科タヒバリ類の野鳥で、冬鳥として主に本州以南の地域に渡来し、九月頃から翌年五月頃まで見られる。北海道では旅鳥として確認されている。生息環境は、水田付近や海岸、河川等の湿った環境を好み、地上を歩きながら採食する。時折、石や倒木等にとまりセキレイ類のように尾を上下に振る習性がある。冬の時期は単独もしくは数羽の群れで行動する。近縁種としては、ビンズイが知られているが、タヒバリは水田や河原の開けた水辺を好むのに対して、ビンズイは主に針葉樹林や広葉樹林にいることが多いため、生息環境の違いでおおよそ区別することができる。(藤吉正明記)