鳩の巣(はとのす) 三春
【解説】
鳩の営巣期は四月から六月頃。営巣場所は雄が決めて材料を運び、雌が巣をつくる。五、六メートル以上の樹上に小枝を重ねて皿形の巣をつくるが、作りは粗い。卵の数は二個。
【科学的見解】
一般的に身近な場所に留鳥として生息しているハト類は、ハト科のキジバトとカワラバト(ドバト)の二種が知られている。キジバトは在来の野鳥であるが、カワラバトはユーラシア大陸に生息する野生種のハトから伝書鳩等の家禽として作られた個体が野生化した外来種である。キジバトは低山や山地の森林から市街地まで広く分布しているのに対し、カワラバトは主に都市部や寺院等の人為的な影響の強い場所で生息または繁殖している。両種ともに一年を通して繁殖しているが、夏から秋にかけて繁殖する個体が多く、年に何度も営巣する。巣は、樹木の枝分かれした部分もしくは葉が茂った場所に枯れ枝を組み合わせて簡素な形で作られる。(藤吉正明記)