雷鴫(かみなりしぎ) 三夏
【子季語】
大地鴫
【解説】
北海道と本州北部の草原、湿原、本州中部の高原に夏鳥として渡来し、秋早い時期にオーストラリアに渡去する、三十センチほどの鳥。嘴は長く、体は暗褐色で白っぽい斑紋がある。ズビャーク ズビャークと鳴きながら飛び回り、尾羽をふるわせてザザザという大きな音をたてて急降下する。この羽音が雷を思わせるのでこの名がついた。正式名は大地鴫。
【科学的見解】
雷シギの標準和名は、オオジシギであり、シギ科に分類されている。本種は、本州中部から北海道までの地域に夏鳥として渡来する。本州では山地の高原で、北海道では低地の湿地や草原で繁殖する。営巣は地上で行い、卵数は四個程産とされている。近縁種としては、主に冬鳥として渡来するタシギやハリオシギ、主に旅鳥として渡来するチュウジシギが知られている。(藤吉正明記)