鵲(かささぎ)三秋
【子季語】
高麗鴉、朝鮮鴉、唐鴉、筑後鴉、肥前鴉、烏鵲、勝鴉
【関連季語】
鵲の橋、鵲の巣
【解説】
七夕伝説に登場する鳥。天の川を渡る織姫のために羽を連ねて橋を作るという。カラスに似ているが腹部が白いのでカラスと見分けられる。
【文学での言及】
かささぎの渡せる橋におく霜の白きをみれば夜ぞふけにける 大伴家持『新古今集』
【実証的見解】
鵲は、スズメ目カラス科の鳥で、日本ではおもに北九州地方に生息する。体長約四十センチで、全体的に黒く、肩や羽、腹部の一部が白い。穀類や木の実などを食べるほか、秋にはイナゴなどの害虫も食べることから、益鳥とされる。十二月ころから三月ころまでが繁殖期で、枝や竹、ハンガーなどを用いて高い木の梢や電柱の上に巣を作る。産卵数は五個から八個くらいで、四月ころから巣立ちを始める。
【例句】
かささぎや石を重りの橋も有り
其角「浮世の北」