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季語と歳時記

きごさい歳時記

作成者アーカイブ: dvx22327

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早稲(わせ)仲秋

季語と歳時記

【解説】
稲の品種で早く実を結ぶもの。稲は本来暖かな地方を起源とするが、夏が短い北の地方では、開花も熟成も早い品種の早稲を用いることが多い。
【科学的見解】
農作物の栽培において、品種間で収穫時期が異なるが、早く収穫できるものを早生、続いて中生、収穫が遅いものを晩生として、区別している。イネの早稲(早生)品種としては「コシヒカリ」や「あきたこまち」など、中生品種としては「日本晴」など、晩生品種としては「ヒノヒカリ」や「山田錦」などが知られている。(藤吉正明記)
【例句】
早稲の香や分け入る右は有磯海
芭蕉「奥の細道」

早稲の香や聖とめたる長がもと
蕪村「夜半叟句集」

早稲の香や夜さりも見ゆる雲の峰
一茶「九番日記」

早稲の香や伊勢の朝日は二見より
支考「梟日記」

早稲の香や雇ひ出さるゝ庵の舟
丈草「有磯海」

早稲の香や有磯めぐりの杖の跡
浪化「有磯海]

家めぐり早稲にさす日の朝な朝な
松瀬青々「倦鳥」

旅寝して早稲の香りのどこよりぞ
長谷川櫂「蓬莱」

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稲(いね)三秋

季語と歳時記

【子季語】
稲、富草、粳、糯、稲筵、稲葉、稲穂、粳稲、糯稲、もちごめ、田の実、水影草、稲の秋、稲の波、稲の秀、八束穂、稲の香
【解説】
日本人の主食である米をとるため、縄文時代後期から栽培されて来た。日本人にとって、なくてはならない植物である。秋に稲穂が黄金色になり、風にたなびく様子は一幅の絵のようである。
【科学的見解】
稲(イネ)は、コムギとともに世界の代表的な主食源食物と言える。イネは、ジャポニカ(日本型短粒種)とインディカ(インド型長粒種)の二つに大きく分かれ、日本では短粒型の粘り気のあるものが栽培されている。主食ということもあり、昔から品種改良が盛んに行われ、食味の良いものや寒さに強く倒れにくい品種が選抜されてきた。イネは、一般的に水を張った水田で栽培されている(水稲)が、畑でも栽培できる陸稲(おかぼ)も存在する。イネは、主食としてたべられる他、日本酒の材料にもされている。(藤吉正明記)
【例句】
里人は稲に歌よむ都かな
芭蕉「真蹟懐紙写」

稲かつぐ母に出迎ふうなひ哉
凡兆「猿蓑」

稲のほをおこして通る田道かな
蝶夢「草根発句集」

稲つけて馬が行くなり稲の中 
正岡子規「子規句集」

稲の雨斑鳩寺にまうでけり
正岡子規「子規句集」

山四方中を十里の稲筵
夏目漱石「漱石全集」

一里行けば一里吹くなり稲の風
夏目漱石「漱石全集」

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芋(いも)三秋

季語と歳時記

satoimo
【子季語】
芋畑、親芋、子芋、衣被ぎ、芋茎、芋の秋、芋秋、土垂、豊後芋、団子芋、白芋、吉野芋、しがみ芋、太芋、赤芽芋、蓮芋、ずいき芋、芋がら、里芋田楽
【解説】
俳句の場合芋と言えば里芋をさす。秋、地下の芋を堀り収穫する。葉は大きなハート型。茎はずいきといって酢の物にして食べる。お月見の供えものとしても欠かせない。日本人の生活に古くから密着した食物である。
【科学的見解】
里芋(サトイモ)は、サトイモ科に属する多年生植物であり、原産地はインド・ネパールからマレー半島付近とされている。日本への渡来は、縄文時代中期とされているが、現在栽培されている品種の多くは明治以降に品種改良されたものである。芋(塊茎)や葉柄を食用とし、子芋専用品種(土垂・八幡いも・石川小芋)、親芋専用品種(八つ頭・筍芋)、葉柄専用品種(蓮芋)などがある。(藤吉正明記)
【例句】
芋洗ふ女西行ならば歌よまむ
芭蕉「甲子吟行」

いものはや月待つさとの焼ばたけ
芭蕉「鹿島紀行」

手向けり芋ははちすに似たるとて
芭蕉「続深川集」

月に名を包みかねてやいもの神 
芭蕉「ひるねの種」

石女の蛸追ひうつや芋ばたけ
蕪村「夜半叟句集」

浦風に蟹も来にけり芋畠
太祇「太祇句集後篇」

猶つきに知るや美濃路の芋の味
惟然「泊船集」

芋洗ふ女に月は落ちにけり
言水「東日記」

芋の露野守の鏡何ならむ
太祇「太祇句集後篇」

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敗荷(やれはす)仲秋

季語と歳時記

【子季語】
破蓮、敗れ荷、敗荷、秋の蓮
【解説】
秋口には風に葉を翻していた蓮も、日に日に色褪せ、風雨に打たれて破れてゆく。寂しくわびしい秋の風情そのもである。
【例句】
さればこそ賢者は富まず敗荷
蕪村「夜半叟句集」

敗荷や雨は静かに降りつづく
淡嵩「丁卯句鈔」

yarehasu

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菊(きく)三秋

季語と歳時記

kiku【子季語】
白菊、黄菊、一重菊、八重菊、大菊、中菊、小菊、菊作、厚物咲、初菊、、乱菊、千代美草、懸崖菊、菊の宿、菊の友、籬の菊、菊時、菊畑
【解説】
キク科の多年草。中国原産。奈良時代日本に渡って来た。江戸時代になって観賞用としての菊作りが盛んになる。香りよく見ても美しい。食用にもなる。秋を代表する花として四君子(梅竹蘭菊)の一つでもある。
【科学的見解】
菊は、キク科キク属の多年草の総称であり、海外から導入されたものが一般的に観賞用・食用として栽培されている。その他、日本在来のキク属の植物は、一般的に野菊と呼ばれ、複数種存在している。代表的な種として、リュウノウギク、ノジギク、サツマノギク、イソギクなどがあり、白や黄色の花弁を有している。(藤吉正明記)
【例句】
菊の香や奈良には古き仏達
芭蕉「杉風宛書簡」

菊の花咲くや石屋の石の間
芭蕉「翁草」

琴箱や古物店の背戸の菊
芭蕉「住吉物語」

白菊の目にたてゝ見る塵もなし
芭蕉「笈日記」

手燭して色失へる黄菊かな
蕪村「夜半叟句集」

黄菊白菊其の外の名はなくもなが
嵐雪「其袋」

御立ちやるか御立ちやれ新酒菊の花
夏目漱石「漱石全集」

あるほどの菊抛げ入れよ棺の中
夏目漱石「漱石全集」

御空より発止と鵙や菊日和
川端茅舎「川端茅舎句集」

頂上や殊に野菊の吹かれ居り
原石鼎「花影」

菊見事死ぬときは出来るだけ楽に
日野草城「人生の午後」

白菊に遠い空から雨が来る
飯田龍太「春の道」

大輪となるべき菊の莟あり
長谷川櫂「新年」

目覚めても目覚めても闇菊の闇
高田正子「玩具」

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鳳仙花(ほうせんか、ほうせんくわ)初秋

季語と歳時記

【子季語】
爪紅、つまべに、つまぐれ、染指草
【解説】
東南アジア原産。三十~六十センチほどの茎が直立し、赤、白、紫絞りなどの花を咲かす。女の子がこの花びらの汁で爪を染めて遊んだところから「爪紅」ともいう。又、熟した種子を指でつまんではじけるのを楽しむ。
【科学的見解】
鳳仙花(ホウセンカ)は、ツリフネソウ科ツリフネソウ属の一年草。公園や庭先などで栽培されている。ホウセンカの近縁種として、ツリフネソウが存在し、山林付近の水辺に自生している。ホウセンカ同様、花は紅紫色であり、果実に触れると種子が弾け飛ぶ。(藤吉正明記)
【例句】
枝折戸に蕭の音あり鳳仙花 
琴明「類題発句集」

汲み去って井辺しづまりぬ鳳仙花 
原石鼎「花影」

かそけくも喉鳴る妹よ鳳仙花 
富田木歩「定本木歩句集」

爪紅のうすれゆきつゝみごもりぬ
篠原鳳作「篠原鳳作集」

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鶏頭(けいとう)三秋

季語と歳時記

【子季語】
鶏頭花、扇鶏頭、箒鶏頭、槍鶏頭、房鶏頭、ちやぼ鶏頭、紐鶏頭、韓藍の花、からあい
【解説】
秋の季語。ヒユ科の一年草で、中国から渡来した。韓藍の古名で万葉集にも詠まれている。一メートル弱の茎先にニワトリのとさかのような真っ赤な細かい花をつける。黄や白の花もある。庭先などに植えられ、花が少なくなる晩秋までその姿を楽しませてくれる。江戸期までは若葉を食用にしていた。
【科学的見解】
鶏頭(ケイトウ)は、ヒユ科ケイトウ属の外来植物であり、観賞用として公園や庭で栽培されている。園芸品種も多数あり、紅赤、桃、橙、黄など花の色も多彩である。ケイトウの変種には、ヤリゲイトウやフサゲイトウが存在するが、花の形は鶏冠状にはならない。(藤吉正明記) 
【例句】
鶏頭や雁の来る時尚あかし
芭蕉「初蝉」

鶏頭や松にならひの清閑寺
其角「五元集」

味噌で煮て喰ふとは知らじ鶏頭花
嵐雪「玄峰集」

鶏頭の昼をうつすやぬり枕
丈草「東華集」

錦木は吹倒されてけいとう花
蕪村「夜半叟句集」

鶏頭の十四五本もありぬべし 
正岡子規「俳句稿」

人の如く鶏頭立てり二三本
前田普羅「普羅句集」

鶏頭のほとほと暮れてまだ暮るる
松本たかし「松本たかし句集」

鶏頭に飛び来る雨の迅さかな
松本たかし「松本たかし句集」

鶏頭をたえずひかりの通り過ぐ
森澄雄「浮鷗」

鶏頭を支ふる茎のあをかりき
高田正子「玩具」

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朝顔(あさがお、あさがほ)初秋

季語と歳時記

【子季語】
牽牛花、西洋朝顔
【関連季語】
昼顔、夕顔、夜顔
【解説】
朝顔は、秋の訪れを告げる花。夜明けに開いて昼にはしぼむ。日本人はこの花に秋の訪れを感じてきた。奈良時代薬として遣唐使により日本にもたらされた。江戸時代には観賞用として栽培されるようになった。旧暦七月(新暦では八月下旬)の七夕のころ咲くので牽牛花ともよばれる。
【来歴】
『花火草』(寛永13年、1636年)に所出。文学での言及
展転び恋ひは死ぬともいちじろく色には出でじ朝貌の花 作者不詳『万葉集』
我が目妻入は放くれど朝貌の年さへこごと吾は放るがへ 作者不詳『万葉集』
高円の野辺の容花おもかげに見えつつ妹は忘れかねつも 大伴家持『万葉集』
うちつけにこしとや花の色を見むおく白露の染むるばかりを 矢田部名実『古今集』
君こずば誰に見せましわが宿の垣根に咲ける朝顔の花 よみ人しらず『拾遺集』
【科学的見解】
朝顔は、ヒルガオ科サツマイモ属の一年生の蔓性植物。原産地はアジア。葉はハート形で表面に細かい毛を有する。茎は蔓で左巻き。花は漏斗状で花径は十センチくらい。夏から秋にかけて開花する。花の色は、白、紫、紅、藍などさまざま。日本で鑑賞用に改良され、大輪や変わり咲き、斑入りなど多くの園芸種がある。山上憶良の「萩の花尾花葛花撫子の花女郎花また藤袴朝顔の花」『万葉集』の「朝顔」は桔梗または木槿の花であるとされる。また、日本の在来の朝顔としては、野朝顔(ノアサガオ)が存在し、関東以西の海岸付近から沖縄にかけて自生している。ノアサガオの開花期は、四月から一二月まで幅広い。その他、外来種としてアサガオ類は暖地を中心に複数種自生している。(藤吉正明記)
【例句】
朝貌や昼は錠おろす門の垣
芭蕉「炭俵」

あさがほに我は飯くふおとこ哉
芭蕉「虚栗」

あさがほの花に鳴行蚊のよわり
芭蕉「句選拾遺」

朝顔は酒盛知らぬさかりかな
芭蕉「笈日記」

蕣(あさがほ)は下手の書くさへ哀也
芭蕉「続虚栗」

蕣や是も又我が友ならず
芭蕉「今日の昔」

三ケ月や朝顔の夕べつぼむらん
芭蕉「虚栗」

わらふべし泣くべし我朝顔の凋(しぼむ)時
芭蕉「真蹟懐紙」

僧朝顔幾死かへる法の松
芭蕉「甲子吟行」

朝がほや一輪深き淵のいろ
蕪村「蕪村句集」

あさがほや夜は葎のばくち宿
去来「菊の香」

蚊屋ごしに蕣見ゆる旅寝哉
士朗「枇杷園句集」

朝顔の垣や上野の山かつら
正岡子規「子規句集」

朝貎や咲いた許りの命哉
夏目漱石「漱石全集」

朝顔を一輪挿に二輪かな
高浜虚子 「七百五十句」

朝がほや濁り初めたる市の空
杉田久女「杉田久女句集」

朝顔の紺のかなたの月日かな
石田波郷「風切」

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芭蕉(ばしょう、ばせう)初秋

季語と歳時記

【子季語】
芭蕉葉、芭蕉林
【解説】
バショウ科の熱帯性植物。長円形の大きな葉は、風雨にさらされて簡単に破れてしまう。これを秋の季語としたのは、この葉の弱さが秋風ともあいまって、もののあわれを誘うせいであろう。
【科学的見解】
芭蕉(バショウ)は、バショウ科バショウ属の多年草である。高さは、約五メートルとなり、バナナに似た果実を付けるが、バナナほど大きくはならない。バショウ属の中では、最も耐寒性があるため、関東以西で栽培されている。原産地は不明である。近縁種として、琉球芭蕉(リュウキュウバショウ)が存在し、沖縄に自生している。芭蕉布として有名な織物は、リュウキュウバショウの繊維(茎の表皮)が使用されている。(藤吉正明記)
【例句】
この寺は庭一盃の芭蕉かな
芭蕉「俳諧曾我」

曙や芭蕉をはしる露の音
蝶夢「草根発句集」

露はれて露のながるるばせをかな
白雄「白雄句集」

野鳥の上手にとまるばせをかな
一茶「九番日記」

さらさらと白雲渡る芭蕉かな
正岡子規「新俳句」

したゝかに雨だれ落つる芭蕉かな
内藤鳴雪「春夏秋冬」

舷のごとくに濡れし芭蕉かな
川端茅舎「川端茅舎句集」

幹打てば水の音して芭蕉かな
長谷川櫂「蓬莱」

芭蕉の葉ばさりばさりと翻る
長谷川櫂「蓬莱」

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蘭(らん)仲秋

季語と歳時記

【子季語】
秋欄、蘭の香、デンドロビューム、蘭の秋、蘭の花
【解説】
洋ランと東洋ランがある。春蘭、寒蘭などの東洋ランは鎌倉時代に栽培されるようになり、カトレア、胡蝶蘭などの洋ランは明治以降に西洋から渡来した。
【科学的見解】
蘭は、ラン科に属する多年生の植物であり、世界において数万種存在する。日本では、在来の種として約七十五属二百三十種が知られている。蘭は、その花の美しさから、世界中で様々な種が園芸目的に活用されている。在来の種としては、春から夏にかけて花を咲かせるものが多く、シュンラン、エビネ、シラン、ウチョウラン、フウラン、クマガイソウ、ネジバナなどはその代表である。(藤吉正明記)
【例句】
蘭の香や蝶の翅にたき物す
芭蕉「野ざらし紀行」

門に入れば蘇鉄に蘭のにほひ哉
芭蕉「笈日記」

香を残す蘭帳蘭のやどり哉
芭蕉「鹿子の渡」

蘭の香や菊より暗きほとりより
蕪村「蕪村俳句集」

夜の蘭香にかくれてや花白し
蕪村「蕪村俳句集」

蘭のかや異国のやうに三ヶの月
一茶「八番日記」

清貧の家に客あり蘭の花
正岡子規「子規句集」

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