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季語と歳時記

きごさい歳時記

作成者アーカイブ: dvx22327

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破芭蕉(やればしょう、やればせう)晩秋

季語と歳時記

yarebasyou【子季語】
芭蕉の破葉、破れ芭蕉
【解説】
芭蕉のみずみずしい大きな葉が秋の風雨にさらされ、葉脈に沿って裂けている状態をいう。
【科学的見解】
バショウは、バショウ科バショウ属の多年草で、関東以西の地域で栽培されている。世界全体でバショウ属植物は五十種以上が存在するが、それらの中でも最も北に生育する種として知らている。本種の葉は大型で、長さ二メートル程となり、風雨の影響で次第に葉脈に沿って裂けていく。その様子に風情を感じ、櫛芭蕉や破芭蕉等の植物季語が付けられている。沖縄等の亜熱帯地域では、本種より小型で芭蕉布作りに活用されている繊維植物のリュウキュウバショウ(イトバショウ)も存在している。(藤吉正明記)
【例句】
鶴鳴や其声に芭蕉やれぬべし
芭蕉「奥細道拾遺」

芭蕉葉や音も聞かさず破尽す
梅室「梅室家集」

やれ芭蕉こころ此ほどものぐさき
白雄「白雄句集」

荒寺や芭蕉破れて猫もなし
正岡子規「子規全集」

芭蕉破れて繕ふべくもあらぬ哉
正岡子規「子規全集」

芭蕉破れて書読む君の声近し
正岡子規「子規全集」

絣着ていつまで老いん破芭蕉
原石鼎「原石鼎全句集」

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蔦(つた)三秋

季語と歳時記

【子季語】
蔦紅葉、蔦の葉、錦蔦、蔦かずら
【解説】
蔓性で物にどんどん這い回る。山野に自生するが、街なかの外壁や石垣などにも見ることが出来る。晩秋には紅葉して木や建物を赤々と染め上げる。青蔦は夏の季語。
【科学的見解】
蔦(ツタ)は、ブドウ科ツタ属のつる性木本植物である。日本在来の植物で、北海道から九州の山野に普通に見られる。別名として、ナツヅタとも呼ばれる。葉は、三出複葉の葉と単葉の二タイプが存在し、成長とともに単葉に変化していく。ツタと間違えやすい植物として、木蔦(キヅタ)が存在するが、キヅタは常緑性なので容易に区別がつく。(藤吉正明記)
【例句】
桟やいのちをからむ蔦かづら
芭蕉「更科紀行」 

蔦植て竹四五本のあらし哉
芭蕉「野ざらし紀行」

苔埋む蔦のうつゝの念仏哉
芭蕉「花の市」

夜に入らば灯のもる壁や蔦かづら
太祇「太祇句集」

石山の石にも蔦の裏表
乙州「韻塞」

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木の実(このみ)晩秋

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【子季語】
木の実落つ、木の実降る、木の実の雨、木の実時雨、木の実独楽、木の実時
【解説】
櫟・橡・椎・樫など木になる実の総称。食べるために拾い集めたり、かわいらしい形に惹かれて拾い集めたりする。独楽などのおもちゃにするものもある。落ちている木の実を踏んで野山を歩くのも趣がある。
【例句】
籠り居て木の実草の実拾はゞや
芭蕉「後の旅」
鶴一つ痩せて秋待つ木の実かな
支考「浜荻」

猪の庭踏む音や木の実ふる
太祗「太祗句選後篇」

芝舟の底に三ッ四ッ木の実かな
一棟「田毎の日」

木の実降る石に座れば雲去来
杉田久女「杉田久女句集」

憂き人の肩に音ある木の実かな
石橋秀野「桜濃く」

木の実のごとき臍もちき死なしめき
森澄雄「所生」

厭な風出て来し山の木の実かな
飯田龍太「遅速」

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柳散る(やなぎちる)仲秋

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【子季語】
黄柳、柳黄ばむ、散る柳
【解説】
秋の中頃、葉は黄ばみ、一葉ずつ、時をかけて散り尽す。たおやかに揺れて散るさまは、秋そのもの。
【例句】
庭掃きて出でばや寺に散る柳 
芭蕉「奥の細道」

船よせて見れば柳のちる日かな
太祇「太祇句選後篇」

柳散り清水涸れ石処々  
蕪村「反古衾」

柳散るやただ土くれの西東   
白雄「古にし夢」

柳散るや少しタベの日のよわり
暁台「暮雨巷句集」

柳散り棄屑流るる小川かな
正岡子規「寒山落木」

柳散る紺屋(こうや)の門の小川かな
夏目漱石「漱石全集」

散り残る柳が触れる心地かな
五島高資「蓬莱紀行」

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楓(かえで、かへで)晩秋

季語と歳時記

【子季語】
かへるで、槭樹、錦草、山紅葉、かへで紅葉
【解説】
楓は色づく樹々の中で特に美しく代表的なもの。その葉の形が蛙の手に似ていることから古くは「かえるで」とも。秋もさることながら春の緑も美しい。
【科学的見解】
楓は、カエデ科カエデ属に属する植物の総称で、日本の在来種としては約二十六種が知られている。代表的な種としては、イロハモミジ、オオモミジ、ハウチワカエデ、イタヤカエデ、ウリハダカエデなどがある。イロハモミジは、本州から九州の低山で普通に見られる種である。花期は四月から五月で、果実は七月から九月に熟し、その後葉は赤く紅葉する。その他、楓は多数の園芸品種が作出され、公園や庭などに植栽されている。(藤吉正明記)
【例句】
楓橋は知らず眠さは詩の心
支考「東西夜話」

紅楓深し南し西す水の隈
几菫「井華集」

沼楓色さす水の古りにけり
臼田亜浪「山光」

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紅葉(もみじ、もみぢ)晩秋

季語と歳時記

【子季語】
もみぢ葉、色葉、色見葉、紅葉の錦、谿紅葉、紅葉川、紅葉山、紅葉出づ、梢の錦
【解説】
落葉樹の葉が赤や黄色に色づき、野山の秋を飾る。紅葉といえば主に楓のことをいう。紅葉を愛でるという習慣は平安の頃の風流から始まったとされている。
【科学的見解】
紅葉は、葉の中に含まれている色素の割合が変化することで、赤色や黄色になる。色素としては、クロロフィル類(緑色)、アントシアニン類(赤色)、キサントフィル類(黄色)などが存在する。通常の葉は、クロロフィル類が多く含まれているため、緑色に見えるが、落葉前にはクロロフィル類を分解し、栄養を再吸収(枝や幹などに貯蓄)する。すると、落葉時の葉では、クロロフィル類以外の色素の量が多くなり、種によって赤色や黄色に変化するのである。紅葉は、人にとっては美しいものであるが、植物にとっては厳しい自然で生き抜くための工夫である。(藤吉正明記)
【例句】
文ならぬいろはもかきて火中哉
芭蕉「千宣理記」

蔦の葉はむかしめきたる紅葉哉
芭蕉「荵摺」

静かなり紅葉の中の松の色
越人「庭竈集」

山くれて紅葉の朱をうばひけり
蕪村「蕪村遺稿」

二荒や紅葉が中の朱の橋
蕪村「夜半叟句集」

紅葉して寺あるさまの梢かな 
蕪村「連句会草稿」

暮れさむく紅葉に啼くや山がらす
白雄「白雄句集」

かざす手のうら透き通るもみぢかな
大江丸「はかい袋」

紅葉折る音ひと谷にひゞきけり
梅室「梅室家集 下」

障子しめて四方の紅葉を感じをり
星野立子「實生」

激つ瀬をあらおもしろの紅葉舟
長谷川櫂「初雁」

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柚子(ゆず)晩秋

季語と歳時記

yuzu【解説】
蜜柑より粗野であるが、独特の香りと美しい黄色の皮が、昔から料理に欠かせない薬味として愛されてきた。その芳香や色合いがもたらす食欲増進効果に加え、風邪の予防や疲労回復に効果があるとされる。
【科学的見解】
ユズは、ミカン科ミカン属の常緑小高木で、中国原産とされている。日本では、奈良時代から栽培されているそうで、香りが良いために現在では日本各地に普及し、調味料やお菓子等に利用されている。枝には長い棘を持ち、葉の葉柄には翼が発達するのも特徴である。果実の表面には凹凸があり、直径七センチメートル程の大きさとなる。(藤吉正明記)
【例句】
子籠の柚の葉にのりし匂ひ哉
其角「五元集拾遺」

柚の色に心もとりぬ魚の店
多代女「晴霞句集」

精進日や厨きよらに柚の匂ひ
梧堂「親類題発句集」

荒壁や柚子に梯子す武者屋敷
正岡子規「子規全集」

古家や累々として柚子黄なり
正岡子規「子規句集」

騒然と柚の香放てば甲斐の国
飯田龍太「春の道」

柚子打の出てゐる愛宕日和かな
長谷川櫂「果実」

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栗(くり)晩秋

季語と歳時記

【子季語】
毬栗、笑栗、落栗、一つ栗、三つ栗、丹波栗、山栗、柴栗、ささ栗、虚栗、栗山、栗林
【解説】
ブナ科。密生したとげの毬の中で実が生育する。山野に自生し古くからその実は食用とされてきた。六月頃に強い芳香を持つ花を咲かせる。材は耐湿性、耐久性にすぐれ家の土台枕木杭木などに用いられてきた。
【科学的見解】
栗(クリ)は、ブナ科クリ属の落葉樹木であり、北海道西部から九州までの低山で普通に見られる。在来のクリを改良し、多くの品種が作出されている。カキノキと同様に、日本の数少ない在来果樹の一つである。(藤吉正明記)
【例句】
夜ル竊(ひそか)ニ虫は月下の栗を穿ツ
芭蕉「東日記」

古寺や栗をいけたる椽の下
鬼貫「鬼貫句選」

山川や梢に毬毛は有ながら
其角「きれきれ」

栗備ふ恵心の作の弥陀仏
蕪村「蕪村句集」

栗拾ひねんねんころり言ひながら
一茶「九番日記」

毬栗の蓑にとどまるあらしかな
白雄「白雄句集」

毬栗に鼠の忍ぶ妻戸かな
召波「春泥発句集」

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葡萄(ぶどう、ぶだう)仲秋

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budou
【子季語】
甲州葡萄、マスカット、デラウェア、黒葡萄、葡萄園、葡萄棚、葡萄狩
【解説】
ブドウ科。蔓性でどんどん伸びる。葉は心臓形でぎざぎざしている。緑色の粒状の花をつける。八月から十月にかけて実が熟し、食用、ジャム、ワインなどになる。
【科学的見解】
葡萄は、ブドウ科ブドウ属に属するつる性落葉樹木であり、生食及び加工用の品種のほとんどはヨーロッパ種とアメリカ種が活用されている。日本でなじみの深い生食用葡萄の品種は、巨峰(ヨーロッパ種とアメリカ種の交雑種)、デラウェア(アメリカ種)、マスカット・オブ・アレキサンドリア(ヨーロッパ種)などがある。日本の在来葡萄としては、数種類存在しているが、代表的な種としてはヤマブドウが知られている。ヤマブドウは、北海道・本州・四国に分布し、山地の林内や林縁部に自生してる。(藤吉正明記)
【例句】
雫かと鳥もあやぶむ葡萄かな
千代女「千代尼句集」

枯れなんとせしをぶだうの盛りかな
蕪村「夜半叟句集」

後の月葡萄に核の曇り哉
成美「成美家集」

黒葡萄天の甘露をうらやまず
一茶「九番日記」

黒きまで紫深き葡萄かな
正岡子規「子規句集」

亀甲の粒ぎつしりと黒葡萄
川端茅舎「川端茅舎句集」

掌に葡萄を置いて別れけり
前田普羅「定本普羅句集 」

葡萄食ふ一語一語の如くにて
中村草田男「銀河依然」

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林檎(りんご)晩秋

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【子季語】
紅玉、インド林檎、国光、ふじ
【解説】
バラ科。ヨーロッパが原産地。秋の果物の代表のひとつ。ふじ、紅玉、王林、つがる、ゴールデンデリシャス、などの品種がある。産地は青森、長野が有名。
【科学的見解】
林檎は、バラ科リンゴ属の落葉樹木である。現在栽培されている林檎(セイヨウリンゴ)は、明治以降に日本へ導入されたものであり、その後日本でも品種改良がなされ、様々な品種が作出された。日本で生み出された品種は、「ふじ」や「王林」などがある。林檎は、暑さには弱いが、耐寒性があるため、寒冷地で栽培されている。(藤吉正明記)
【例句】
わくらばの梢あやまつ林檎かな
太祇「太祇句集」

世の中の色に染めたるりんごかな
蕪村「落日庵句集」

歯にあてゝ雪の香ふかき林檎かな
渡辺水巴「水巴句集」

空は太初の青さ妻より林檎うく
中村草田男「長子」

金釘の曲りて抜けし林檎箱
長谷川櫂「古志」

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