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季語と歳時記

きごさい歳時記

作成者アーカイブ: dvx22327

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松虫(まつむし)初秋

季語と歳時記

【子季語】
金琵琶、青松虫、ちんちろ、ちんちろりん
【解説】
松風のごとくに澄みわたる鳴声から松虫という。昔は鈴虫と松虫の呼び方が逆になっていた。これは中国で呼び名が逆であったからで、現在は、チンチロリンと鳴くのが松虫である。和歌の世界でも鈴虫と並んで音色が愛でられてきた。
【例句】
松虫は通るあとより鳴きにけり
一髪「曠野」

松虫のなくや夜食の茶碗五器
許六「鯰橋」

松虫のりんとも言はず黒茶碗 
嵐雪「風俗文選」 

松虫も馴れて歌ふや手杵臼
卓袋「続有磯海」

風の音は山のまぼろしちんちろりん
渡辺水巴「水巴句集」

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鈴虫(すずむし)初秋

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【子季語】
金鐘児、月鈴子
【解説】
かつては鈴虫を松虫、松虫を鈴虫と逆に呼んでいた。鈴を振る、経る、古る、降るなど掛詞として和歌の世界でも愛されてきた。人工飼育もできるので身近にその音色を楽しむ人も多い。
【例句】
鈴虫や松明先へ荷はせて
其角「いつを昔」

更るほど鈴虫の音や鈴の音
之道「あめ子」

鈴虫の啼きそろひたる千草かな
桃夭「有磯海」

風さはる小松鈴虫糸鹿山
秋之坊「草刈笛」

飼ひ置きし鈴虫死で庵淋し
正岡子規「子規全集」

鈴虫や甕をこぼれてすだきける
長谷川櫂「虚空」

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蟋蟀(こおろぎ、こほろぎ)三秋

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♪
【子季語】
ちちろ、ころころ、ちちろ虫、筆津虫、つづれさせ、姫蟋蟀、えんま蟋蟀、油蟋蟀
【解説】
秋の虫蟋蟀は種類が多い。おもに黒褐色をしており、草地や暗いところ、家の片隅など身近なところで鳴く。蟋蟀の鳴くのを聞くと寂しく、秋の風情がしみじみと感じられる。古名はきりぎりす。 
【例句】
こうろぎや箸で追やる膳の上     
孤屋「炭俵」

県井やこほろぎこぞる風だまり
白雄「白雄句集」

こほろぎや塗師の紙張の暗き裾
幸田露伴「露伴全集」

こほろぎや翌の大根を刻む音 
正岡子規「子規全集」

こほろぎや犬を埋めし庭の隅
正岡子規「子規全集」

コホロギヤ物音絶エシ臺所 
正岡子規「子規全集」

こほろぎや入る月早き寄席戻り
渡辺水巴「水巴句集」

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蜻蛉(とんぼ)三秋

季語と歳時記

【子季語】
蜻蜒、とんぼう、あきつ、やんま、墨とんぼ、青とんぼ、黄やんま
【解説】
鬼やんま、塩辛蜻蛉、蜻蛉釣トンボ目に属する昆虫の総称。あきつ、やんまなどともいう。腹部は細長く円筒状。透明な二対の翅で飛び、大きな複眼を持つ。日本国をさす「あきつしま」は、蜻蛉が尾を咥えあった形に似ているからという故事による。
【例句】
蜻蛉やとりつきかねし草の上
芭蕉「笈日記」

蜻蛉や日は入りながら鳰の海
惟然「北の山」

行く水におのが影追ふ蜻蛉かな
千代女「千代尼句集」

とんぼうや白雲の飛ぶ空までも
几董「普明集五稿」

蜻蛉の尻でなぶるや角田川
一茶「七番日記」

蜻蛉や杭を離るる事二寸
夏目漱石「漱石全集」

蜻蛉行くうしろ姿の大きさよ
中村草田男「長子」

きらきらと目だけが死なず鬼やんま
加藤楸邨「吹越」

鬼やんまはるかに宙を返しくる
長谷川櫂「蓬莱」

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法師蝉(ほうしぜみ、ほふしぜみ)初秋

季語と歳時記

tukutukuhousi
♪
【子季語】
寒蝉、つくしこいし、つくつくし、つくつくぼうし、おしいつく
【解説】
確かにツクツクホーシツクツクホーシと聞こえてくる。うまい名をつけたものである。鳴き声を聞いていると一段と秋が深まり行くようである。蜩よりもこちらが長生き。寒蝉ともいう。
【例句】
今尽きる秋をつくづくほうしかな 
一茶「文化句帖」

鳴き立ててつくつく法師死ぬる日ぞ
夏目漱石「漱石全集」

また微熱つくつく法師もう黙れ
川端茅舍「川端茅舍句集」

この夕べ力つくせり法師蟬
森澄雄「虚心」

tukutukubousi

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鮭(さけ)三秋

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【子季語】
しやけ、秋味、初鮭、鼻曲り鮭
【解説】
川で生まれて海に育ち、また産卵のため川に戻ってくる。塩鮭にしたりいくらや筋子にしたりと、幅広い料理に使われる。日本人の好む魚である。
【例句】
きく添ふやまた重箱に鮭の魚
嵐雪「のぼり鶴」

初鮭や網代の霧の晴間より
支考「夏衣」

鮭に酒換へてうき世をえぞしらぬ
蕪村「夜半叟句集」

初鮭の荷や銀さびの夜明け頃
素丸「素丸発句集」

山風や世を鮭小家の影法師   
白雄「白雄句集」

荒縄のその荒鮭を屠りけり
長谷川櫂「虚空」

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秋刀魚(さんま)晩秋

季語と歳時記

【子季語】
さいら、初さんま、秋刀魚網
【解説】
名のごとく形が刀に似て細長く体長は三十センチほどになる。背は濃い藍青色、腹は銀白色で秋を代表する魚である。食餌と産卵のため北方より南下し十月には房総沖まで達する。脂肪が多く塩焼きにして食べる。苦いはらわたもまたうまい。江戸時代には季語とされておらず、【例句】は現代に入ってからである。
【例句】
秋刀魚荷の一番がつく残月に
小洒「杉の實」

道玄坂さんま出るころの夕空ぞ
久米三汀「返り花」

夕空の土星に秋刀魚焼く匂ひ
川端茅舎「川端茅舎句集」

風の日や風吹きうさぶ秋刀魚の値
石田波郷「雨覆」

飛びこんで炎の中に秋刀魚あり
長谷川櫂「新年」

鯊(はぜ)三秋

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【子季語】
沙魚、ふるせ、鯊の汐、真鯊、黒鯊、赤鯊、虎鯊、飛鯊、ちちぶ、どんこ、鯊日和、鯊の秋、鯊干す
【解説】
秋から冬にかけて、海に下って産卵する。この頃が美味である。大きな頭に大きな目玉。なんとも愛嬌ものである。釣ってきたものをすぐに天麩羅にしたりする。焼干しは正月の雑煮のだしに用いる。
【例句】
沙魚飛んで船に飯たくゆふべかな 
才麿「吐綬鶏」

沙魚を煮る小家や桃のむかし貌
蕪村「安永四年句稿」

沙魚釣の小舟漕なる窓の前 
蕪村「蕪村句集」

鯊釣るや水村山郭酒旗ノ風
嵐雪「虚栗」

沙魚釣や鼻をごめきて百とよむ 
太祇「俳諧新選」

活鯊に天麩羅油ぱちぱちと
長谷川櫂「蓬莱」

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落鮎(おちあゆ)三秋

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【子季語】
鮎落つ、錆鮎、渋鮎、下り鮎、とまり鮎、秋の鮎
【解説】
鮎は九月から十月頃産卵のため三百グラムほどにもなり、下流へと下る。その頃になると腹は赤みをおび鉄が錆びたような色になる。錆鮎ともよぶ。産卵した鮎は、体力消耗して、多くは死んでしまう。それゆえ、一年魚ともされる。
【例句】
一とせの鮎もさびけり鈴鹿川
鬼貫「犬居士」

水音も鮎さびけりな山里は
嵐雪「杜撰集」

鮎落ちていよいよ高き尾上かな
蕪村「蕪村文集」

落ち落ちて鮎は木の葉となりにけり
前田普羅「普羅句集」

鮎落ちて水きれぎれに吉野川
長谷川櫂「蓬莱」

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鴫(しぎ)三秋

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【子季語】
田鴫、青鴫、磯鴫
【解説】
日本に渡ってくる鴫は非常に多い。大体、七月から十二月にかけて渡ってくる。なかには越冬するものもある。主に田地、沼地の泥湿地に多く、体上面は茶色と黒の交錯、体下面は白い。鳴きながら直線状に飛ぶ。
【科学的見解】
シギ科の野鳥の多くは、北半球北部で繁殖し、長い渡りをして南半球や赤道付近で越冬する種が多い。そのため、その多くは渡りの途中で旅鳥として日本に渡来している。日本で確認されているシギ科の野鳥は、五十八種であり、その中で日本において繁殖が確認されている種は、五種(イソシギ、アカアシシギ、オオジシギ、ヤマシギ、アマミヤマシギ)のみである。中でもイソシギは、本州中部から九州にかけて留鳥として生息しているため、一般的なシギ類と言える。シギ科野鳥の多くは、干潟や水田等の湿地のぬかるみに隠れている小動物を捕食するため、嘴や足が長い種が多い。その典型として挙げられるは、ダイシャクシギやホウロクシギ、チュウシャクシギ等であり、それらは冬鳥や旅鳥として確認されている。(藤吉正明記)
【例句】
刈りあとや早稲かたかたの鴫の声
芭蕉「笈日記」

泥亀の鴫に這ひよる夕かな
其角「五元集」

よる浪や立つとしもなき鴫一つ 
太祗「太祗句選後篇」

鴫遠く鍬すすぐ水のうねりかな
蕪村「新五子稿」

鴫突きのしや面になぐる嵐かな
一茶「七番日記」

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