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季語と歳時記

きごさい歳時記

作成者アーカイブ: dvx22327

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柿(かき)晩秋

季語と歳時記

【子季語】
渋柿、甘柿、蜂屋柿、身不知柿、似柿、樽柿、ころ柿、百目柿、富有柿、御所柿、禅寺丸、次郎柿、伽羅柿、西条柿、会津身知らず、平核無、山柿、柿膾、柿の秋、柿店、柿の蔕落
【解説】
カキノキ科の落葉高木。東アジア温帯地方固有の植物で、果実を食用にする。かたい葉は光沢がある。雌雄同株。富有、御所、次郎柿などの甘柿は熟すると黄色が赤くなりそのまま食する。渋柿は、干し柿にすると甘くなる。青い実の渋柿からは、防水防腐に使われる「柿渋」がとれる。
【科学的見解】
柿の木(カキノキ)は、北海道をのぞく日本全土に分布する。高さは十メートルくらいになる。六月ころ葉腋に壺型の黄緑色の花をつける。雌雄同株で、雌花は雄花より大きい。互生する葉は、十センチくらいの楕円形または卵形で、表面には光沢がある。園芸品種が多数存在し、果実は甘いものと渋いものがある。カキノキは、日本の数少ない在来果樹の一つである。(藤吉正明記)
【例句】
里古りて柿の木持たぬ家もなし
芭蕉「蕉翁句集」

祖父(おほぢ)親まごの栄や柿みかむ(蜜柑)
芭蕉「堅田集」

蔕おちの柿のおときく深山かな
素堂「素堂家集」

柿ぬしや梢は近き嵐山
去来「猿蓑」

別るるや柿喰ひながら坂の上
惟然「続猿蓑」

柿売の旅寝は寒し柿の側
太祗「太祗句選」

嵯峨近う柿四五本の主かな
万古「俳諧新選」

渋かろか知らねど柿の初ちぎり
千代女「続近世畸人伝」

渋いとこ母が喰ひけり山の柿
一茶「句帖」

柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺
正岡子規「獺祭句帖抄」

三千の俳句を閲し柿二つ
正岡子規「子規句集」

よろよろと棹がのぼりて柿挟む
高浜虚子「五百五十句」

釣鐘のなかの月日も柿の秋
飯田龍太「春の道」

存念のいろ定まれる山の柿
飯田龍太「今昔」

柿食ふや命あまさず生きよの語
石田波郷「酒中花」

昨日より今日むさぼりぬ次郎柿
石田波郷「酒中花以降」

丸くして四角なるもの富有柿
長谷川櫂「初雁」

カテゴリー: 1基本季語, g植物

梨(なし)三秋

季語と歳時記

【子季語】
梨子、長十郎、二十世紀、洋梨、有りの実、梨売、梨園
【解説】
秋の代表的な果物の一つ。赤梨の長十郎、青梨の二十世紀など品種も多い。水分に富み甘みが強く、食味がさっぱりとしている。
【科学的見解】
梨は、日本の在来植物の山梨(ヤマナシ)を、栽培化及び品種改良して作出された果樹である。ヤマナシは、本州から九州の人里付近に分布する。ヤマナシの果実には、多くの石細胞が含まれているため、ジャリジャリとした食感がある。品種改良されたものは石細胞が少ない。西洋梨や中国梨と比べ、石細胞を有することが日本梨の特徴である。赤梨系や青梨系など多くの品種が存在する。(藤吉正明記)
【例句】
物干にのびたつ梨の片枝かな 
惟然「藤の実」

小刀の刃に流るるや梨の水
毛条「松のそなた」

梨むくや甘き雫の刃を垂るる   
正岡子規「子規全集」

仏へと梨十ばかりもらひけり    
正岡子規「子規全集」

梨くふは大師戻りの人ならし 
正岡子規「子規全集」

すゞなりの小梨に村の曇り哉  
正岡子規「子規全集」

日毎日毎十顆の梨を喰ひけり 
正岡子規「子規全集」

道元のつむりに似たる梨一つ
長谷川櫂「虚空」

カテゴリー: 1基本季語, g植物

桃(もも)初秋

季語と歳時記

【子季語】
桃の実、毛桃、白桃、水蜜桃、天津桃
【解説】
桃の実は中国からわたり、奈良時代から栽培された。水蜜桃から品種改良され種類は多い。早桃は六月下旬から出荷され、水蜜桃や白桃は八月中旬に出荷される。花は春の季語。
【科学的見解】
桃(モモ)は、バラ科モモ属の落葉樹木である。中国原産の外来果樹である。代表的な品種は、白桃や白鳳が知られており、生食用や加工用など様々なものが存在する。日本ではあまり販売されていないが、扁平な形をした蟠桃(座禅桃)なども存在する。(藤吉正明記)
【例句】
我きぬにふしみの桃の雫せよ
芭蕉「甲子吟行」

病間や桃食ひながら李描く
正岡子規「子規句集」

桃くふや羽黒の山を前にして
正岡子規「季語別子規俳句集」

水を出て白桃はその重さ持つ
加藤楸邨「吹越」

桃洗ふ双手溺れんばかりなり
石田波郷「酒中花以降」

磧にて白桃むけば水過ぎゆく
森澄雄「花眼」

白桃や心かたむく夜の方
石田波郷「雨覆」

カテゴリー: 1基本季語, g植物

木槿(むくげ)初秋

季語と歳時記

【解説】
中国、インド、小アジア原産のアオイ科の落葉低木。三メートルほどになる。庭木や生け垣として植えられ、紅紫色を中心に、白やしぼりの五弁の花を咲かせる。朝咲いて夕暮れには凋む。はかないものの例えにもなる。
【科学的見解】
木槿(ムクゲ)は、アオイ科フヨウ属の樹木であり、耐寒性のあるハイビスカスの仲間として、公園や庭先などで栽培されている。多くの園芸品種が作出されている。ムクゲは、韓国の国花になっている。(藤吉正明記) 
【例句】
道のべの木槿は馬に食はれけり
芭蕉「野ざらし紀行」

花むくげはだか童のかざし哉
芭蕉「東日記」

手をかけて折らで過ぎ行く木槿哉
杉風「炭俵」

川音や木槿咲く戸はまだ起きず
北枝「卯辰集」

修理寮の雨にくれゆく木槿かな
蕪村「落日庵句集」

蜘(くも)の網かけて夜に入る木槿哉
希因「暮柳発句集」

カテゴリー: 1基本季語, g植物

木犀(もくせい)晩秋

季語と歳時記

【子季語】
木犀の花、金木犀、銀木犀、薄黄木犀、桂の花
【解説】
金木犀は橙黄色の花。銀木犀は白色の花。九月、中秋のころに花をつける。花は小さいが香りは高く、庭木に広く用いられる。芳香は金木犀の方が強い。爽やかな風に漂う香りは、秋の深まりを知らせてくれる。
【科学的見解】
金木犀(キンモクセイ)は、モクセイ科モクセイ属の常緑樹木である。中国原産で、外来種として公園や庭に植栽されている。日本には、基本的に雄株しか導入されていないため、結実はめったに見られない。同種の一変種として白花のギンモクセイが存在し、稀に植栽されている。その他、在来の木犀の仲間としては、ヒイラギ、リュウキュウモクセイ、シマモクセイ、オオモクセイ等が存在する。ヒイラギは、関東以西から沖縄にかけて分布し、葉に刺(歯牙)があるが香りが良いために、庭木としても利用されている。(藤吉正明記)
【例句】
木犀の昼は醒めたる香炉かな
嵐雪「夢の名残」

木犀にかしらいたむやたたみさし
大江丸「はいかい袋」

木犀の香に染む雨の鴉かな
泉鏡花「鏡花全集」

木犀に土は色濃うして膨らめる
原月舟「月舟全集」

木犀や屋根にひろげしよき衾
石橋秀野「桜濃く」

天つつぬけに木犀と豚にほふ
飯田龍太「百戸の谿」

カテゴリー: 1基本季語, g植物

蓑虫(みのむし)三秋

季語と歳時記

【子季語】
鬼の子、鬼の捨子、父乞虫、みなし子、親無子、蓑虫鳴く、木樵虫
【解説】
ミノガ科のガの幼虫。体から分泌した糸で樹木の枝や葉を綴り、蓑(雨具)のような巣を作ってその中に潜む。枝にぶら下がって揺れる様は寂しげ。鬼の子ともいう。
【例句】
蓑虫の音を聞に来よ草の庵
芭蕉「続虚栗」

みのむしや秋ひだるしと鳴くなめり
蕪村「夜半叟句集」

蓑蟲や足袋穿けば子もはきたがり
渡辺水巴「水巴句集」

蓑虫の鳥啄ばまぬいのちかな
芝不器男「不器男全句集」

蓑虫の留守かと見れば動きけり
星野立子「立子句集」

蓑虫の蓑ありあはせ風の中
長谷川櫂「蓬莱」

カテゴリー: 1基本季語, f動物

蚯蚓鳴く(みみずなく)三秋

季語と歳時記

mimizu-2【子季語】
歌女鳴く(かじよなく)
【解説】
季語の世界では、春に亀が鳴き、秋には蚯蚓が鳴く。実際、亀も蚯蚓も鳴いたりはしない。その声が聞こえるように思うのが俳諧の趣であろう。秋の夜のしんとした野道。確かに土の中から蚯蚓の声が聞こえてくる。
【例句】
里の子や蚯蚓の唄に笛を吹く
一茶「新集」 

蚯蚓鳴いて夜半の月落つ手水鉢
河東碧梧桐「碧梧桐句集」

みみず鳴くや肺と覚ゆる痛みどこ
富田木歩「定本木歩句集」

蚯蚓鳴く六波羅蜜寺しんのやみ
川端茅舎「川端茅舎句集」

蚯蚓啼くや繰返し読む母の文
石島雉子郎「雉子郎句集」

カテゴリー: 1基本季語, f動物

蟷螂(かまきり)三秋

季語と歳時記

【子季語】
蟷螂(たうらう)、鎌切、斧虫、いぼむしり、いぼじり、祈り虫
【解説】
カマキリ目の昆虫。頭は三角形、前肢は鎌状の捕獲肢となり、他の虫を捕えて食す。緑色または褐色。交尾が終わると雌が雄を食い殺すこともある。
【例句】
蟷螂や露引きこぼす萩の枝 
北枝「北枝発句集」

蟷螂が片手かけたりつり鐘に
一茶「七番日記」

草穂つかんで立つ蟷螂や佐久平
渡辺水巴「水巴句集」

蟷螂は馬車に逃げられし馭者のさま
中村草田男「来し方行方」

塵取を這ひ出してゆくいぼむしり
長谷川櫂「果実」

カテゴリー: 1基本季語, f動物

きりぎりす 初秋

季語と歳時記

【子季語】
ぎす、機織、機織虫
【解説】
畳んだ翅の背面は褐色、側面は褐色班の多い緑色。雄は「ちょんぎいす」と鳴くことから名付けられたものか。野原などに多い。コオロギの古称。はたおりともいう。
【例句】
古城や茨くなるきりぎりす
鬼貫「鬼貫句選」

むざんやな甲の下のきりぎりす
芭蕉「奥の細道」

白髪ぬく枕の下やきりぎりす
芭蕉「泊船集」

淋しさや釘にかけたるきりぎりす
芭蕉「草庵集」

朝な朝な手習ひすゝむきりぎりす
芭蕉「入日記」

猪の床にも入るやきりぎりす
芭蕉「蕉翁句集」

常燈や壁あたたかにきりぎりす
嵐雪「其角」

きりぎりす啼や出立の膳の下
丈草「菊の道」

きりぎりすなくや夜寒の芋俵
許六「正風彦根躰」

月の夜や石に出て啼くきりぎりす
千代女「千代尼句集」

きりぎりす鳴き止みて飛ぶ音すなり
白雄「白雄句集」

泥濘におどろが影やきりぎりす
芝不器男「不器男句集」

カテゴリー: 1基本季語, f動物

邯鄲(かんたん)初秋

季語と歳時記

【解説】
鈴虫に似て体長は十二から十五ミリメートル程度。細身で、体長の三倍の糸状の触角を持つ。寒地・高冷地に多い。淡黄緑色の薄絹を纏ったような色をしている。雄はルルルと美しく儚げに鳴く。名は中国の故事「邯鄲の夢」に由来する。
【例句】
邯鄲につかれ忘れる枕かな
正岡子規「季語別子規俳句集」

邯鄲の響かせてゐる虚空かな
長谷川櫂「初雁」

カテゴリー: 1基本季語, f動物

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