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季語と歳時記

きごさい歳時記

作成者アーカイブ: dvx22327

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初鰹(はつがつお、はつがつを) 初夏

季語と歳時記

【子季語】
初松魚
【関連季語】
鰹
【解説】
鰹は春、黒潮に乗って北上し、若葉のころ伊豆、房総沖に到達する。そのころに獲れる鰹が初鰹。昔は、鎌倉沖で取れた鰹を早馬、早飛脚で生きたまま江戸まで運んだ。それだけに値段も高かったが、初物を食えば七十五日長生きできるといって、江戸っ子たちは競ってこれを求めた。「鎌倉を生きて出でけむ初鰹」この芭蕉の句は、鎌倉を生きたまま出荷された初鰹の活きのよさをたたえたもの。初鰹は、江戸っ子の食べ物なのである。
【来歴】
『俳諧通俗誌』(享保2年、1716年)に所出。
【例句】
目には青葉山ほととぎす初鰹 
素堂「江戸新道」

鎌倉を生きて出でけむ初鰹
芭蕉「葛の松原」

大江戸や犬もありつく初鰹 
一茶「文政八年句帖」

江戸つ児は江戸でうまれてはつ鰹  
子規「獺祭句帖抄」

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金魚(きんぎょ)三夏

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【子季語】
和金、蘭鋳、流金、丸子、出目金、獅子頭、阿蘭陀獅子頭、錦蘭子、銀魚
【関連季語】
金魚玉、金魚売
【解説】
中国から渡来した観賞魚。和金、流金、出目金、蘭鋳などの品種があり、水槽や金魚玉に入れて飼う。尾鰭を翻して泳ぐ様が涼しげであるところから、夏の季語とされる。
【来歴】
『俳諧歳時記』(享和3年、1803年)に所出。
【実証的見解】
金魚はコイ科フナ属の淡水魚。緋鮒の交配を重ねてさまざまな品種が生まれた。原産地は中国長江流域浙江省近辺とされ、室町時代に日本に伝わった。当初は値段も高く、庶民には手の届かないぜいたく品であったが、江戸時代後期には大量養殖に成功し、庶民も、陶器などに入れて飼えるようになった。養殖地としては愛知県弥富市、奈良県大和郡山市が有名で、品評会なども盛んに行なわれている。
【例句】
いつ死ぬる金魚と知らず美しき
高浜虚子「六百五十句」

翠陰に池あり金魚彩れる
青木月斗 (同人)

一ぴきに減ってしまひし金魚かな
青木月斗 (同人)

金魚大鱗夕焼の空の如きあり
松本たかし「松本たかし句集」

尾を振つて金魚なかなか進まざる
長谷川櫂「新年」

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鮎(あゆ)三夏

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【子季語】
香魚、年魚、鮎生簀
【関連季語】
若鮎、落鮎、鮎狩、鮎汲、通し鮎
【解説】
夏の川魚の代表。川の水や苔の香りのするところから香魚と呼ばれる。味は淡白で上品。塩焼き、鮎鮓、鮎膾、うるかなど、食べ方はいろいろある。余すところなく食べられ、はらわたの苦味は珍味とされる。鮎漁の解禁は、川によって異なるので注意。
【来歴】
『花火草』(寛永13年、1636年)に所出。
【文学での言及】
松浦河河の瀬光り年魚釣ると立たせる妹が裳の裾濡れぬ『万葉集』
隼人の瀬戸の巌も年魚走る芳野の瀧になほしかずけり 大伴旅人『万葉集』
【実証的見解】
アユ科の魚。川の下流域で孵化した稚魚はいったん海に入りプランクトンなどを食べて成長する。五センチくらいに成長した鮎は川に戻り、三月から五月ころにかけて遡上を始める。川の上流から中流域にたどり着いた幼魚は櫛形に変形した歯で、岩などに付着したケイソウ類を主食とする。一段と大きくなった鮎は縄張りを作るようになり、縄張りに入ってくる別の鮎に攻撃を仕掛ける。この性質を利用した釣が「友釣り」である。秋になると鮎は、体が橙と黒の婚姻色に変化し、産卵のため下流へ落ち始める。このころの鮎は「錆鮎、落鮎」と呼ばれる。産卵した鮎は、体力を消耗して多くは死んでしまう。それゆえ鮎は、年魚ともいわれる。
【例句】
浮鮎をつかみ分けばや水の色
才麿「後しゐの葉」

飛ぶ鮎の底に雲ゆく流れかな
鬼貫「鬼貫句選」

またたぐひ長良の川の鮎鱠
芭蕉「己が光」

石垢になほ食ひ入るや淵の鮎
去来「雑談集」

釣竿に鮎のあはれや水はなれ
北枝「此花集」

かくぞあれ鮎に砂かむ夜べの月
太祇「太祇句稿」

鮎くれてよらで過ぎ行く夜半の門
蕪村「落日庵句集」

時鳥一尺の鮎串にあり
正岡子規「子規句集」

鮎食うて月もさすがの奥三河
森澄雄「鯉素」

鮎季の山の重なる京都かな
長谷川櫂「天球」

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水鶏(くいな、くひな)三夏

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【子季語】
緋水鶏、姫水鶏、水鶏笛、水鶏たたく
【解説】
夏、水辺の蘆の茂みや水田などに隠れて、キョッキョッキョキョと高音で鳴く鳥。古来、歌に多く詠まれてきたのは緋水鶏で、その鳴声が、戸を叩くようだとして「水鶏叩く」といわれる。
【来歴】
『花火草』(寛永13年、1636年)に所出。
【文学での言及】
水鶏だにたゝけば明くる夏の夜を心短き人や帰りし よみ人しらず『古今六帖』
水鶏だに敲く音せば槙のとを心遣にもあけて見てまし 和泉式部『家集』
夕づく夜卯の花垣にかげそひて軒端に近く水鶏鳴くなり 京極為兼『君臣御歌合』
【実証的見解】
水鶏は、ツル目クイナ科の鳥の総称。春、南方から渡ってきて、全国各地の水田や湿地帯に棲みつく。そのうち、緋水鶏は大きさが二十五センチくらい、頭から胸にかけて赤く、背は褐色。水田、水辺の草むら、葦原などで生活し、昆虫やミミズ、水草などを食べる。鳴声はするが、警戒心が強くなかなか姿を見せない。水鶏笛は、なかなか姿を見せない水鶏を誘い出すための笛である。
【例句】
水鶏啼くと人のいへばや佐屋泊まり
芭蕉「有磯海」

この宿は水鶏もしらぬ扉かな
芭蕉「笈日記」

関守の宿を水鶏にとはうもの 
芭蕉「伊達衣」

夜の雨にまた叩かるる水鶏かな
貞室「玉海集」

曇る日や水鶏ちらりと麦の中
惟然「冬紅葉」

夜あるきを田は寝ざりける水鶏かな
其角「五元集捨遺稿」

聞くうちにすゑまぼろしの水鶏かな
青蘿「青蘿句集」

明けながら月見る窓の水鶏哉
宗養「大発句帳」

桃燈を消せと御意ある水鶏かな
蕪村「落日庵句集」

水音は水にもどりて水鶏かな
千代女「千代尼発句集」

叩き寄る水鶏の門の雨夜かな
松本たかし「石魂」

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鳰の浮巣(におのうきす、にほのうきす)三夏

季語と歳時記

【子季語】
鳰の巣、鷭の浮巣、浮巣
【解説】
沼、湖などに浮かべて作った「かいつぶり」の巣のこと。葦や水草を集めて作り、葦の茎などにからめて漂わないようにしてある。雌雄交互に抱卵し、雛がかえってからもしばらく巣に留まる。雛を背中に乗せて巣の辺りを泳ぐ姿はかわいらしい。琵琶湖は「鳰の海」と呼ばれる。
【来歴】
『俳諧古今抄』(享保15年、1730年)に所出。
【文学での言及】
三島江の鳰の浮巣も乱れ蘆の末葉にかかる五月雨のころ 藤原家隆『夫木和歌抄』
【例句】
五月雨に鳰の浮き巣を見に行む  
芭蕉「笈日記」

世は水のまにまに鳰の浮巣せり 
二柳「奉納其二集」

鳰の巣の浮み出けり宵月夜 
成美「いかにいかに」

鳰の巣の一本草をたのみ哉   
一茶「七番日記」

鳰の巣に親鳥もどるおもみ哉   
吟仁「夢占」

鳰の巣を抱いて咲くや菱の花  
遅望「類題発句集」

流さるヽ浮巣に鳰の声悲し
正岡子規「子規全集」

水揺れて鳰の浮巣のあるらしく
長谷川櫂「新年」

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翡翠(かわせみ、かはせみ)三夏

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【子季語】
川蝉、かはせび、しようびん、ひすい、翡翠(ひすい)
【関連季語】
山翡翠、赤翡翠
【解説】
渓流などで水中の魚を狙う翡翠色の鳥。高いところから急降下して、魚をたくみに捕らえる。四季を通じてみられるが、水辺にいる様子が涼しげなので夏の季語とする。
【来歴】
『毛吹草』(正保2年、1645年)に所出。
【実証的見解】
ブッポウソウ目カワセミ科の鳥類。日本全土に生息し、渓流などの水辺に見られる。全長は十七センチほど。嘴が長く、頭が大きい。色は全体的に青く、腹部はオレンジ色。からだの色が鮮やかなため「空飛ぶ宝石」と呼ばれ、「翡翠(ひすい)」の字を当てる。水面に突き出た枝や杭に止まったり、空中でのホバリング(停止飛行)をして魚を待構える。魚が水面近くまで上がってくるとダイビングをしてくちばしで捕らえる。
【例句】
翡翠のまぎれて住むか杜若
桃隣「別座鋪」

川蝉の風かをるかとおもひけり
蓼太「蓼太句集初編」

翡翠の影こんこんと溯り
川端茅舎「川端茅舍句集」

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葭切(よしきり)三夏

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yosikiri【子季語】
行々子、葭雀、大葭切、小葭切、蘆雀、麦熟らし
【解説】
夏、水辺の葦の茎に止まって、「ぎょっぎょっ」と大きな声で鳴く鳥。鳴声から行々子とも呼ばれる。
【来歴】
『毛吹草』(正保2年、1645年)に所出。
【実証的見解】
スズメ目ヒタキ科の夏鳥。五月ころ南方から飛来して日本国じゅうの水辺の葦原で営巣する。大葭切と小葭切がいるが俳句で「葭切」といえば大葭切をさす。体長は十八センチくらい。全体的に灰褐色で腹部は白っぽい。口の中が赤く、さえずるとこの色が目立つ。郭公は葭切の巣に托卵する。
【例句】
能なしの眠ぶたし我を行々子
芭蕉「嵯峨日記」

よしきりや汐さす川の水遅し
几董「晋明集二稿」

よしきりの鳴き止むかたや筑波山
大江丸「俳懺悔」

行々子大河はしんと流れけり
一茶「九番日記」

夕潮の満ちわたりけり葭すゞめ
日野草城「青芝」

一渡しすれば日出でつ行々子
大須賀乙字「炬火」

葭切や晒布に重石拾ひ置く
高田蝶衣「青垣山」

葭切や文王魚籠をのぞき去る
永田青嵐「同人句集」

よしきりの現はれて啼く青嵐
臼田亜浪「定本亜浪句集」

月やさし葭切葭に寝しづまり
松本たかし「石塊」

喜雀ふたりにされてゐたりけり
石田波郷「風切」

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燕の子(つばめのこ)三夏

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tubamenoko【子季語】
子燕、親燕
【関連季語】
燕、夏燕、燕の巣
【解説】
その年に生まれた燕の子どもである。五、六羽の燕の子が、親から餌をもらうために大きな口を開けて巣から身を乗り出している姿はほほえましい。
【来歴】
【実証的見解】
燕は、春、南方から渡ってきて繁殖活動に入る。鴉や蛇から子どもを守るために人目の届く軒下などで営巣する。また、前年の巣が残っていればそれを利用する。四月下旬から七月にかけて二回産卵し、孵化後二十日ぐらいで巣立つ。
【例句】
飛び習ふ青田の上や燕の子
麦水「三顔合」

花の如き口をあけたり燕の子
青木月斗 (同人)

口見えて世のはじまりの燕の子
加藤楸邨「吹越」

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老鶯(おいうぐいす、おいうぐひす)三夏

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♪
【子季語】
老鶯(らうおう)、夏鶯、乱鶯、残鶯、晩鶯
【関連季語】
鶯
【解説】
夏の鶯をいう。老鶯は漢詩に使われた言葉で、夏になって声に張りのなくなった鶯をいうが、実際には、春よりも鳴声は達者で、夏の山河の生気と負けないほど高らかである。人里近くで鳴く春とちがい、営巣する山や林で多く聞かれる。
【来歴】
『俳諧古今抄』(享保15年、1730年)に所出。
【例句】
鶯や竹の子藪に老いを鳴く
芭蕉「炭俵」

老鴬や老いては声もつくろはず
蝶夢「草根発句集」

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郭公(かっこう、くわくこう)三夏

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【子季語】
閑古鳥
【解説】
初夏、南方から日本に渡って来る鳩よりやや小形の鳥。明るい林や草原で「カッコー、カッコー」と鳴く。江戸期によく用いられた閑古鳥という名は、鳴声ののどかさによるものであり、「かっこうどり」の変化したものでもある。
【科学的見解】
カッコウは、カッコウ科の野鳥で、九州から北海道までの地域に夏鳥として渡来する。山地の原野や林を好み、高原の代表的な鳥になっている。近縁種としては、ツツドリ、ホトトギス、ジュウイチ等が知られており、本種含めて全て夏鳥として渡来し、他の野鳥の巣に卵を産み付け、雛を育てさせる托卵性が共通の特徴となっている。それらは、姿や形が似ているが、鳴き声はそれぞれ異なる。(藤吉正明記)
【来歴】
『毛吹草』(正保2年、1645年)に所出。
https://kigosai.sub.jp/001/wp-content/uploads/2011/02/kakko.mp3
【例句】
憂き我をさびしがらせよかんこどり
芭蕉「嵯峨日記」

侘びしらに貝ふく僧よかんこ鳥
其角「続虚栗」

飯櫃の底たたく音やかんこ鳥
蕪村「俳諧新選」

郭公や何処までゆかば人に逢はむ
臼田亜浪「亜浪句鈔」

あるけばかつこういそげばかつこう
種田山頭火「草木塔」

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