♪
【解説】
バッタ目カネタタキ科の昆虫。体長一センチほどで、雌には羽がない。鳴き声が鉦を叩く音に似ていることからこの名がある。八月下旬頃から鳴き始め初冬まで鳴き続けることもある。
月の虫鉦を叩いて穴に居り
渡辺水巴「水巴句集」
月出でて四方の暗さや鉦叩
川端茅舎「川端茅舎句集」
暁は宵よりさびし鉦叩
星野立子「立子句集」
紀の国に闇大きかり鉦叩
森澄雄「空艪」
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【解説】
バッタ目カネタタキ科の昆虫。体長一センチほどで、雌には羽がない。鳴き声が鉦を叩く音に似ていることからこの名がある。八月下旬頃から鳴き始め初冬まで鳴き続けることもある。
月の虫鉦を叩いて穴に居り
渡辺水巴「水巴句集」
月出でて四方の暗さや鉦叩
川端茅舎「川端茅舎句集」
暁は宵よりさびし鉦叩
星野立子「立子句集」
紀の国に闇大きかり鉦叩
森澄雄「空艪」
【子季語】
三寒、四温、四温日和
【解説】
春が近い頃の気象現象。ほぼ七日間周期で天気が変化する。三日ほど寒い日が続いたあとで四日ほど暖かい日がつづく。
【子季語】
木蘭、もくれんげ、紫木蓮、白木蓮、はくれん
【解説】
モクレン科の落葉高木。春、葉に先立って花をつける。白炎のような花を咲かせる白木蓮と、外側が紫、内側が白色の紫木蓮があり、紫木蓮の方が開花時期が少し遅い。
【科学的見解】
木蓮は、それら仲間の総称として呼ばれる場合もあるが、生物種としてのモクレンは、紫色の花弁を有する紫木蓮(別名:シモクレン)をさす。ハクモクレンとは、分類学上で区別されている。その他木蓮の仲間としては、ホオノキ、シデコブシ、タムシバ、タイサンボク、オオヤマレンゲなどが存在し、被子植物誕生の歴史の中で早くから出現した太古の植物でもある。(藤吉正明記)
此門の勅額古し木蓮花
内藤鳴雪「鳴雪句集」
はくれむや起ち居のかろき朝来たり
臼田亜浪「定本亜浪句集」
はくれむに夕日の金の滴れり
臼田亜浪「定本亜浪句集」
木蓮の花びら風に折れてあり
松本たかし「たかし句集」
木蓮の落ちくだけあり寂光土
川端茅舎「定本川端茅舎句集」
木蓮の軒くらきまで咲にけり
原石鼎「原石鼎全集」
【子季語】
臥待、寝待月、寝待、臥待の月
【解説】
陰暦八月十九日の夜の月。月の出が遅く、横になって待つほどであるという意味。月そのものより月を待つ心にこの季語の本意がある。
【例句】
寝待月船もしづかに行き次第
智月尼「藤の実」
又ことし松と寝待ちの月出でぬ
一茶「七番日記」
石眠り寝待の月に照らさるる
日野草城「旦暮」
【子季語】
吹革祭、鍛冶祭、踏鞴祭、稲荷の御火焚、蜜柑撒
【解説】
鍛冶屋、刀工、鋳物師など鞴を使う職人たちが、陰暦十一月八日に火を休め、一年の安全と商売の繁盛を願うお祭。酒を酌み交わしたり、近所の子どもたちに蜜柑をまいたりする。
【例句】
里並みに藪のかぢ屋も祭かな
一茶「文化句帖」
ふいごうも祭るやかねをふくの神
季吟「山之井」
屏風絵の鞴祭の絵解きなど
松本たかし「松本たかし句集」
【解説】
湯から上がったあと、体が冷えて寒く感じること。風邪の原因となる。
【例句】
湯ざめして或夜の妻の美しく
鈴木花蓑「鈴木花蓑句集」
【子季語】
瀬戸火鉢、鉄火鉢、箱火鉢、長火鉢
【解説】
暖房器具のひとつ。その中に炭を熾し、手足を焙って暖をとる。木製、金属製、陶製などがある。部屋全体や全身を温めることはむずかしいが、五徳を立てて鉄瓶などをかけたり、燗をつけたりと暮らしになじみ深いものだった。今では他の暖房器具にとってかわられ、ほとんど見かけなくなったが、真っ赤に熾った炭火の色は懐かしい。
【例句】
舟君の泣くかほみゆる火鉢かな
蓼太「蓼太句集三編」
ぼんのくぼ夕日にむけて火鉢かな
一茶「享和句帖」
明ほのゝ番所にさむき火鉢かな
露川「小弓俳諧集」
独居やしがみ火鉢も夜半の伽
秋色女「いつを昔」
客去つて撫る火鉢やひとり言
嘯山「葎亭句集」
火鉢抱いて瞳落とすところ只畳
原石鼎「花影」
【子季語】
蚤の跡
【解説】
褐色で、体長およそ二~三ミリほどの小さな昆虫。翅はないが脚が発達していて驚くほどの跳躍力がある。ほ乳類や鳥類に寄生して血を吸う。刺されたところはひどく痒くなる。ペストなどの伝染病を媒介することがある。「蚤の夫婦」といわれるように雄より雌のほうが大きい。
【例句】
蚤虱馬が尿する枕もと
芭蕉「奥の細道」
山の姿蚤が茶臼の覆かな
芭蕉「蕉翁全伝」
痩せ蚤の這ひ出る肩や旅枕
丈草「幻の庵」
ここもはや馴れて幾日ぞ蚤虱
惟然「菊の香」
切られたる夢は誠か蚤の跡
其角「花摘」
蚤の迹それも若きはうつくしき
一茶「七番日記」
旅やすし蚤の寝巻の袖たたみ
正岡子規「子規句集」
庵主の淋しく蚤をふるひけり
村上鬼城「定本鬼城句集」
蚤はずむ畳ながらに日の出かな
石橋秀野「桜濃く」
【子季語】
干鮭
【解説】
鮭の腸をとって、塩を振らずに素乾(しらぼし)にしたもの。保存食のひとつで北海道、青森、秋田などでつくられ、軒下や屋根の上で干された。
【例句】
雪の朝独り干鮭を噛み得たり
芭蕉「東日記」
乾鮭や琴の斧うつひゞきあり
蕪村「蕪村句集」
手さぐりや乾鮭はづす壁の釘
道彦「蔦本集」
から鮭の口はむすばぬをならひかな
白雄「白雄句集」
乾鮭の切口赤き厨かな
正岡子規「子規全集」
乾鮭のかりついてゐる柱かな
夏目漱石「漱石全集」
乾鮭に弓矢の神を祭りけり
寺田寅彦「寺田寅彦全集」
乾鮭や天秤棒にはねかへる
村上鬼城「鬼城句集」
手燭して乾鮭切るや二三片
前田普羅「普羅全集」
鮭といふ一本の朱乾びけり
長谷川櫂「天球」