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季語と歳時記

きごさい歳時記

作成者アーカイブ: dvx22327

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鉦叩(かねたたき) 初秋

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【解説】
バッタ目カネタタキ科の昆虫。体長一センチほどで、雌には羽がない。鳴き声が鉦を叩く音に似ていることからこの名がある。八月下旬頃から鳴き始め初冬まで鳴き続けることもある。

月の虫鉦を叩いて穴に居り
渡辺水巴「水巴句集」

月出でて四方の暗さや鉦叩
川端茅舎「川端茅舎句集」

暁は宵よりさびし鉦叩
星野立子「立子句集」

紀の国に闇大きかり鉦叩
森澄雄「空艪」

三寒四温(さんかんしおん、さんかんしをん)晩冬

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【子季語】
三寒、四温、四温日和
【解説】
春が近い頃の気象現象。ほぼ七日間周期で天気が変化する。三日ほど寒い日が続いたあとで四日ほど暖かい日がつづく。

木蓮(もくれん)仲春

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【子季語】
木蘭、もくれんげ、紫木蓮、白木蓮、はくれん
【解説】
モクレン科の落葉高木。春、葉に先立って花をつける。白炎のような花を咲かせる白木蓮と、外側が紫、内側が白色の紫木蓮があり、紫木蓮の方が開花時期が少し遅い。
【科学的見解】
木蓮は、それら仲間の総称として呼ばれる場合もあるが、生物種としてのモクレンは、紫色の花弁を有する紫木蓮(別名:シモクレン)をさす。ハクモクレンとは、分類学上で区別されている。その他木蓮の仲間としては、ホオノキ、シデコブシ、タムシバ、タイサンボク、オオヤマレンゲなどが存在し、被子植物誕生の歴史の中で早くから出現した太古の植物でもある。(藤吉正明記)

此門の勅額古し木蓮花
内藤鳴雪「鳴雪句集」

はくれむや起ち居のかろき朝来たり
臼田亜浪「定本亜浪句集」

はくれむに夕日の金の滴れり
臼田亜浪「定本亜浪句集」

木蓮の花びら風に折れてあり
松本たかし「たかし句集」

木蓮の落ちくだけあり寂光土
川端茅舎「定本川端茅舎句集」

木蓮の軒くらきまで咲にけり
原石鼎「原石鼎全集」

臥待月(ふしまちづき)仲秋

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【子季語】
臥待、寝待月、寝待、臥待の月
【解説】
陰暦八月十九日の夜の月。月の出が遅く、横になって待つほどであるという意味。月そのものより月を待つ心にこの季語の本意がある。
【例句】
寝待月船もしづかに行き次第
智月尼「藤の実」

又ことし松と寝待ちの月出でぬ
一茶「七番日記」

石眠り寝待の月に照らさるる
日野草城「旦暮」

鞴祭(ふいごまつり)仲冬

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【子季語】
吹革祭、鍛冶祭、踏鞴祭、稲荷の御火焚、蜜柑撒
【解説】
鍛冶屋、刀工、鋳物師など鞴を使う職人たちが、陰暦十一月八日に火を休め、一年の安全と商売の繁盛を願うお祭。酒を酌み交わしたり、近所の子どもたちに蜜柑をまいたりする。
【例句】
里並みに藪のかぢ屋も祭かな
一茶「文化句帖」

ふいごうも祭るやかねをふくの神
季吟「山之井」

屏風絵の鞴祭の絵解きなど
松本たかし「松本たかし句集」

お花畑(おはなばたけ)晩夏

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ohanabatake【解説】
高山では雪解けとともにチングルマやキンポウゲなどの高山植物が一斉に花開く。苦労をして登ってきた人のみがその見事な群落を見ることができる。都会の花畑とは「お」の字をつけて区別する。

湯ざめ(ゆざめ)三冬

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【解説】
湯から上がったあと、体が冷えて寒く感じること。風邪の原因となる。
【例句】
湯ざめして或夜の妻の美しく
鈴木花蓑「鈴木花蓑句集」

火鉢(ひばち)三冬

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【子季語】
瀬戸火鉢、鉄火鉢、箱火鉢、長火鉢
【解説】
暖房器具のひとつ。その中に炭を熾し、手足を焙って暖をとる。木製、金属製、陶製などがある。部屋全体や全身を温めることはむずかしいが、五徳を立てて鉄瓶などをかけたり、燗をつけたりと暮らしになじみ深いものだった。今では他の暖房器具にとってかわられ、ほとんど見かけなくなったが、真っ赤に熾った炭火の色は懐かしい。
【例句】
舟君の泣くかほみゆる火鉢かな
蓼太「蓼太句集三編」

うき時は灰かきちらす火鉢かな
青蘿「青蘿発句集」

ぼんのくぼ夕日にむけて火鉢かな
一茶「享和句帖」

明ほのゝ番所にさむき火鉢かな
露川「小弓俳諧集」

独居やしがみ火鉢も夜半の伽
秋色女「いつを昔」

客去つて撫る火鉢やひとり言
嘯山「葎亭句集」

火鉢抱いて瞳落とすところ只畳
原石鼎「花影」

蚤(のみ)三夏

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【子季語】
蚤の跡
【解説】
褐色で、体長およそ二~三ミリほどの小さな昆虫。翅はないが脚が発達していて驚くほどの跳躍力がある。ほ乳類や鳥類に寄生して血を吸う。刺されたところはひどく痒くなる。ペストなどの伝染病を媒介することがある。「蚤の夫婦」といわれるように雄より雌のほうが大きい。
【例句】
蚤虱馬が尿する枕もと
芭蕉「奥の細道」

山の姿蚤が茶臼の覆かな
芭蕉「蕉翁全伝」

痩せ蚤の這ひ出る肩や旅枕
丈草「幻の庵」

ここもはや馴れて幾日ぞ蚤虱
惟然「菊の香」

切られたる夢は誠か蚤の跡
其角「花摘」

蚤の迹それも若きはうつくしき
一茶「七番日記」

旅やすし蚤の寝巻の袖たたみ
正岡子規「子規句集」

庵主の淋しく蚤をふるひけり
村上鬼城「定本鬼城句集」

蚤はずむ畳ながらに日の出かな
石橋秀野「桜濃く」

乾鮭(からざけ)三冬

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【子季語】
干鮭
【解説】
鮭の腸をとって、塩を振らずに素乾(しらぼし)にしたもの。保存食のひとつで北海道、青森、秋田などでつくられ、軒下や屋根の上で干された。
【例句】
雪の朝独り干鮭を噛み得たり
芭蕉「東日記」

乾鮭や琴の斧うつひゞきあり
蕪村「蕪村句集」

手さぐりや乾鮭はづす壁の釘
道彦「蔦本集」

から鮭の口はむすばぬをならひかな
白雄「白雄句集」

乾鮭の切口赤き厨かな
正岡子規「子規全集」

乾鮭のかりついてゐる柱かな
夏目漱石「漱石全集」

乾鮭に弓矢の神を祭りけり
寺田寅彦「寺田寅彦全集」

乾鮭や天秤棒にはねかへる
村上鬼城「鬼城句集」

手燭して乾鮭切るや二三片
前田普羅「普羅全集」

鮭といふ一本の朱乾びけり
長谷川櫂「天球」

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