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季語と歳時記

きごさい歳時記

カテゴリーアーカイブ: f動物

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糞ころがし(ふんころがし)三夏

季語と歳時記

【解説】
糞を食用とするコガネムシ科の昆虫は糞虫と呼ばれる。その中の一部は糞を転がして運び、幼虫を育てるために糞を蓄える。これが糞ころがしである。体長は3mmくらいなのであまり目につかない。
【例句】
バビロンに生きて糞ころがしは押す
加藤楸邨「鶴と煙突」

河鵜(かわう、かはう)三夏

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kawau【子季語】
海鵜、鵜
【解説】
ペリカン目ウ科の鳥。首が長く全身黒色。繁殖期には頭部に白い羽毛が生ずる。日本では本州と九州で繁殖し、四国では冬に見られる。水辺に棲み、潜水して魚を獲る。なお、長良川の鵜飼に使うのは海鵜。
【例句】
首たてて鵜のむれのぼる早瀬かな
浪化「喪の名残」

鵜の嘴に魚とりなほす早瀬かな
白雄「白雄句集」

昼の鵜の現に鳴くか籠のうち
青蘿「青蘿発句集」

あながちに鵜とせりあはぬかもめかな
尚白「猿蓑」

鵜の面に川波かゝる火影哉
闌更「半化坊発句集」

しのゝめや鵜をのがれたる魚浅し
蕪村「蕪村句集」

風吹て篝のくらき鵜川かな
正岡子規「子規句集」

草蜉蝣(くさかげろう、くさかげろふ)晩夏

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kusakagerou【子季語】
臭蜉蝣
【解説】
アミカゲロウ目クサカゲロウ科の昆虫の総称、またはその一種。形は小さいトンボのようで弱々しく緑色。体長約一センチ。翅は光沢があり透明。目がきらきら光っている。この卵は優曇華とよばれることもある。

桐の実(きりのみ) 初秋

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kirinomi【解説】
家具財として広く植えられる落葉高木。初夏に紫色の花を開き、秋に尖った卵形の実を結ぶ。その実は十月頃熟し、二つに裂け、翼のある種子を多数散らす。
【科学的見解】
キリは、キリ科の落葉高木で、材質が有用であるため全国的に栽培されている。原産地は不明とのことである。キリは筒状の大きな花をつけ、その後心形の果実を形成する。果実は乾燥すると先端から裂開し、翼を持つ小さな種を風により散布する。(藤吉正明記)

カテゴリー: 1基本季語, f動物

燕帰る(つばめかえる、つばめかへる)仲秋

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【子季語】
去ぬ燕、巣を去る燕、帰る燕、帰燕、秋燕、残る燕
【解説】
春に渡って来た燕は秋に南方へ帰ってゆく。夏の間に雛をかえし、九月頃群れをなして帰ってゆくと、淋しさが残る。
【例句】
馬かりて燕追ひ行くわかれかな
北枝「卯辰集」

落日のなかを燕の帰るかな
蕪村「夜半叟句集」

乙鳥は妻子揃うて帰るなり
一茶「九番日記」

頂上や淋しき天と秋燕
鈴木花蓑「鈴木花蓑句集」

身をほそめとぶ帰燕あり月の空
川端茅舎「川端茅舎句集」

燕はやかへりて山河音もなし
加藤楸邨「火の記憶」

啄木鳥(きつつき)三秋

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kogera【子季語】
木突、けらつつき、けら、番匠鳥、赤げら、青げら、小げら、山げら、熊げら三趾げら、蟻吸、木たたき
【解説】
小げら、赤げら、青げらなどキツツキ科の鳥の総称。留鳥。餌を採るときの木を叩く音と、目立つ色彩が、晩秋の雑木林などで印象的。
【例句】
木啄の入りまはりけりやぶの松
丈草「有磯海」

木つつきのつつき登るや蔦の間
浪化「柿表紙」

手斧打つ音も木ぶかし啄木鳥
蕪村「明和八年句稿」

木つつきの死ねとて敲く柱かな
一茶「文化句帖」

啄木鳥の月に驚く木の間かな
樗堂「萍窓集」

螻蛄鳴く(けらなく)三秋

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【子季語】
おけら鳴く
【解説】
螻蛄は体長三十ミリぐらいの茶褐色の昆虫。田畑の土中に穴を掘って棲み、雄がジーと低い音で鳴く。秋の夜の淋しさがつのる。昔の人がその声を蚯蚓と誤り、「蚯蚓鳴く」の季語が生まれた。実は螻蛄が鳴いていたのだ。
【例句】
夜のおけら耳朶を聾するばかりなり
原石鼎「花影」

冬の虫(ふゆのむし)三冬

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【子季語】
虫老ゆ、虫嗄る、虫絶ゆ
【解説】
秋美しい声で鳴いていたこおろぎなども寒くなると、短く弱々しく縁の下などで鳴いている。絶えゆく前の声はあわれを誘う。

鶫(つぐみ) 晩秋

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tugumi【子季語】
鳥馬、白腹、八丈鶫
【解説】
ツグミ科の鳥。十月末に大群で日本海を渡ってやって来る冬鳥。種類も多く胸に黒褐色の斑点がある。山林や田園で冬を過ごし、つばめと入れ替わるように、春シベリアの繁殖地へ帰る。
【例句】
つぐみ鳴く尾上の松は明けにけり
萬子「類題發句集」

蛭(ひる)三夏

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【子季語】
馬蛭、山蛭、血吸蛭、扁蛭
【解説】
湿地帯に棲息する環形動物で、ヒル綱に属する。体の前後の腹部に吸盤を持ち、人や動物に張りついて血を吸う。
【例句】
人の世や山は山迚蛭が降る
一茶「七番日記」

山深し若葉の空に蛭の降る
几董「晋明集五稿」

蛭ひとつ水縫ふやうに動きけり
花史「西歌仙」

炎帝の下さわやかに蛭泳ぐ
原石鼎「花影」

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