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季語と歳時記

きごさい歳時記

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桜の実(さくらのみ)仲夏

季語と歳時記

【子季語】
実桜/桜実となる
【解説】
桜の花が終わったの小さな実。豆粒ほどで食べられず、次第に黒っぽくなる。
【科学的見解】
桜は、バラ科サクラ属植物の総称で、在来の野生種としてはヤマザクラやオオシマザクラ、エドヒガン等が有名である。また、江戸時代に発見された雑種としては、ソメイヨシノ(オオシマザクラとエドヒガンの雑種)が知られている。それらの種には、開花後夏ごろ一センチほどの果実が実り、熟すと黒紫色に変化する。酸味や苦み等の特徴があるので、生食には不向きであるが、砂糖を加えジャム等の加工食として楽しむことができる。(藤吉正明記)
【例句】
実ざくらや死にのこりたる菴の主
蕪村「蕪村句集」

実桜やいにしへ聞けば白拍子
麦水「葛箒」

桜の実わが八十の手を染めし
細見綾子「虹立つ」

雛罌粟(ひなげし)三夏

季語と歳時記

【子季語】
虞美人草/美人草/ポピー
【解説】
ヨーロッパ原産のケシ科の一年草で、草丈は一メートルくらいになるものもある。夏、茎の先に直径赤、白、ピンクなどの四弁の花を開く。

下がり花(さがりばな)仲夏

季語と歳時記

【解説】
西南諸島から東南アジア、インドにかけて広く分布するサガリバナ科サガリバナ属の常緑高木。海辺に生えて木の高さは二十メートルくらいになる。楕円形形の葉の長さは三十センチくらいになり、六月から七月頃、夜に黄白色の四弁の花を咲かせる。線状に長い雄蕊が目立つが朝には落花する。

花(はな)晩春

季語と歳時記

【子季語】
花房、花の輪、花片、花盛り、花の錦、徒花、花の陰、花影、花の奥、花の雲、花明り、花の姿、花の香、花の名残、花を惜しむ、花朧、花月夜、花の露、花の山、花の庭、花の門、花便り、春の花、春花、花笠、花の粧
【関連季語】
桜、初花、花曇、花見、落花、残花、余花
【解説】
花といえば桜。しかし、花と桜は同じ言葉ではない。桜といえば植物であることに重きがおかれるが、花といえば心に映るその華やかな姿に重心が移る。いわば肉眼で見たのが桜、心の目に映るのが花である。
【来歴】
『花火草』(寛永13年、1636年)に所出。
【文学での言及】
あしひきの山さへ光り咲く花の散りぬるごとき我がおおきみかも 大伴家持『万葉集』
ひさかたの 光のどけき 春の日に 静心なく 花の散るらむ 紀友則『古今集』
年経れば よはひは老いぬしかはあれど花をし見れば 物思ひもなし 藤原良房『古今集』
花の色はうつりにけりないたづらに我が身世にふるながめせしまに 小野小町『古今集』
願はくは花の下にて春死なんそのきさらぎの望月のころ 西行『続古今集』
【例句】
これはこれはとばかり花の吉野山
貞室「一本草」

なほ見たし花に明け行く神の顔
芭蕉「笈の小文」

花の雲鐘は上野か浅草か
芭蕉「続虚栗」

一昨日はあの山越えつ花盛り
去来「花摘」

肌のよき石にねむらん花の山
路通「いつを昔」

花に暮れて我家遠き野道かな
蕪村「蕪村句集」

花ちるやおもたき笈のうしろより
蕪村「蕪村句集」

花を見し面を闇に打たせけり
前田普羅「普羅句集」

雀来て障子にうごく花の影
夏目漱石「漱石全集」

風呂汲みも昼寝も一人花の雨
杉田久女「杉田久女句集」

チチポポと鼓打たうよ花月夜
松本たかし「鷹」

花万朶をみなごもこゑひそめをり
森澄雄「白小」

雪山のどこも動かず花にほふ
飯田龍太「麓の人」

花の上に浮ぶや花の吉野山
長谷川櫂「松島」

花の風護摩の焔を吹きあふぐ
高田正子「花実」

カテゴリー: 1基本季語, g植物

鋸草(のこぎりさう ) 仲夏

季語と歳時記

nokogirisou【子季語】
羽衣草/西洋鋸草
【解説】
キク科の多年草。比較的乾いた日当たりのよい山地の草原に自生するが、観賞用に栽培されるものもある。互生する細長い葉の綠は細裂し、鋭い鋸歯がある。茎は直立し、五十センチ~一メートルほどになり、五~九月頃頂に直径七~八ミリ程の白い小花が沢 山かたまって咲く。花は赤いものもある(セイヨウノコギリソウ)。
【科学的見解】
ノコギリソウは、キク科の多年草で、北海道から本州までの山地の草原に普通に生育している。花冠は、舌状花と筒状花を集めた頭花となる。細長い葉に規則的な鋸歯が入るところが名の由来にもなっている。近縁種としては、エゾノコギリソウやヤマノコギリソウ、キタノコギリソウなどが知られており、またヨーロッパ原産のセイヨウノコギリソウが園芸植物として庭先や公園などに植栽されている。(藤吉正明記)

グラジオラス 晩夏

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gurajiorasu
【子季語】
唐菖蒲/和蘭菖蒲/和蘭あやめ
【解説】
アヤメ科の球根植物。高さ五十~六十センチで葉は剣状。長い花 軸に、漏斗状の花を穂状につける。花は白・赤・黄・紫などの鮮やかな単色。
【科学的見解】
グラジオラスは、南アフリカ原産の多年草であり、明治以降に日本へ導入された。呼び名は、属名のGladiolusからきている。本種は、観賞目的で、庭先や公園などに植栽されている。別名として、西洋から渡来したことを意味するオランダアヤメなどがある。(藤吉正明記)

グラヂオラス妻は愛憎鮮烈に
日野草城「人生の午後」

矢車菊(やぐるまぎく)仲夏

季語と歳時記

【子季語】
矢車草
【解説】
ユキノシタ科の多年草。茎は直立、小さい掌状の葉が五枚、花茎は一メートルに達する。矢車草の名前は葉の形を、端午の節句の鯉のぼりに添える矢車にみたてたもの。六月~七月、茎の先に、円錐花序を作り白い多数の花を開く。山の湿り気のあるところに、しばしば群落を作る。
【科学的見解】
ヤグルマギクは、キク科の一年草で、地中海東部原産であるが、現在では世界に広く帰化している。日本では、観賞目的に公園や庭先等で栽培されているのをよく見かける。花は舌状花と筒状花を有する頭花を形成し、花弁の色は青紫色が一般的であるが、白色や桃色等の園芸品種も存在するとのことである。(藤吉正明記) 

甘藍(かんらん)初夏

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【子季語】
キャベツ、玉菜
【解説】
ヨーロッパ原産のアブラナ科の一~二年生の葉菜。キャベツのこと。明治になって普及し現在では全国で栽培される。葉は幅広く緑色で無毛。中心部の葉はぎっしりと重なって球状をなす。生食、煮食また漬物など重宝に用いられる野菜。
【科学的見解】
甘藍は、別名としてタマナとも呼ばれるが、標準和名としてはキャベツである。キャベツは、アブラナ科の多年草で、明治以降にヨーロッパより導入された野菜である。本種は、葉が密に丸く結球するところが最大の特徴であるが、開花期には葉がほころび開出し、それまで短かった茎が伸長して、十字架花を先端に複数付ける。(藤吉正明記)
【例句】
親雀キャベツの虫を喰へ飛ぶ
杉田久女「杉田久女句集」

山牛蒡の花(やまごぼうのはな、やまごばうのはな)仲夏

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yamagobounohana【子季語】
犬牛蒡、唐牛蒡
【解説】
ヤマゴボウ科の多年草。日本全土に分布し人家付近に生える。根は円柱形。茎は太く直立し高さ一メートル内外となり大型楕円形の葉を互生につける。夏、茎頂に白い小花を房状につける
【科学的見解】
山牛蒡(ヤマゴボウ)は、日本に広く分布しているが、中国原産の植物ではないかと言われている。近縁種として北アメリカ原産のヨウシュヤマゴボウが存在するが、ヤマゴボウの花序の柄は短いのに対して、ヨウシュヤマゴボウの柄は長い所が特徴である。(藤吉正明記)
【例句】
山牛蒡に石ころ寄せぬあらきはり
高田蝶衣「青垣山」

孔雀草(くじゃくそう、くじやくさう)晩夏

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【子季語】
波斯菊、蛇の目草
【解説】
メキシコ原産のキク科の一年草。園芸品種が多く、高さ三十~五十センチほど。葉は羽状複葉。夏、径三センチほどの舌状花を開く。花は鮮黄色で基部に濃赤褐色の斑紋があり蛇の目傘のように見える。
【科学的見解】
クジャクソウという名を別名に持つ植物は、複数種存在する。まず、標準和名としてコウオウソウと呼ばれるメキシコ原産のキク科一年草があり、英名はフレンチマリーゴールドであるが、別名としてクジャクソウという名を持つ。また、北米原産のキク科一年草のハルシャギクも別名としてクジャクソウと呼ばれている。その他、近年切り花として需要が増えている流通名の宿根アスターもクジャクソウと呼ばれているため、この名を用いるときには注意が必要である。(藤吉正明記)

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