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季語と歳時記

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蛍烏賊(ほたるいか) 晩春

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【子季語】
まついか/こいか
【解説】 
体長六~七センチ以下の小さな烏賊で、腹や頭部、腕の先などに発光器を持つ。産卵期には特に美しく発光する。群をなした蛍烏賊の発光した様は幻想的で美しい。日本特産で、特に富山県滑川 は産地として有名。

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釈奠(せきてん) 晩春

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【子季語】 
おきまつり/釈菜/孔子祭
【解説】
孔子とその弟子を祀る行事。四月の第四日曜日に東京湯島の聖堂で行われる。日本に儒教が入って来た時に一緒に入って来た行事。

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松の花(まつのはな) 晩春

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【子季語】
松の花粉/十返りの花
【解説】
松は、晩春、新芽の先に赤紫の雌花をつける。雄花は茶色で新芽の下部に密生する。花粉を飛ばし終えた夥しい数の雄花が、松の周りなどに散っているのをよく見かける。雌花は松毬となる。
【科学的見解】
松の仲間は、雄花と雌花に分かれた単性花を形成する。風媒花でもあるため、花弁は形成せず、大量の花粉を飛散させることで受粉の確率を高めている。人里付近の松の仲間は、クロマツとアカマツが一般的であり、海岸付近にはクロマツが、内陸の乾燥地域にはアカマツが生育している。(藤吉正明記)
【例句】
すつと立つ木草の中に松の花
鬼貫「七 車」

まだ山の味覚えねど松の花
憔然「憔然坊句集」

あかつきや弥勒弥勒と松の花
路通「真 蹟」

妻ぐしに真葛たまりや松の花
淡々「五歌僊」

線香の灰やこぼれて松の花
蕪村「香世界」

棟札は大同二年松の花
二柳「紫暁春帖」

松の花南海の紺夕べ濃き
大谷碧雲居「碧雲居句集」
matunohana

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彼岸桜(ひがんざくら) 仲春

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【子季語】
枝垂彼岸/江戸彼岸/姥彼岸
【解説】
バラ科の落葉樹。春の彼岸の頃咲くのでこの名がある。花はソメイヨシノにくらべると、白っぽくややこぶりでパラパラとした感じに咲く。
【科学的見解】
彼岸桜は、コヒガンザクラとエドヒガンに対して使われる名称である。コヒガンザクラは、エドヒガンとマメザクラの雑種と考えられており、主に観賞用に庭木などに活用されている。エドヒガンは、本州から九州の山地に分布する野生の桜であり、コヒガン同様に庭や寺院などに植栽されている。ともに春の彼岸頃に開花する。(藤吉正明記)
【例句】
尼寺や彼岸桜は散りやすき
夏目漱石「漱石全集」

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麻蒔く(あさまく) 仲春

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【解説】 
麻はアサ科の大麻であるが、広義にはイラクサ科の苧麻、シナノキ科の黄麻、アマ科の亜麻なども含まれる。これらは主に繊維を取る為に栽培されてきた。布や綱や網などにする。神事にも欠かせない。四月ごろ種を撒く。
【例句】
陽炎の中にちらすや麻の種
樗堂「発句題叢」

麻蒔くや蓬に癖の付かぬうち
暁雨「類題発句集」

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三茱臾の花(さんしゅゆのはな) 初春

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sansyuyu
【子季語】
春黄金花
【解説】
ミズキ科の落葉樹で中国、朝鮮原産。三~四月頃葉の出る前に細かな枝の節々から黄色い四弁の小花が球状に群がり咲く。大木になると木全体に黄色の霞がかかったように見える。江戸時代薬用 として朝鮮から渡来した。
【科学的見解】
サンシュユは、ミズキ科の落葉小高木であり、江戸中期に薬用目的に導入された外来植物である。そのため野生分布はほぼなく、庭木や公園木として植栽されている。春、短枝の先に散形花序をつけ、基部に四枚の総苞片をもつ。果実(液果)は秋に実り、乾燥させたものは山茱臾と呼ばれ、漢方薬として利用されている。(藤吉正明記)
【例句】
さんしゆゆの離のこまかさ相ふれず
長谷川素逝「暦日」

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球根植う(きゅうこんうう/きうこんうう) 晩春

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【解説】 
アマリリス、オキザリス、カラー、グラジオラス、ダリアなどは、 花が終わり葉も黄色くなってきた頃掘り起こす。それを乾いた状態で保存し、春に植える。チューリップ、ヒヤシンスなど秋植えの球根もある。

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開帳(かいちょう/かいちやう) 三春

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 【子季語】 
出開帳/居開帳
【解説】 
寺院等で、特定の日をもうけ普段見せない秘仏を拝観させる事。気候のよい春先に行われる事が多い。
【例句】
花ちるやとある木陰も開帳仏
一茶「七番日記」

千仏や柳桜に出開帖
松瀬青々「妻木]

炎上をまぬがれたまひ出開帳
清原枴童「枴童句集」

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海棠(かいどう/かいだう) 晩春

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【子季語】 
眠れる花/睡花/垂糸海棠/海紅/花海棠
【解説】 
バラ科。中国原産。観賞用に栽培されてきた。八重の花海棠と、一重の実海棠がありその実は食べられる。玄宗皇帝が「海棠の睡り未だ足らざるのみ」と、ほろ酔いの楊貴妃を海棠にたとえた、という故事から「眠れる花」ともいわれる。 
【例句】      
人の目はさむる海棠のねぶりかな
貞徳「犬子集」

海棠のうつぶくや歯の痛む時 
越人「鵲尾冠」

海棠や紅粉少しある指のはら
太祗「石の月」

海棠や白粉に紅をあやまてる  
蕪村「蕪村遺稿」

海棠や雨をはらめる月二夜
紫暁「松のそなた」

海棠の露をふるふや物狂
夏目漱石「漱石全集」

海棠や陪審廷の廊の庭 
鈴木花蓑「鈴木花蓑句集」

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李の花(すもものはな) 晩春

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【子季語】 
李咲く/李散る/李花
【解説】 
バラ科の落葉小高木で中国原産。三~四月頃、葉の出る前に白色五弁の花が梢を覆うように咲く。果実は夏に甘酸っぱく熟す。
【科学的見解】
スモモは、バラ科スモモ属の落葉木で、中国から古い時代に導入された後、果樹として楽しまれている。和名は、酸味の強い桃という意味で名付けられた。花は、白色の花弁を五枚持ち、雄しべと雌しべを有する両性花となる。花は、前年枝の葉腋に数個つく。(藤吉正明記)
【例句】
虻も来ぬ藪や李の花の昼 
麦水「葛箒」

垣越に李の花や星月夜 
故来「笈日記」

わらくさき宿や李の花ざかり
左涯「蓬路」

雪の如く李吹きちる厩かな
島田五空「裘」

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