【解説】
椎は、ブナ科シイ属の樹木の総称である。大きいものは二十五メートルにもなる。初夏、新しい葉をつけるとそれに取って代わられるように落葉する。
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松落葉(まつおちば) 初夏
【子季語】
松の落葉/散松葉/松葉散る
【解説】
松は雌雄同株の針葉常緑高木で、古来、長寿の象徴として尊ばれてきた。春に「松の芯」と呼ばれる新芽をだし、新しい葉を出したあとに古い葉を落葉させる。音もなくいつのまにか落ちている。
【例句】
清滝や波に散りこむ青松葉
芭蕉「泊船集」
散り松葉昔ながらの掃除番
一茶「寛政紀行」
夜しばし雨そふ松の落ち葉かな
素亭「よさむ」
かんぬきをさせば月夜や松落葉
渡辺水巴「水巴句集」
春落葉(はるおちば) 晩春
【子季語】
春の落葉
【解説】
晩春に古葉を落とす椎や樫、楠などの常緑樹の落葉のこと。
枸杞の実(くこのみ)晩秋
錦木(にしきぎ)晩秋
【子季語】
鬼箭木、錦木紅葉、錦木の実
【解説】
ニシキギ科の落葉低木。紅葉が見事で、赤い実が鮮やかなので秋の季語となる。庭木や生垣に植えられ、端山などにも自生する。枝にコルク質の翼が出ている。
【科学的見解】
錦木(ニシキギ)は、北海道から九州の山地にふつうに自生する落葉低木である。枝にコルク質の翼が出来るのが特徴であり、翼ができない種はコマユミと呼ばれている。晩秋、葉中の緑色の成分であるクロロフィルが分解されると葉中には赤色色素であるアントシアニンが多くなり紅葉となる。(藤吉正明記)
錦木は朽ちてうらみの蛍かな
二柳「田のほとり」
桐の実(きりのみ) 初秋
臭木の花(くさぎのはな)初秋
檀の実(まゆみのみ)晩秋
山法師の花(やまぼうしのはな、やまぼふしのはな)晩夏
たらの芽(たらのめ)仲春
【子季語】
多羅の芽、うどもどき、うどめ、たらめ、たら摘む、たらうど
【解説】
たらの木の若芽のこと。たらはウコギ科の落葉低木。山野に自生し、繁殖力が強く枝に鋭いとげを持つ。少し苦味のある若芽は春先の山菜の代表的なもの。今では、時期になるとスーパーなどでも売られる。
【科学的見解】
たらの芽の標準和名は、タラノキといい、北海道から九州までの山野の明るい斜面や林縁部で生育している。タラノキは、人間や自然の攪乱が起きて明るい環境が出来た時に一番最初に発芽・侵入する先駆植物である。新芽が美味しいことから、山菜として利用され、現在では茎に刺がなく栽培しやすい園芸品種まで販売されており、メダラと呼ばれている。(藤吉正明記)
たらの芽のとげだらけでも喰はれけり
一茶「八番日記」
多羅の芽や疎忽に摘んで笑はれし
五明「発句題叢」