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季語と歳時記

きごさい歳時記

作成者アーカイブ: dvx22327

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名越の祓(なごしのはらえ、なごしのはらへ) 晩夏

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【子季語】
夏祓、水無月祓、川祓、七瀬の祓、川社、たかみそぎ
【関連季語】
茅の輪、形代、御祓(みそぎ)、節折(よをり)、大祓
【解説】
旧暦六月晦日に行なわれた大祓いの神事。茅の輪をくぐり、穢れを託した形代を川や海に流すことによって禊をする。現在は太陽暦の六月三十日、または月遅れの七月三十一日に行なわれる。
【来歴】
『毛吹草』(正保2年、1645年)に所出。
【文学での言及】
みなつきのなごしのはらへする人は千年の命のぶといふなり よみ人しらず『拾遺集』
風そよぐ奈良の小川の夕暮は御祓ぞ夏のしるしなりける 正三位家隆『新勅撰集』
【実証的見解】
もともとは大祓という宮中の行事で、旧暦の六月と十二月の晦日に行われたもの。のちに十二月の大祓は廃れ、疫病などが流行する時期の夏の祓が一般的になった。天皇、皇后、東宮のための大祓は「節折」といい、竹でそれぞれの体を測り、測った長さに竹を折るという儀式。名越の祓の主なものは、茅の輪、形代、川社などである。各地の神社で見られる茅の輪は、茅萱を束ねて輪にし、参詣者にくぐらせて祓いとするもの。人形(ひとがた)や形代は、息を吹きかけたり触れたりしてその人の穢れを移し、それを川に流してみそぎとするもの。また川社(かわやしろ)は川に斎串(いぐし)を立てて祓いの儀式を行う。
【例句】
草の戸や畳かへたる夏祓
太祗「太祗句選後篇」

夏祓御師の宿札たずねけり
其角「華摘」

夏祓目の行く方や淡路島
嵐雪「渡鳥」

灸のない背中流すや夏はらひ
蕪村「蕪村句集」

夕かぜや夏越しの神子のうす化粧
大江丸「俳懺悔」

形代にさらばさらばとする子かな
一茶「文政八年句集」

天地の力もて結ひ茅の輪かな
長谷川櫂「天球」

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賀茂祭(かもまつり) 初夏

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【子季語】
祭、北祭、葵祭、懸葵、加茂葵、双葉葵、葵鬘、諸鬘、御生祭
【解説】
五月十五日に行われる京都の上賀茂神社、下鴨神社の大祭。平安時代の宮中では祭といえばこのまつりだった。御所から参向する勅使らの冠を、葵桂で飾ったことから葵祭ともいい、石清水八幡宮の南祭に対し北祭ともいう。
【来歴】
『俳諧初学抄』(寛永18年、1641年)に所出。
【文学での言及】
『源氏物語』葵の巻では葵祭見物の場面での光源氏の正妻、葵の上と年上の愛人、六条御息所との確執が描かれている。
【例句】
加茂衆の御所に紛るる祭かな
召波「春泥発句集」

げに僧は木のはしところ諸かづら 
蓼太「蓼太句集」

草の雨祭の車過ぎてのち
蕪村「蕪村句集」

たれこめて祭見る家や薫す
几董「井華集」

呉竹のよよにあふひの祭かな
樗良「我庵」

追ひ戻す坊主が手にも葵かな
太祗「太祗句選」

牛の嗅ぐ舎人が髪や葵草
蝶夢「草根発句集」

白髪にかけてもそよぐ葵かな
一茶「七番日記」

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神田祭(かんだまつり) 初夏

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【子季語】
神田明神祭、天下祭
【解説】
東京の神田明神の祭礼で、江戸三大祭りのひとつ。大祭は二年に一度、五月の第二日曜をはさんで、約一週間行われる。昔は旧暦の九月十五日、関が原で徳川家康が勝利を収めた日にちなんで行われた。五月の第二土曜日に時代行列といわれる神幸祭、翌日曜日に約九十基の神輿の宮入がある。神輿かきが売り物の威勢のいいの祭りである。
【来歴】
『毛吹草』(正保2年、1645年)に所出。

カテゴリー: 1基本季語, e行事

夏痩(なつやせ)三夏

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【子季語】
夏負け
【解説】
暑さに参ってしまい食欲がなくなり、体重が極端に減ってしまうこと。油っこいものが食べられないので、そうめんや冷麦などで すませてしまうことも多い。
【来歴】
『世話盡』(明暦2年、1656年)に所出。
【例句】
夏痩か見えすくばかり原の里
宗因「糸屑」

夏痩や能因ことに小食なり
其角「名月集」

夏痩の我骨探る寝覚かな
蓼太「続明烏」

なつやせや西日さし込む竹格子
大江丸「俳懺悔」

夏痩や雷嫌ひの乱れ髪
一茶「寛政句帖」

夏痩の骨にとゞまる命かな
正岡子規「季語別子規俳句集」

カテゴリー: 1基本季語, d生活

昼寝(ひるね)三夏

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【子季語】
午睡、昼寝覚、昼寝起、昼寝人、三尺寝
【解説】
夏に仮眠をとること。夏は寝不足や暑さによる食欲不振などで衰弱することが多く、回復のために昼寝をする。弁当を終えた仕事師などが、ちょっとした日陰を選んで横になっているのは三尺寝。日陰が三尺ほど移る間の短い眠りであるところからこういわれる。
【来歴】
『季寄大全』(享和三年、1803年)に所出。
【文学での言及】
『邯鄲の夢』(中国唐代の小説『枕中記』の故事)
【例句】
ひやひやと壁をふまえて昼寝哉
芭蕉「笈日記」

昼寝して手の動きやむ団扇かな
杉風「続猿蓑」

親方の見ぬふりされし昼寝かな
一茶「享和句帖」

糊ごはな帷子かぶる昼寝かな
惟然「続猿蓑」

足しびれて邯鄲の昼寝夢覚めぬ
正岡子規「子規句集」

松の木に庭師来て居り昼寝覚
前田普羅「普羅句集」

屋根瓦ずれ落ちんとして午寝かな
渡辺水巴「水巴句集」

探しても妻の居らざる昼寝覚
日野草城「人生の午後」

昼寝覚うつしみの空あをあをと
川端茅舎「川端茅舎句集」

魂の抜けはててゐる昼寝かな
星野立子「實生」

松風に近江商人昼寝かな
村上鬼城「鬼城句集」

すぐ覚めし昼寝の夢に鯉の髭
森澄雄「鯉素」

禅僧とならぶ仔猫の昼寝かな
長谷川櫂「蓬莱」

カテゴリー: 1基本季語, d生活

汗(あせ)三夏

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【子季語】
玉の汗、汗ばむ、汗みづく、汗みどろ、汗水
【解説】
皮膚にある汗腺から出る分泌物。暑いと盛んに出て皮膚を濡らすが、風が吹くと、汗が体温を下げので涼しい。
【来歴】
『花火草』(寛永13年、1636年)に所出。
【実証的見解】
汗は、汗腺から分泌する液体でほ乳類特有のもの。ほとんどは水分であるが、わずかに塩分を含む。おもに暑いとき、体温を下げるために分泌されるが、緊張時や興奮状態にあるときにも分泌される。成人では夏、一日に二から三リットルもの発汗量をみる。汗自体は無臭であるが、皮膚にある菌の影響で臭いを発するようになる。
【例句】
汗水は暑さよりわく湯玉かな
季吟「山の井」

美しき詞にも似ぬ玉の汗
杉風「百曲」

汗の香に衣ふるはな行者堂
曾良「雪まろげ」

汗入れて妻わすれめや藤の茶屋
蕪村「夜半叟句集」

三時打つ烏羽玉の汗りんりんと
川端茅舎「川端茅舎句集」

税吏汗し教師金なし笑ひあふ
加藤楸邨「山脈」

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端居(はしい、はしゐ) 晩夏

季語と歳時記

【子季語】
夕端居、縁台
【関連季語】
納涼
【解説】
夏、縁側などに出て涼を求めてくつろぐこと。「端」とは家屋の端で、つまり縁側のようなところ。夜分とは限らないが、夕方や夜のことが多い。風呂から上がって浴衣に着替え、涼しい風にあたってほっとするひとときである。「納涼(すずみ)」は外に出て涼を求めることが多いが、端居は家にいて涼を得るのである。
【来歴】
『線車大成』(寛政11年、1799年)に所出。
【例句】
端居して池を浚へん心あり
青木月斗「月斗句集」

ふけわたる草木の風に端居かな
日野草城「青芝」

ゆふべ見し人また端居してゐたり
前田普羅「飛騨紬」

小鼓の稽古すませし端居かな
松本たかし「松本たかし句集」

いふまじき言葉を胸に端居かな
星野立子「笹目」

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泳ぎ(およぎ) 晩夏

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【子季語】
水練、遊泳、競泳、遠泳、水泳、浮袋、立泳ぎ、犬掻、背泳ぎ、平泳ぎ、川浴、水浴
【解説】
夏、川や海、プールなどで泳ぐこと。夏の代表的な遊び。涼をもとめ海や川で泳ぐのは爽快。海で泳ぐと一年中、風邪をひかないともされ、古くから健康法ともされたきた。スポーツとしてはクロールや平泳ぎ、背泳ぎ、バタフライが一般的だが、ぬき手や片ぬき手などの古泳法もある。
【来歴】
『四季名寄』(天保7年、1836年)に所出。
【例句】
とも綱に蜑の子ならぶ泳ぎかな 
正岡子規「子規句集」

汐蒼く人流れじと泳ぎけり
前田普羅「普羅句集」

泳ぎ出て天の高きをたゞ怖る
大谷碧雲居「碧雲居句集」

泳ぎ子に西日まだある河原かな
島田青峰「青峰集」

遠泳や舟に上がれば風の音
長谷川櫂「天球」

君といふ青き島へと遠泳中
稲垣雄二(第七回恋の俳句大賞)

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納涼(すずみ) 晩夏

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yuusuzumi【子季語】
涼む、門涼み、橋涼み、涼み舟、納涼船、宵涼み、夕涼み、夜涼み
【関連季語】
端居
【解説】
夏、縁側や庭先、橋の上、舟など風が来るところで涼を求めること。縁台で将棋をさしたり、夜店をのぞいたりするのも納涼の風景である。とくに夕風に当たることを夕涼みという。
【来歴】
『山の井』(正保5年、1648年)に所出。
【文学での言及】
聞くにさへ涼しくなりぬ若松のもりの梢の風のしらべは 源顕仲『永久四年百首』
【例句】
京酒に一月はやき涼みかな
来山「津の玉柏」

あつみ山や吹浦かけて夕すゞみ
芭蕉「奥の細道」

命なりわづかの笠の下涼み
芭蕉「江戸広小路」

飯あふぐかゝが馳走や夕涼
芭蕉「笈日記」

夕すヾみあぶなき石にのぼりけり   
野坡「炭俵」

板塀に鼻のつかへる涼みかな
一茶「文化句帖」

涼み居て闇に髪干す女かな
召波「五車反古」

僧一人水かみへ行くすずみかな
麦水「葛箒」

涼みけり実のまだ青き梨のもと
森鴎外「うた日記」

肌のものほのかに白し夕涼み
長谷川櫂「松島」

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簗(やな)三夏

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【子季語】
簗打つ、簗さす、簗瀬、簗番、簗簀、簗守
【関連季語】
上り簗、下り簗、崩れ簗、鮎
【解説】
鮎を獲るための仕掛けのひとつ。石を積んで流れを導いた瀬に杭を打ち、その杭に竹の簀を渡したもの。竹の簀が、泳いできた鮎を掬うように受けとめる。竹の簀を飛び跳ねる鮎は、簗番、簗守といわれる人ががつかまえて生簀に放す。近くの鮎の宿では、捕らえたばかりの生きた鮎を塩焼きにして客に食べさせる。簗を設えることを、「簗打つ」「簗さす」という。
【来歴】
『花火草』(寛永13年、1636年)に所出。
【例句】
目通りの岡の榎や簗さかひ
其角「五元集」

簗打や罪の淵瀬を知らぬ人
浪化「浪化上人発句集」

石川や簗うつ時の薄濁り 
桃隣「句兄弟」

手に足に逆まく水や簗つくる
西山泊雲「ホトトギス雑詠選集」

大簗のとどろく上に立ちにけり
松本たかし「石魂」

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