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季語と歳時記

きごさい歳時記

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春一番(はるいちばん) 仲春

季語と歳時記

【子季語】
春一、春二番、春三番、春四番
【関連季語】
春疾風
【解説】
立春後、はじめて吹く強い南寄りの風。この風で草木の芽がほどけはじめ、春の本格的な訪れとなる。もともとは漁師言葉である。
【実証的見解】
立春から春分までの間に、日本海を進む低気圧に向かって、太平洋上の高気圧から吹き込む強い風が春一番である。毎年きまって吹くわけではなく、「春一番観測なし」の年もある。春一番のあと同様に吹く風は、「春二番」「春三番」と呼ぶ。
【例句】
春あらし牧の木むれをわたりゆく
石橋辰之助「山暦」

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貝寄風(かいよせ、かひよせ) 仲春

季語と歳時記

【子季語】
貝寄
【解説】
大阪四天王寺の聖霊会(旧暦二月二十二日)のころに吹く季節風をいう。四天王寺の聖霊会では、供華の筒花を住吉の浜に吹き寄せられた貝殻で作る。このことから、このころに吹く西風を貝寄風という。長くは続かないが、かなりの強い風である。
【来歴】
『俳諧鑑草』(寛延2年、1749年)に所出。
【例句】
貝よせや散り敷くばかり桜貝
車庸「類題発句集」

貝寄せや阿部野の梅の花も散る
紅秋「新類題発句集」

貝よせの風は柳に通ひけり
垣丸「発句題叢」

貝寄る風の手じなや若の浦
芭蕉「もとの水」

貝寄風(かひよせ)に乗りて帰郷の船迅し
中村草田男「長子」

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東風(こち)三春

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【子季語】
朝東風、夕東風、強東風、雲雀東風、あめ東風、いなだ東風、鰆東風、梅東風、桜東風
【関連季語】
春の風
【解説】
春に吹く東風。冬型の西高東低の気圧配置が崩れ、太平洋から大陸へ吹く。温かい風で雪を解かし、梅の花を咲かせるが、ときに、強風となって時化を呼ぶ風でもある。
【来歴】
『花火草』(寛永13年、1636年)に所出。
【文学での言及】
東風吹かば匂ひおこせよ梅の花はるじなしとて春を忘るな 菅原道真『拾遺集』
【例句】
あち東風や面々さばき柳髪
芭蕉「続山の井」

東風吹くと語りもぞ行く主と従者
太祇「新五子稿」

東風うけて川添ゆくや久しぶり
召波「春泥発句集」

のうれんに東風吹くいせの出店かな
蕪村「蕪村句集」

河内路や東風吹送る巫女が袖
蕪村「蕪村句集」

亀の甲並べて東風に吹かれけり
一茶「七番日記」

東風吹くや山一ぱいの雲の影
夏目漱石「漱石全集」

東風吹くや耳現はるゝうなゐ髪
杉田久女「杉田久女句集」

石段を東風ごうごうと本門寺
川端茅舎「華厳」

東風の波がぶりがぶりと杭を越え
星野立子「鎌倉」

東風吹かば西へ東へ帆掛け舟
長谷川櫂「新年」

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春の風(はるのかぜ)三春

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yanaginome
【子季語】
春風
【解説】
春に吹く風をいう。草花やこの芽を育み、鳥のさえずるを誘う、暖かく穏やかな風である。
【来歴】
『連理秘抄』(貞和5年、1349年)に所出。
【文学での言及】
春風は花のあたりをよきて吹け心づからやうつろふと見む 藤原好風『古今集』
【例句】
春風にふき出し笑う花も哉
芭蕉「続山の井」

片町にさらさ染むるや春の風
蕪村「蕪村句集」

春風や堤長うして家遠し
蕪村「安永六春興帖」

曙のむらさきの幕や春の風
蕪村「蕪村句集」

野ばかまの法師が旅や春のかぜ
蕪村「蕪村句集」

春の風草深くても古郷なり
一茶「享和句帖」

春風にこぼれて赤し歯磨粉
正岡子規「子規句集」

春風に尾をひろげたる孔雀かな
正岡子規「子規句集」

春風や闘志いだきて丘に立つ
高浜虚子「五百句」

耳の穴掘つてもらひぬ春の風
夏目漱石「漱石全集」

夕暮の水がとろりと春の風
臼田亜浪「亜浪句鈔」

春風や国の真中の善光寺
原月舟「月舟俳句集」

大空を吹く春風のごとくあれ
長谷川櫂「初雁」

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朧(おぼろ)三春

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oboro-ph【子季語】
草朧、岩朧、谷朧、灯朧、鐘朧、朧影、朧めく
【関連季語】
朧月、霞
【解説】
春、は空気中に水蒸気が多いので、像がぼんやりと潤んで見える。その現象を昼は霞といい夜は朧という。
【来歴】
『俳諧二見貝』(安永97年、1780年)に所出。
【例句】
辛崎の松は花より朧にて
芭蕉「野ざらし紀行」

鉢たたき来ぬ夜となれば朧なり
去来「猿蓑」

辛崎のおぼろいくつぞ与謝の海
蕪村「橋立の秋」

白魚のどつと生るるおばろかな
一茶「文化句帖」

怒濤岩を噛む我を神かと朧の夜
高浜虚子「五百句」

大門に閂落す朧かな
村上鬼城「鬼城句集」

薬園に伏樋のもるゝ朧かな
前田普羅「普羅句集」

風呂の戸にせまりて谷の朧かな
原石鼎 「花影」

夕月の既に朧や藪の空
松本たかし 「鷹」

ぬかるみに夜風ひろごる朧かな
渡辺水巴「水巴句集」

朧にて昨日の前を歩きをり
加藤楸邨「怒濤」

朧にて寝ることさへやなつかしき
森澄雄「四遠」

貝こきと噛めば朧の安房の国
飯田龍太「山の木」

朧夜の船団北を指して消ゆ
飯田龍太「涼夜」

さきがけて朧となりぬ観世音
長谷川櫂「蓬莱」

天井の紐揺れてゐる朧かな
高田正子「玩具」

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朧月(おぼろづき)三春

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oboroduki【子季語】
月朧、淡月
【関連季語】
朧、春の月
【解説】
春の夜の朧な月をいう。澄んだ秋の月に対し、春の月は水蒸気のベールがかかったように見える。暈のかかることもある。
【来歴】
『花火草』(寛永13年、1636年)に所出。
【例句】
猫の恋やむとき閨の朧月
芭蕉「泊船」

花の顔に晴れうてしてや朧月
芭蕉「続山の井」

朧月一足づつもわかれかな
去来「炭俵」

手をはなつ中に落ちけり朧月
去来「泊船集」

大原や蝶の出て舞ふ朧月
丈草「炭俵」

川下に網うつ音や朧月
太祇「太祇句集」

草臥て物乞ふ宿やおぼろ月
蕪村「新五子稿」

手枕に身を愛す也おぼろ月
蕪村「新五子稿」

瀟湘の雁のなみだやおぼろ月
蕪村「蕪村句集」

女倶して内裏拜まんおぼろ月
蕪村「蕪村句集」

藥盜む女やは有おぼろ月
蕪村「蕪村句集」

よき人を宿す小家や朧月
蕪村「蕪村句集」

さしぬきを足でぬぐ夜や朧月
蕪村「蕪村句集」

朧月露国遠しと思ふとき
飯田龍太「山の影」

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春の月(はるのつき)三春

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【子季語】
春月、春満月、春月夜
【関連季語】
月、朧月
【解説】
空気中の水分が増す春は、月も潤んだ感じがする。「秋の月はさやけきを賞で、春の月は朧なるを賞づ」と昔から言われる。月といえば秋の月をさすので、春の一字を加えて春季とする。
【来歴】
『山の井』(正保5年、1648年)に所出。
【例句】
清水の上から出たり春の月
許六「正風彦根蓁躰」

春月や印金堂の木の間より
蕪村「蕪村句集」

浅川や鍋すゝぐ手に春の月
一茶「文化句帖」

肥うつて棚田しづかや春の月
前田普羅「飛騨紬」

春の月ふけしともなくかゞやけり
日野草城「花氷」

紺絣春月重く出でしかな
飯田龍太「百戸の谿」

春の月大輪にして一重なる
長谷川櫂「古志」

あたらしき畝光けり春の月
高田正子「花実」

水の地球少しはなれて春の月 
正木ゆう子「静かな水」

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春の雲(はるのくも)三春

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【子季語】
春雲
【解説】
春の空に浮かぶ雲をいう。春の初めはあわあわとした雲。春が深まるにつれて、青空にぽっかりと浮ぶ雲も見られるようになる。
【来歴】
『改正月令博物筌』(文化5年、1808年)に所出。
【例句】
鳥声を呑んで地にあり春の雲
暁台「暁台句集」

春の雲横山しるし浪の上
宋長「宋長手記」

曇りはてず又夕ばえぬ春の雲
正岡子規「寒山落水」

春の雲ながめてをればうごきけり
日野草城「花氷」

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春の空(はるのそら)三春

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【子季語】
春空、春天
【解説】
春の青空。春は大気が水分を多く含み、ほんのりと霞んでいることもある。
【来歴】
『改正月令博物筌』(文化5年、1808年)に所出。
【例句】
松島の鶴になりたやはるの空
乙二「をのゝえ草稿」

盗みする鳶も舞けり春の空
蘭更「三傑」

春天に鳩をあげたる伽藍かな
川端茅舎「川端茅舎句集」

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春光(しゅんこう、しゆんくわう)三春

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【子季語】
春の色、春色、春望、春の匂、春景色、春景、春の光
【関連季語】
春日
【解説】
もともとは春の風光、春の景色をいったが、春の日の光としても用いられる。
【来歴】
『俳諧大成新式』(元禄11年、1698年)に所出。
【文学での言及】
誰か言つし春の色東生より到ると、露暖かにして南枝花始めて開く 菅原文時『和漢朗詠集』
野煙の春の光に嘯いて、各々一句を吟じ、山霞の晩の色を酌んで、忽ちに数盃に酔ゑり 橘在列『新撰朗詠集』
【例句】
鳥の羽に見初る春の光かな
樗良「樗良発句集」

道遠し松寿千年春の色
荷兮「曠野後集」

鳥の羽に見初むる春の光かな
樗良「樗良発句集」

春光の大竹藪へ庇かな
松本たかし「野守」

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