↓
 

季語と歳時記

きごさい歳時記

カテゴリーアーカイブ: 1基本季語

投稿ナビゲーション

← 古い投稿
新しい投稿 →

春の暮(はるのくれ)三春

季語と歳時記

【子季語】
春暮
【関連季語】
暮の春
【解説】
春の季節の終わりという意味と、春の一日の夕暮れどきというふた通りの意味がある。古くは前者の意味で使われることが多かったが、今日では春の夕暮で使われることが多い。
【来歴】
『改正月令博物筌』(文化5年、1808年)に所出。
【例句】
入逢の鐘も聞こえず春の暮
芭蕉「曾良書簡」

鐘つかぬ里は何をか春の暮
芭蕉「曾良書留」

にほひ有きぬもたたまず春の暮
蕪村「蕪村句集」

いづかたも水行く途中春の暮 
永田耕衣「驢鳴集」

春の暮暗渠に水のひかり入る
加藤楸邨「山脈」

妻亡くて道に出てをり春の暮
森澄雄「白小」

 

カテゴリー: 1基本季語, a時候

春昼(しゅんちゅう、しゆんちう)三春

季語と歳時記

【子季語】
春の昼
【解説】
春の真昼をいう。明るく暖かく閑かなものである。
【例句】
春昼や城のあとにしてさへのかみ
泉鏡花「鏡化全集」

春昼や法廷に泣く人の声
原石鼎「花影」

妻抱かな春昼の砂利踏みて帰る
中村草田男「火の島」

白虹の現れ消えぬ春の昼
松本たかし「石塊」

春昼の松籟遠くきこえけり
日野草城「花氷」

春昼の真砂を濡らす潮かな
日野草城「花氷」

カテゴリー: 1基本季語, a時候

春暁(しゅんぎょう、しゆんげう)三春

季語と歳時記

【子季語】
春の曙、春の夜明、春の暁、春の朝明、春曙
【解説】
春の夜明けである。正確には暁は日の出前の未明をいい、夜の明ける気配はあるものの、あたりはまだ薄暗い。同じ夜明けでも曙は暁よりも遅く、日の出前をいう。
【来歴】
『俳諧二見貝』(安永97年、1780年)に所出。
【文学での言及】
春は、あけぼの。やうやう白くなりゆく山ぎは 少しあかりて紫だちたる雲の細くたなびきたる。清少納言『枕草子』
【例句】
春の曙その七もとや秘蔵蔵
支考「蓮二吟集」

春暁や大いなる鮫獲れしとふ
原石鼎「花影」

ふるさとの春暁にある厠かな
中村草田男「長子」
 
長き長き春暁の貨車なつかしき
加藤楸邨「寒雷」

春暁や人こそ知らね木々の雨
日野草城「花氷」

春暁の衣垂れたる衣桁かな
日野草城「花氷」

春暁や筧二つの同じ音
増田龍雨「龍雨句集」

赤子泣く春あかつきを呼ぶごとく
森澄雄「天日」

春暁の竹筒にある筆二本
飯田龍太「忘音」

春暁や大雪山を浮べたる
長谷川櫂「初雁」

春あけぼの引越の荷に囲まれて
高田正子「花実」

カテゴリー: 1基本季語, a時候

彼岸(ひがん) 仲春

季語と歳時記

【子季語】
彼岸中日、彼岸太郎、入り彼岸、さき彼岸、初手彼岸、終ひ彼岸、彼岸ばらい、彼岸前、彼岸過、彼岸講、万灯日
【関連季語】
秋彼岸、春分
【解説】
春分の日を中日として、その前後三日の計七日間を指す。このころになると、「暑さ寒さも彼岸まで」と言われるように寒さも治まる。先祖の墓参りなどの行事がある。
【来歴】
『毛吹草』(正保2年、1645年)に所出。
【実証的見解】
彼岸は、亡き先祖に感謝し、その霊をなぐさめ、自分も身をつつしみ極楽往生を願う日本特有の仏教行事である。『源氏物語』にその記述があり、平安時代にはすでに行われていたとされる。太陽信仰と深いかかわりがあり、真東から上がって真西に沈む太陽を拝んで、阿弥陀如来が治める極楽浄土に思いをはせたのが起源とされる。「日の願(ひのがん)」から「彼岸」となったという説もある。彼岸は春彼岸と秋彼岸とがあり、春彼岸は種まきの季節で、その年の豊穣を祈る気持ちがつよく、秋彼岸は収穫に感謝する気持ちがつよい。
【例句】
命婦よりぼた餅たばす彼岸哉
蕪村「蕪村句集」

毎年よ彼岸の入に寒いのは 
正岡子規「寒山落木」

竹の芽も茜さしたる彼岸かな
芥川龍之介「澄江堂句集」

蝌蚪生れて未だ目覚めざる彼岸かな
松本たかし「松本たかし句集」

カテゴリー: 1基本季語, a時候

啓蟄(けいちつ) 仲春

季語と歳時記

【子季語】
驚蟄
【解説】
二十四節気の一つで三月六日ころ。「啓」は「ひらく」、「蟄」は「土の中で冬ごもりしている虫」の意で、冬眠していた蛇や蛙などが暖かさに誘われて穴から出てくるころとされる。実際に虫が活動を始めるのはもっと暖かくなってからである。
【来歴】
『増山の井』(寛文7年、1667年)に所出。
【実証的見解】
初春の項参照
【例句】
啓蟄を啣へて雀とびにけり 
川端茅舎「川端茅舎句集」

啓蟄や葬の騒ぎのひとしきり
日野草城「花氷」

カテゴリー: 1基本季語, a時候

春めく(はるめく) 初春

季語と歳時記

【子季語】
春動く、春兆す
【関連季語】
早春、春浅し
【解説】
立春(二月四日ころ)をすぎて、しだいに春らしくなってくることをいう。いが、春は三寒四温というようにゆっくりとやって来る。
【文学での言及】
野辺見れば若菜摘みけりむべしこそ垣根の草も春めきにけれ 紀貫之『拾遺集』
【例句】
春めくや藪ありて雪ありて雪
一茶「八番日記」

鶯の来ぬ日春めく木の間かな
鳳朗「鳳朗発句集」

カテゴリー: 1基本季語, a時候

余寒(よかん) 初春

季語と歳時記

【子季語】
残る寒さ
【関連季語】
冴返る
【解説】
寒が明けてからもなお残る寒さ。春の兆しはそれとなくあるものの、まだまだ寒さは続く。立秋以後の暑さを「残暑」というが、それに対応する季語である。
【来歴】
『毛吹草』(正保2年、1645年)に所出。
【例句】
情なう蛤乾く余寒かな
太祗「太祗句選」

関能の戸の火鉢小さき余寒かな
蕪村「夜半叟句集」

水に落ちし椿の氷る余寒かな
几菫「井華集」

ものの葉のまだものめかぬ余寒かな
千代女「松の声」

暗がりの鰈に余寒の光かな
嘯山「葎亭句集」

踏みわたる余寒の苔の深みどり
日野草城「花氷」

カテゴリー: 1基本季語, a時候

冴返る(さえかえる、さえかへる) 初春

季語と歳時記

【子季語】
しみ返る、寒返る、寒戻り
【関連季語】
余寒
【解説】
春さき、暖かくなりかけたかと思うとまた寒さが戻ってくること。一度暖かさを経験しただけに、より冴え冴えとしたものを感じさせる。
【来歴】
『花火草』(寛永13年、1636年)に所出。
【文学での言及】
さえかへり山風あるる常盤木に降りもたまらぬ春の沫雪 藤原為家『玉葉集』
【例句】
神鳴るや一村雨の冴えかへり
去来「小柑子」

柊にさえかへりたる月夜かな
丈草「続有磯海」

三か月はそるぞ寒は冴えかへる
一茶「七番日記」

真青な木賊の色や冴返る
夏目漱石「漱石全集」

山がひの杉冴え返る谺かな
芥川龍之介「澄江堂句集」

冴返る面輪を薄く化粧ひけり
日野草城「花氷」

冴えかへるもののひとつに夜の鼻
加藤楸邨「火の記憶」

カテゴリー: 1基本季語, a時候

春浅し(はるあさし) 初春

季語と歳時記

【子季語】
浅き春、春淡し、浅春
【解説】
立春をすぎたのに、まだ春めいていない感じをいう。暖かいところでは梅が咲き、目白などが飛び交っているが、東北の日本海側などではまだ厚い雪に覆われている。風も冷たく、時には厳寒のころの気温に戻ったりもする。雪の中から蕗の薹を見つけるのもこのころ。「早春」よりも主観の入った季語と言えよう。
【例句】
病牀の匂ひ袋や浅き春
正岡子規「子規全集」

白き皿に絵の具を溶けば春浅し
夏目漱石「漱石全集」

浅春の火鉢集めし一間かな
前田普羅「普羅句集」

美しき人を見かけぬ春浅き
日野草城「花氷」

カテゴリー: 1基本季語, a時候

立春(りっしゅん) 初春

季語と歳時記

【子季語】
春立つ、春来る、立春大吉、春さる
【解説】
二十四節気の最初の節気で、二月四日ころ。節分の翌日になる。厳しい寒さはまだ続くが、温かくなるにつれて梅の花もほころぶころ。
【来歴】
『花火草』(寛永13年、1636年)に所出。
【実証的見解】
初春の項参照
【例句】
春立ちてまだ九日の野山かな
芭蕉「笈の小文」

音なしに春こそ来たれ梅一つ
召波「明和辛卯春」

春立つや愚の上に又愚にかへる 
一茶「九番日記」

立春の雪白無垢の藁家かな 
川端茅舎「華厳」

立春の雪のふかさよ手鞠唄 
石橋秀野「桜濃く」

小諸より見る浅間これ春立ちぬ
星野立子「笹目」

立春大吉雪国に雪ふりしきり
長谷川櫂「虚空」

カテゴリー: 1基本季語, a時候

投稿ナビゲーション

← 古い投稿
新しい投稿 →
ことば検索


ヒット項目が多くなりすぎる季語です。下の文字を直接、クリックしてください。

春、梅、桜、花、夏、祭、秋、月、冬、雪、初春

 きごさいBASEへ


季節文化を発信

NPO法人「きごさい」(季語と歳時記の会)は、ネット歳時記「きごさい」を中心に季節文化を発信する仕事をしています。その活動はボランティアのみなさんの力で運営されています。賛同される方はご参加ください。

きごさいの仕事

  • インターネット歳時記「きごさい歳時記」
  • 山桜100万本植樹計画
  • 「きごさい」の発行
  • きごさい全国小中学生俳句大会
    • これまでの受賞句

メニュー

  • top
  • デジタル句集
  • お問合せ
  • 管理

リンク

  • きごさいBASE
  • カフェきごさい
©2026 - 季語と歳時記
↑