【子季語】
吉野忌
【解説】
陰暦八月二五日、京都六条三筋町の二代目吉野太夫の忌日。慶長十一年生まれ。諸芸に秀でた名妓で、富豪灰屋紹益の妻となる。熱心な法華経信者で、私財を投じ洛北常照寺の山門を寄進、この縁で寛永二年没後、この寺に眠る。
タグ別アーカイブ: etc
岡崎祭(おかざきまつり/をかざきまつり) 晩秋
【子季語】
岡崎東天王祭
【解説】
十月十一日から十六日まで、京都市左京区東天王町の岡崎神社の祭礼。承安二年、祇園会に大鷹鉾を出した記録がある。素戔鳴命を祀る社はすべて天王社といった。祭礼には、牛に曳かせた大太鼓が出て珍しかったが、今は子供神輿が区内を巡行するのみ。
蓮の飯(はすのめし) 初秋
【子季語】
荷葉の飯/はすのいひ
【解説】
お盆の時期、生身魂へのもてなしに、蓮の葉に糯米飯を包み蒸し上げる。(古くは、吉祥蘭で括った)また、所により、旬の魚である鯖を添えた。背開きにして塩漬けにし、串にさした刺鯖で、仏に供え、また親類どうし贈答しあった。
【例句】
文月やめでたく炊ぐはすのめし
季吟「玉海集」
た命鯖そへけりな蓮の飯
信徳「五の戯言」
松の葉につつむ心を蓮の飯
支考「笈日記」
塩魚の塩こぼれけり蓮の飯
白雄「白雄句集」
蓮の葉に盛れば淋しき御飯かな
一茶「七番日記」
伏見三栖祭(ふしみみすまつり) 晩秋
【子季語】
炬火祭/松明祭
【解説】
十月十二日と十六日に近い日曜日、京都市伏見区三栖神社の祭礼。初日の御出祭は葦を束ねた大炬火が、中書島から京橋まで練る壮 大な火祭。二日目の本祭は、人櫓に担がれた雌雄一対の獅子頭が、氏子町を練って厄を払う。子供神輿、高張提灯の行列も賑やか。
刺鯖(さしさば) 初秋
【子季語】
差鯖
【解説】
鯖を背開きにして塩漬けにし、二尾を刺し連ねて一刺とした乾物をいう。盆の間、父母の長寿を祈る祝儀ものとして食し、蓮の飯とあわせ、親類縁者や世話になった人々にも贈った。
【例句】
生霊は刺鯖喰うて現かな
北枝「薦獅子集」
さし鯖の仏臭くも哀れなり
五朗「発句題叢」
表から来る刺鯖の使ひかな
井上井月「井月全集」
粟田神社祭(あわたじんじゃまつり/あはたじんじやまつり) 晩秋
【子季語】
粟田口祭
【解説】
京都市東山区の粟田神社の祭礼。祇園祭山鉾の最初の形といわれ る剣鉾があり、曲持が見ものであったが、大正時代に途絶えた。現在、九日の御出祭は、瓜鉾、地蔵鉾、十二燈の夜渡が。十日の神幸祭は柏鉾が練り、十五日の大祭は神輿に剣鉾がお供をする。
【例句】
橋わたす鉾さしはやせ粟田口
太祇「題林集」
御香宮祭(ごこうのみやまつり/ごかうのみやまつり 晩秋)
【子季語】
伏見祭/花傘祭
【解説】
十月第二日曜、京都市伏見区桃山の御香宮神社の祭礼。かっては重陽の節句に行われた伏見九郷の総鎮守社の祭で、洛南随一の大祭。伏見祭ともいう。千姫寄進の神輿は六百貫。雌雄の獅子巡行と、宵宮の風流花傘もなかなかの見ものである。
【例句】
もし降らば千珠投げませ祭の日
嘯山「葎亭句集」
西院祭(さいまつり/さゐまつり) 晩秋
【子季語】
春日祭
【解説】
十月第二日曜、京都市右京区西院春日町の春日神社の祭礼。淳和天皇の西院離宮に奈良春日大社を勧請した社。当日、少年鼓笛隊、稚児と武者行列、剣鉾、神輿の渡御がある。鈴を鳴らし吹き散りを流しながら、拝殿を廻る剣鉾が呼びもの。
神嘗祭(かんなめまつり 晩秋)
【子季語】
度会新嘗祭/かんなめさい/しんじやうさい
【解説】
十月十七日、新穀で造った新酒と神饌とを、伊勢神宮に奉納し、五穀豊穣を感謝する祭礼。新嘗祭とともに、大切な国民の祭日であったが、戦後、現行憲法により廃止された。皇室では賢所で祭 儀が、伊勢神宮でも祭礼がとり行われている。
宝の市(たからのいち) 晩秋
【子季語】
升市/住吉の市/取鉢/住吉相撲会
【解説】
大阪市住吉区の住吉大社の祭礼。昔は、相撲会があり、黄金の升に新穀を盛り、枡を売る市も立った。信者から奉納される品々を 宝物として参詣者に授与したので、幸運を願う人々が集まる。現在は、十月十七日から三日間、「宝の市神事」のみ行われている。
【例句】
買勝やたからの市の国みやげ
才麿「宝の市」
升買うて分別かはる月見かな
芭蕉「住吉物語」
升の市塩屋長次が月見かな
許六「正風彦根躰」
あきらかな月を宝の市場かな
雨候「新類題発句集」
升市や月も寄せくる松の上
蝶衣「青垣山」
