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令和6年能登半島地震 見舞金のお願い

きごさいBASE 投稿日:2024年2月19日 作成者: dvx223272024年2月25日

石川県立輪島漆芸技術研修所
所 長 小森邦博

 日頃より当研修所の事業にご理解とご協力を賜り誠にありがとうございます。今回の地震の報道に、皆様さぞお心を痛めていらっしゃることと思います。私を含め職員、講師の先生方、研修生達も胸が張り裂けそうな思いです。

 地震以降、見舞金、寄付金に関するお問い合わせが数多く寄せられております。見舞金の受け付けについて、次のとおりご案内いたします。集まった見舞金は研修生の生活再建や道具購入等、有効に活用させていただきます。

1・見舞金額 任意
2・振込口座 北國銀行 七尾支店(ホッコクギンコウ ナナオシテン)普通 60859
口座名義 輪島漆研被災研修生見舞金(ワジマシッケンヒサイケンシュウセイミマイキン)

恋の俳句大賞(2023年後期)大賞は澤谷さん

きごさいBASE 投稿日:2024年2月18日 作成者: dvx223272024年2月25日

【大賞】
あの人の手紙よく燃ゆ寒昴     澤谷美咲
【作者のコメント】
負の気持ちで生み出した句が、このような形で返ってきて、とても嬉しいです。これで手紙も成仏したと思います。

☆村松二本 選
【特選】 
隠しとほせしかコートの襟をたて  小栗正子
失恋は僕の血となり肉となり    北村友一
あの人の手紙よく燃ゆ寒昴     澤谷美咲
【入選】 
冬薔薇枯れても薔薇でいたかった  井上秀子
初恋の大願成就初詣        髙橋基
きみの首筋ゆふぐれと檸檬の香   秋さやか
嘘を付く君の唇冬薔薇       円美々
友達に戻る時間の銅鑼が鳴る    松田早苗
きっかけを探るりんごの咀嚼音   足立有希
かささぎの橋のたもとで逢ひませう 鹿沼湖

☆趙栄順 選
【特選】 
デートは七時初漁は初みやげ    山下守
春待つや癌生還の妻に恋      岩田勇
君がそう言うなら春はクリームパン 八田昌代
【入選】 
革ジャンの右肩ばかり濡れて駅   げばげば
好きならば離してはだめ風船    城内幸江
ソーダ水愛も減っていくのかしら  矢入榮留
薫風の学食しずか初デート     折田祐美子
恋も手編みのセーターも解く夜   高津佳子

☆長谷川櫂 選
【特選】 
初恋のレモンソーダ注文中     小林寛久
晴れ予報のバレンタインデーららら 遠藤玲奈
雪こそは真冬の恋のキューピット  峯岸泰希
【入選】 
初恋は三寒四温のもどかしさ    石井秀一
春待つや癌生還の妻に恋      岩田勇
霜柱あなたザクザク恋の音     井上秀子
新しき出会いの春の片思い     紅紫あやめ
失恋を未だ知らざる虹なりき    田中目八
好きならば離してはだめ風船    城内幸江
レース編むやさしい恋の終わり方  綾竹あんどれ
あの人の手紙よく燃ゆ寒昴     澤谷美咲
りんご飴向こうとこっちより舐める 熊本芳郎
シクラメン十八からの想ひ人    益田信行

1月 きごさい+報告 「文化交流と相互理解」

きごさいBASE 投稿日:2024年1月8日 作成者: dvx223272025年9月24日

1月6日、第32回きごさい+がズームで開催されました。講師は董振華さん。中国北京のご出身で、現在は東京を拠点に俳人として、翻訳家として活躍されています。董さんよりご講演の概要をいただきました。

文化交流と相互理解     董 振華

新年早々、「きごさい+」のズーム交流会に参加出来て、真にありがとうございました。いつの時代でも文化交流は人と人、ひいては国と国との間の相互理解のための大事な手段です。
幼少時代、日本の映画、ドラマ、漫画、アニメの影響で日本に興味を持ち、大学では日本語を専攻し、就職後は日中交流の仕事に携わってきました。今回は文化交流の中で特に印象深かった二つのことについてお話しします。
Ⅰ 俳句と漢俳
一つは私を俳句の世界に導いてくださった金子兜太師との出会い。「董君は日中両国の言語が出来る。俳句を通して、将来、両国の文化交流と相互理解に役立つ人になるんだ。君にはそれができる。俺は信じる。」と力強く言っていただいたことは忘れない。
一九八〇年、大野林火を団長に日本の俳人訪中団(兜太も参加)が北京を訪れた。北海公園の?膳飯店で開かれた歓迎会で、当時の中国仏教協会の趙朴初会長が俳句に倣って三首の三行詩を詠んで、歓迎の意を表わした。そのうちの一首は下記のとおり。
緑蔭今雨来    緑陰に今雨来たり
山花枝接海花開 山花、枝接ぎて海花が開く
和風起漢俳    和風 漢俳を起こさん
五・七・五の形と中国語の漢字で綴られたこの三行詩は、後に漢俳の誕生を意味する。
翌年の四月に、林林、袁鷹が俳人協会のお招きにより訪日し、漢俳の形式、特色及び俳句との関り等について、山口誓子、大野林火、鷹羽狩行等の俳人の方々と意見を交換した。同時に「俳句と漢俳の架け橋に」を題とする文を『俳句』誌に発表。同年六月号の『詩刊』に趙朴初、林林、袁鷹三氏の「漢俳試作」十五首を掲載。これが漢俳の初めての公開的デビューである。「詩刊」の編集者も専ら「漢俳は中国詩人が日本の俳句詩人との交流の中で生まれた新詩体で、俳句の十七音(五、七、五)の形式と、押韻を加えた三行十七文字の短詩で、絶句、小令、或いは民謡に似ており、短くて凝縮した表現、文語、口語、抒情、写景どちらでもよい」と説明を付け加えた。続いて同年八月八日の「人民日報」に趙朴初、林林、袁鷹等の「漢俳試作」を掲載。これをきっかけに、「漢俳」は急速に中国全土に広がり、各界各層の人々が試作を始めた。一九八二年日本の『文芸用語基礎知識』、一九八八年の『中国新文学大系・詩歌』にはどちらも漢俳作品が収録されており、漢俳が新詩体としての文学的地位を確立した。
それからまもなく日本では一九八九年、国際俳句交流協会が創立した。それに呼応するかのように九〇年杭州で「和歌俳句研究会」、九三年上海で「上海俳句漢俳研究交流協会」、九五年北京で「中国歌俳研究中心」等が次々と発足。特に二〇〇五年北京で「中国漢俳学会」創立に際し、兜太を団長に三十五名が日本から祝賀に参会した。これにより漢俳は一層発展を遂げ、現在、漢俳の人口は一万人にものぼる。

Ⅱ 日本の物差しと中国の物差し
二つ目は交流の中で、相互理解を図るためには、相手国の文化や風俗習慣を知るのが大事であることを説明した。
〇「一衣帯水」共通した風俗
両国は二千年に及ぶ交流の中で、全く同じか或いは似通って風俗習慣を持つに至った。昔、日本が中国文化を吸収した際、習俗も一緒に日本に伝えられた。後に中国では変化が生じてからも、日本ではそれがずっと保存されてきた。
まず、古代中国から日本に伝わったものを言うと、羽根を揺らし、ひからびた籾米を吹き飛ばす唐箕、米を篩い分ける竹製の篩、穀物を掃く箒、土地を均すための熊手等があるが、これは皆江蘇省や浙江省から伝わってきたものである。
衣食住においても、両国には似通う部分が多く見られる。例えば、和服のゆったりした振袖は古代中国の服装の特徴である。また、日本の伝統的な居間には畳があって、そこには履物を脱いで入り、じかに座るが、これも中国古代の風習。一七〇〇年前、晋代の「管寧、席を分ける」という物語がある。菅寧と華歆は元々同窓生だったが、華歆は金と権力に目が眩んだため、菅寧は彼と席を分ける、つまり袂を分かつことになった。この物語は当時地面に直に座る習慣があったことを示している。
そして、暖簾といえば、日本ではこれを「暖簾」と書くが、もとは禅家が寒さを凌いだところから、その名が付いた。日本では、家に暖簾を掛けて、日の光を遮り、埃を防ぎ、外部の耳目を遮り、お店では暖簾を宣伝広告の代わりに使う等して、中国より用途が広範に渡る。
なお両国間には、お正月、端午の節句、お盆、重陽の節句等の多くの共通する祝日がある。日本では、端午の節句があり、男の子のいる家では子供の幸運と健康を祈って、庭に鯉幟を立てるが、中国でも鯉崇拝の風習がある。二千年余り前に、孔子に息子ができ、魯国の王様が鯉を送って祝福したため、孔子は息子を孔鯉と名づけた。現在中国では、春節(旧正月)を過ごす時に、子供が鯉を抱く絵を室内に貼ったり、大晦日に鯉の料理が出て、「年々有余」(年と共により多くのゆとりがもてるよう」と祈る。中国語のゆとりの意味を持つ「余」と「魚」との発音が同じだからである。
〇「求道存異」小異を認め、郷に入れば郷に従え
中国と日本の民俗習慣の共通点は枚挙に暇はないが、相違点も多くある。
話し方について:中国人は喋るにしろ、何かをするにしろ、単刀直入に意志を表現することを好むが、日本人の喋り方は相手に探りを入れつつ、遠まわしを表現します。かくして、中国人は日本人のことを回りくどくてはっきりしないと思い、日本人は中国人のことを単純でぶっきらぼうだと見なす。
持て成し方について:中国人が客をもてなすと、テーブルを埋め尽くすぐらいに肉や魚を振る舞い、置く場所がなくて皿を重ねることもある。日本人の場合は食器の美しさ、料理の種類の豊富さ、色の鮮やかさが重んじられ、量そのものは適度が好まれる。日本人は中国人のことを見栄え張りで無駄が多いと見なし、中国人は日本人をけちだと見なす。
数字好みの相違について:中国人は贈り物をする時に、偶数を贈るのが重視しており、日本人は奇数が好きだ。しかし奇数でも九は例外がある。九は単数の中で一番大きく、吉数として広く使われる。例えば、古代の中国の領土は「九州」と呼ばれ、天の高い所を「九天」「九宵」などと言った。紫禁城の部屋数は九九九九間とされ、宮殿の門にも横も縦も九つの釘が打たれ、表門と二番目の門の間にある目隠し塀には、九匹の龍が彫られ九龍壁と呼ぶ。日本ではこれと相反して、九には「苦」と同じ発音があり、九階のないホテルや九番の座席がなかったりする。
色彩好みの相違について:中国では鮮やかな色彩が好まれる。黄色は皇帝専用の色で、平民は使ってはならない。赤は縁起のいい色で、一番広く使われる。例えば、旧正月に紅い紙に対句を書いたり、子供が生まれて満一ヶ月の時には赤く染めた卵を食べ、結婚式で新郎は胸元に赤くて大きい花を付け、新婦は赤い服か赤い花柄の付いた服を着用する。一方、葬式では、白い麻布の喪服を着て、白い花を付け、白い靴を履くため、不吉な色と見なされてきた。これとは相反して、日本人は淡い色合いが好きで、特に白は高貴さや神聖さといったイメージがあるので、新婦は白いウェティングドレスに身を包み、新郎は黒い燕尾服(えんびふく)を着て、白いネクタイをしめる。

両国間の風俗習慣については枚挙に暇がありませんが、以上を持って両国の民俗の共通点、相違点そして交流について簡単に紹介させていただきました。

「俳句と漢俳」の話にしても、「日本の物差しと中国の物差し」の話にしても、文化交流は人々の意志疎通や国家間の相互理解にとって必要不可欠なことです。今日の話が少しでも相互理解のきっかけとなり、皆様の役に立てれば幸いに思います。ご清聴ありがとうございました。

講座の後、句会が開かれました。
句会報告   選者=董振華、長谷川櫂
◆ 董振華 選
【特選】
金の箔浮いてくるお茶お元日     森永尚子
三が日ただ月だけの青白し      奈良握
【入選】
破魔矢いま鈴を鳴らして落ちにけり  三玉一郎
揚げたての油条一本七日粥      森永尚子
初山河見たくて街の天辺へ      宮本みさ子
駅見ゆる席でコーヒー四日かな    金澤道子
元日や能登揺れて国みな揺るる    長谷川櫂
悴みてますます星と近くゐる     三玉一郎
能登揺れて荒海揺れて海鼠揺る    長谷川櫂
牛曳きし犂曽祖父の冬田打      石川桃瑪
暁天に若水汲みき桶の音       石川桃瑪
しんかんと星ひとつある二日かな   三玉一郎
お降りが濡らす襷や箱根路へ     奈良握

◆ 長谷川櫂 選
【特選】
揚げたての油条一本七日粥      森永尚子
【入選】
天地玄黄火鍋に年を惜しみけり    葛西美津子
手ぬぐひにいろはにほへと花の春   飛岡光枝
轟きて龍寝返るや冬の海       飛岡光枝
新年のいきなり揺らぐ秋津洲     葛西美津子

3/16(土) ズームできごさい+ 「心ときめく雛祭りの菓子」

きごさいBASE 投稿日:2024年1月6日 作成者: dvx223272025年9月25日

さまざまなジャンルから講師をお迎えして季節や文化に関わるお話をお聞きする「きごさい+」。
今回の講師は、きごさい+ではおなじみの虎屋文庫の中山圭子さん。

会場で開催の時は虎屋さんのご協力でお菓子付きの講座でしたが、今回もZoomを使ったオンライン開催のため残念ながらお菓子は配れません。講師の中山さんから「雛菓子とお茶を傍らにご参加いただけましたら幸いです。」とコメントをいただいております。
講演の後、句会もあります。(選者:中山圭子、長谷川櫂)

演 題 : 心ときめく雛祭りの菓子
講 師 : 中山 圭子(なかやま・けいこ)
プロフィール:
東京藝術大学美術学部芸術学科卒業。四季折々の和菓子のデザインの面白さにひかれて、卒論に「和菓子の意匠」を選ぶ。
現在、和菓子製造販売の株式会社虎屋の資料室、虎屋文庫の主席研究員。
著作に『事典 和菓子の世界 増補改訂版』(岩波書店)、『江戸時代の和菓子デザイン』(ポプラ社)、『和菓子のほん』(福音館書店)など。
菱餅 (写真提供:虎屋文庫)

講師のひと言
3月3日は女子の健やかな成長を祝う雛祭り。愛らしい雛人形はもちろん、菱餅や雛あられほか、色とりどりの雛菓子が魅力的な、心ときめく行事です。今回は雛菓子の歴史や意匠などについてお話ししたいと思います。
3日を過ぎる開催になりますが旧暦で雛の節句を祝う地域もありますので、雛菓子とお茶を傍らに、楽しんでいただけましたら幸いです。

日 時:2024年3月16日(土)12:30~15:00  (12:15~ Zoom入室開始)
12:30~13:45  講演
13:50~14:20  句会(選句発表)
14:20~15:00  長谷川櫂(きごさい代表)との対談、質疑応答
今回はいつもより1時間早い12:30開始です。ご注意ください。

谷口智行さんのHAIKU+ 概要

きごさいBASE 投稿日:2023年11月26日 作成者: dvx223272023年11月26日

現在ご活躍中の俳人・俳句研究者をお迎えして、俳句の未来を考えるHAIKU+
第7回は、俳句会「運河」主宰の谷口智行さんをお迎えして、11/23オンラインで開催されました。
谷口智行さんから当日のご講演の概要をいただきましたのでご覧ください。

季語と暮らし
           谷口智行(運河・里)

僕は郷土史家でも歴史学者でもありません。熊野という地の一生活者です。人々との出会いや暮しの中から僕自身、日々「熊野」を学んでいます。
本講演では、そうした日常における四季の移ろい、生活の中に溶けこんだ「季語」の豊かな世界、風土の上に展開される暮しとその背景について、師や仲間の句を提示しながら拙論を述べてゆきたい。

新年
●歯固(はがため)
正月三箇日、鏡餅・猪・鹿・押鮎・大根・瓜などを食べる新年行事。
歯固にこは陳ものの猪の肉    茨木和生
●初うらら
正月の穏やかな好天に万象が輝くさま。
日の歌をうたふに海の初うらゝ  松瀬青々
年よりも若いと言はれ初麗    茨木和生
相伝の山当ての山初うらら      智行
●福(ふく)藁(わら)
正月の神を祀っている間、不浄を取り払うため家の門口に新しい藁を敷いたもの。「ふくさ藁」とも。
ふくさ藁敷きたる家も村になし  茨木和生
●井(せい)華(くわ)水(すい)
立春の日の早朝に初めて汲む水。後、元旦に汲むようになった。一年の邪気を除くとされる。若水。
固まりし筆先ほぐす井華水    畑下信子

春
●大逆忌(たいぎやくき)
一月二十四日。「大逆事件」で処刑された医師・大石誠之助の忌日。一九一〇(明治四十三)年、多数の社会主義者・無政府主義者が明治天皇暗殺計画の容疑者として逮捕。二十六名が大逆罪で起訴。翌年、幸徳秋水、大石誠之助ら十二名が処刑された事件。
渦巻けるうしほのけぶり大逆忌    智行
 大逆忌近し蒼天続きをり     中村盛春
●お灯(とう)祭(まつり)  子季語:上り子、火祭
立春を二日ほど過ぎた二月六日の夜、神倉神社で催行。

上り子の滑落リボン流るるやう    智行
隠国のこの闇にして火の祭    松根久雄
火となりて走る男やお燈祭    平松竈馬
●西ようず
ようずは雨催いの生ぬるい南風のこと。西から吹いてくるときは「西ようず」。近畿、中国、四国地方の言葉。
海底は沈木の森西ようず       智行
●後架(こうか)虻(あぶ)
ミズアブ科。体が細く黒色で腹に白紋がある。便所やごみ箱付近に見られ、幼虫は汚物を食する。便所蜂とも。
深吉野のこは珍しき後架虻    茨木和生
●酒(さか)星(ぼし)
獅子座の右下に三つ並んで見える星を酒屋の旗とみた中国名。李白の漢詩「月下独酌」の「天若し酒を愛さざれば酒星天に在らじ。地若し酒を愛さざれば地まさに酒泉なからん」で有名。
酒星をこれと示せる人をらず   茨木和生

閑話休題①
*甘(あま)潮(じほ)
海水の濃度が低くなること。特に伊勢湾の深くは甘潮になり、石蓴などが育ち、旨味があるという。
甘潮に育つ石蓴の旨みかな   石橋山野子
*付子(つけこ)
鶯や頰白などの鳴き声の良い鳥の傍に同類の鳥を付けておき、その音色を習わせること。また、その付けておく鳴き方の未熟な鳥をいう。
鳥籠の付子四代目日脚伸ぶ    山内節子
*坪枯(つぼが)れ
浮塵子などの生息密度が高い圃場が枯れること。
稲刈機坪枯れ区別せず進む    山口哲夫
*パッカー車
パッカー車はごみ収集車のこと。「詰め込む」を意味する「Pack」由来の和製英語である。 
短夜や銀座を走るパッカー車  大久保 樹
*ターレー車
ターレー車は円筒状の動力部が前方に付いた三輪の運搬車。
露しとど築地市場のターレー車 たなか 游

夏
●豆回(まめまは)し
鵤の別名。春から夏にかけて日本に渡来。木の実を口に含んで回しながら割る習性により、「豆転がし」「豆うまし」「豆割り」とも。
豆回し来鳴ける日差し若菜摘む  山内節子
●山(やま)虎魚(をこぜ)
「山虎魚」は細長くて珍しい煙管貝などを指すことが多い。海の神が山中のそれを欲しがると考え、漁民は呪物として尊んだ。本態は地域によってさまざま。
熊本県…山中の湿潤な沢にいる油(あ)身魚(ぶらめ)
高知県…山螺(やまにし)(山の田螺の意?)
岩手県…山野の湿地に棲息する細長い巻貝の一種
宮崎県…鹿の耳朶の割れて変化したもの。
鼬、蝮、毛虫などを指す場合もある。
山虎魚こんなところに隠れをる  芳野正王
●杜(と)仲(ちゆう)若葉(わかば)
杜仲はトチュウ目トチュウ科を構成する唯一の種。現在、中国原産の一種類しか存在しない。
恐竜期生き来し杜仲若葉かな   田中久幸
●毒(どく)瓶(びん)
昆虫採集に用いる容器。薬品を染み込ませた脱脂綿などとともに昆虫を入れ、あとで標本作成を行う。
少年が来る毒瓶を首に吊り    茨木和生
●飯(めし)笊(ざる)
竹で編んだ飯櫃のこと。飯籠。夏は飯が饐えやすいので風通しを良くしておく必要がある。
飯笊や昏き水屋の夕の風     木村蝸牛
●集(あつ)め汁(じる)
端午の節句に食す汁物。邪気を払う。大根、牛蒡、芋、豆腐、竹の子、干魚などを一緒に煮込み、味噌汁またはすまし汁にしたもの。
夕厨冷めたる集め汁啜る     木村蝸牛
●小いとゞ忌(白紙忌(はくしき))
平松小いとゞは大正五年生まれ。昭和十九年六月七日逝去。享年二十七。新宮市出身。父・平松竈馬(「熊野」主宰)の影響の下、高濱虛子に師事、時にユーモアを交え、繊細で家庭的な温もりを持つ作風。京大法学部進学後は京大ホトトギス会を牽引。戦争で繰り上げ卒業後出兵、中国河南省で敵軍の銃弾に斃れた。
紙白く書き遺すべき手あたゝむ  小いとゞ
の作品は出兵に際しての遺書とも取れ、命日は「白紙忌」と名付けられた。戦地ではこう詠んだ。
緑蔭より銃眼嚇と吾を狙ふ    小いとゞ
弟・故平松三平氏(元「かつらぎ」同人)の庭には、
水仙黄母に似し妻もたまほし   小いとゞ
の句碑がある。
白紙忌や荒れまどひせる波の音    智行
小いとゞのかの緑蔭と違へども
●晒(さらし)鯨(くぢら)
鯨の尾羽毛や皮を薄く切り、熱湯をかけて脂肪分を除き、冷水に晒したもの。
晒鯨ちちははが居て夫が居て   松井トシ
●山あげ・はりか山
栃木県那須烏山市の夏祭。日本一の移動野外歌舞伎。「山揚げ」の「山」は「はりか山」のことで、網代状に竹を組んだ木枠に烏山特産の和紙を貼ったもの。
平畑静塔は昭和五十一年「野州烏山夏祭」で、
  山揚にまことの雲も道具立     静塔
として句集『漁歌』に採りあげ、「山あげ」を初めて夏祭の一種、季語として詠んだ。後に(季語にならないことに気づき)、昭和五十六年には季語を別に入れて句集『矢素』に発表。
山揚にかみなりは須佐之男の声   静塔
 驟雨もろともはりか山たたみけり 本郷をさむ
柝を入れて山揚げの夏はじまれり 
●海亀(うみがめ)
交換す紀の海亀と猪を        智行
●群青忌(ぐんじやうき)
水原秋櫻子の忌日、七月十七日。「滝落ちて群青世界とどろけり 秋櫻子」から。
群青忌那智火祭の余韻あり    松山睦子

閑話休題②
*洞(うろ)
槁木の洞雷鳴をとよもせる      智行
*焼け石・鳴沢
焼け石は火に焼いた石。鳴沢は激流や落石で鳴動する渓谷。
焼け岩の鳴沢なせる山の火事     智行
*墓嫁入り
味噌搗いて墓嫁入りはせぬといふ   智行
*皆地(みなち)笠(がさ)
和歌山県知事指定の伝統工芸品。 源平の戦に敗れ、熊野に隠れ住んだ平家の公達は紀州の良質の檜材を使った笠を編み出し、これが熊野詣の人々に愛用された。身分の高低に関係なく広く愛用されたため「貴賎(きせん)笠(ぼ)」とも称される。
皆地笠土用隠れの鮎を追ふ    松山睦子

秋
●餞暑(せんしよ)
餞(はなむけ)の暑さ。残暑、残る暑さ、秋暑し、秋暑。
六波羅へ餞暑の町を抜け来たる  塩見道子
●芋(いも)水車(すいしや)
水車式芋洗い器。小型の水車の中に入れた芋を、川や水路の岸に軸を渡した水車を回す。
大川に芋水車掛け見せ呉れし  大久保和子
●田(た)五(うこ)加(ぎ)
キク科の一年草。田や畔、水田、湿地などに生える。丈は一m近くにも及ぶ。筒状花の黄色の花を枝先につける。実は扁平で二本のトゲを持ち歯のような形をしている。
九体寺の田五加の付き易きこと  矢野典子
●施餓鬼(せがき)幡(ばた)
施餓鬼の法会で使われる「緑・黄・赤・白・紫」の五色の幡。「幡」は旗、色紙。五如来の御名が記され、その力により心身が清められ、餓鬼道への恐怖が除かれるとした。
施餓鬼幡外し忘れて寺眠る    杉山 睦
●十七夜(じふしちや)
立待月。旧暦八月十七日の月、また新月から十七日目の月。月が現れるのは日没から一時間四十分後。
機首の灯や夜戸出に待てる十七夜 吉川美登里
●小田刈(をだかり)月(づき)
陰暦九月の異称。田の稲を刈りとる月の意。
神輿行く小田刈月の畦踏みて   松村幸代
●臀呫(となめ)の蜻蛉(とんぼ)
「臀呫」は蜻蛉の雌雄が交尾しながら輪になって飛ぶ様。「臀」は「おしり」「(物の)底」の意。「呫」の音読みは「チョウ・ショウ」、意味は「すする」「なめる」「ささやく」「はなす・しゃべる」。
血洗池に臀呫のとんぼ冬ぬくし 宇田多香子
●鹿(しか)
牡鹿(をが)の角月の光をかへしけり     智行
恋の牡鹿角の股数鳴くといふ
ぞんぶんに楤の芽喰うて角落す
●星(ほし)糞(くそ)
 ふんだんに星糞浴びて秋津島     智行
●健次(けんじ)の忌
小説家。昭和二十一年生まれ。平成四年八月十二日没。享年四十六。和歌山県新宮市生まれ。新宿でのフーテン生活の後、羽田空港などで肉体労働に従事しながら作家修行。昭和五十一年『岬』で第七十四回芥川賞を受賞。紀伊半島を舞台にした数々の小説を描き、独特の土着的な作品世界を作り上げた。
新宮をぐるぐる回り健次の忌     智行
健次忌の新宮高校後輩われ
かの路地を知る人なけん健次の忌

冬
●寝(ね)べら
瀬戸内海のべらは海水温度が下がると砂に籠って越冬する。冬季は夜間に驚くほど潮が干く。「寝べら獲り」は砂に籠っているべらを鍬で搔き出して採取する。
火を点けて砂を搔きをる寝べら獲り 芳野正王
●叩(たた)き網(あみ)漁(れふ)
福井県若狭町三方(みかた)湖(こ)で四百年以上続く伝統の網漁。「かち網漁」。冬、青竹で水面を叩いて湖底に潜む魚(主に鯉や鮒)を驚かせ、仕掛けた刺網に追い込む。
若州のたたき網漁寒に入る    勝山純二
●鱶晒(ふかさらし)
鱶(=鮫)の刺身を熱湯に通して冷水に晒したもの。鱶さらし食べて不器男を偲びけり 福田とも子
●鮫(さめ)膾(なます)・花の内
秋から冬が旬の味覚。正月や人の集まる席で食べる。青森県などの郷土料理。
花の内なるみちのくの鮫膾    松村富雄
●雪ずり
「雪垂り」「垂り雪」は枝からくずれ落ちる雪。屋根からどどどっと落ちるのは「雪ずり」。
どどどどと落つ雪ずりの二階より 西垣冨紀子
●帯解(おびとき)
十一月十五日、幼児の着物の付紐を取り、初めて帯を締める祝いの儀式。帯(おび)直(なほし)・紐解・紐直・紐落などの子季語がある。吉方に向けて子を立たせ、晴着に帯を結ぶ。氏神に詣り、親類などを招いて祝い膳をする。
帯解の昼の電車をはなやかに   福嶋 保
●干(ほし)秋刀魚(さんま)
鼻先に凍る血しづく干秋刀魚     智行
●干鱓(ほしうつぼ)
干うつぼ一夜に肛門(アヌス)開きけり     智行
●辰巳(たつみ)正月(しやうぐわつ)
新仏(あらぼとけ・しんぼとけ・にいぼとけ)を偲ぶ師走行事。十二月の辰の日の深夜から巳の日、または巳の日から午の日にかけて行う。この風習は四国、瀬戸内海の島々、とりわけ愛媛県の東予・中予地方に色濃く残っている。
はらからの辰巳正月餅配る    山田悦子

* * * * * * * *

季重なりについて
四季の移ろいの中で、ありのままの情景を写し、それを詠み込めば、季が重なることは当然有り得る。季重なりは「移ろいの妙」でもあり、決して不可侵の法則ではない。確かに、無思慮な季重なりは避けねばならないし、十七音しかない詩型に季重なりは勿体ない。 
僕自身も季重なりを避ける工夫と努力をしている。しかしそのことだけに拘っていては、却って句が痩せてしまうこともある。無理やり一つの季語で詠むと、中身がスカスカになる場合もある。それを句の余白とは言わないだろうし、読み手の想像力がないとも言えない。
山あげについて
山あげは国の重要無形民俗文化財、ユネスコ無形遺産となっている。すでに国や世界が認めているということだ。平畑静塔、黒田杏子両氏も山揚げが夏の季語に定着することを望まれ、かねてより茨木和生「運河」名誉主宰もそのご意向であった。
「那須烏山市・山あげ俳句全国大会」の実行委員長・鈴木美江子さんの熱意に対し、長谷川櫂氏は「気長にたゆまず」と励まされ、「但し季重なりでは、歳時記に採りあげ難い」と話された。その通りだと思う。山あげを夏の独立季語として扱うなら、「他の季語は一切入れない」という覚悟が必要となってくる。現在はその移行期である。佳句を生み続けるしかない。

熊野について
熊野三山の聖地の興りは熊野川流域にある。上流の本宮と河口の速玉においてそれぞれ川の脅威を鎮める役割を果していたことが熊野信仰の出発点であり、自然への畏れがすべての始まりと言える。
熊野三山が一体化したのは平安時代末期の十一世紀頃であって、神々の時代から熊野三山があり、当初より三山が形成されていたとするのは歴史的事実と異なる。
六世紀に伝来した仏教が日本に普及していく過程で、次第に神道との融和が図られてゆく。その先駆けは奈良時代の役行者を開祖とする「修験道」である。
森羅万象に生命や神霊が宿るとする「アニミズム」と日本古来の「山岳信仰」が習合し、さらに中国の陰陽道、道教とも結びついた。修験道とは、自然との一体化による即身成仏を重視する日本独自の宗教、「日本仏教の一派」と定義付けられる。
聖地も時代とともに変遷してきた。
当初人々が徒歩で聖地を訪れるには、明日香の東に位置する多武(とうの)峰(みね)がせいぜいであり、吉野や熊野は最初から聖地ではなかった。聖地の変遷は、多武峰→吉野→熊野といった流れである。
交通手段のなかった当時、明日香の都人にとって吉野・熊野は地理的にも空間的にも彼らが認識できる範囲を超えていた。ことに「熊野」は都からは想像を絶する最遠の地であった。やがて貴人や庶民が、癒しと再生を求め熊野をめざしたが、熊野に暮す人々が癒されてきたわけではない。
 長谷川櫂氏が対談の最後で「地の匂いのする講演でした」と仰って下さった。熊野では「地の匂い」と「血の匂い」は同義であることを再認識した。

2024年最初の きごさい+は「日本と中国の風俗・習慣」のお話 

きごさいBASE 投稿日:2023年11月20日 作成者: dvx223272025年9月25日

さまざまなジャンルから講師をお迎えして季節や文化に関わるお話をお聞きする「きごさい+」
年が明けてすぐのきごさい+の講師は、俳人で翻訳家、中国漢俳学会副秘書長の董振華さんです。
どうぞぜひご参加ください。
講演の後、句会もあります。(選者:董振華、長谷川櫂)

日 時: 2024年1月6日(土) 13:30~16:00
演 題 : 「日本の物差しと中国の物差し」―風俗・習慣の類似点と相違点
講 師 : 董振華 (とう・しんか)

プロフィール:
俳人・翻訳家。1972年生まれ、中国北京出身。北京第二外国語大学日本語学科卒業後、中国日本友好協会に就職。中国日本友好協会理事、中国漢俳学会副秘書長等を歴任。早稲田大学大学院アジア太平洋研究科国際関係学修士、東京農業大学農業経済学博士。一九九六年慶応義塾大学留学中、金子兜太に師事して俳句を学び始める。2001年「海程」同人。日本中国文化交流協会会員、現代俳句協会会員、中日詩歌比較研究会会員。句集に『揺籃』、『年軽的足跡』、『出雲驛站』、『聊楽』等、訳書『中国的地震予報』(合訳)、『特魯克島的夏天』、『金子兜太俳句選譯』、『黒田杏子俳句選譯』、映画脚本、漫画等多数。編著書『語りたい兜太 伝えたい兜太―13人の証言』、『兜太を語るー海程15人と共に』等。現在、「聊楽句会」代表、「海原」同人。

講師からのひと言
董振華と申します。この度、きごさい+にて皆さまと交流する機会を与えてくださり、深く感謝いたします。「日本人と意思を通じ合うのは本当に難しいですね」と時々耳にします。それはやはり相手国の風俗習慣がよく分かりあっていないからだと思います。私もかつて同じような経験がありました。それを克服するために、日本と中国の文化および風俗習慣の相違について少し勉強してきました。本日はその心得を皆さまと分かち合いたいと思います。どうぞ宜しくお願い致します。

2024年1月6日(土) 13:30~16:00  (13:15~ Zoom入室開始)
13:30~14:45  講演
14:50~15:20  句会(選句発表)
15:20~16:00  長谷川櫂(きごさい代表)との対談、質疑応答

10月 きごさい+報告 「季節をめぐる鳥の世界」

きごさいBASE 投稿日:2023年10月19日 作成者: dvx223272025年9月25日

10月9日、第31回きごさい+がズームで開催されました。自然の中の様々な鳥の画像、渡り鳥の経路のアニメーションなども紹介され、興味深く充実した樋口先生のご講演でした。
「季節をめぐる鳥の世界」    東京大学名誉教授、慶應義塾大学訪問教授 樋口 広芳
鳥の世界は四季折々に変化する。それは単に、そこにいるものが色や姿を変える、といったことではない。すんでいる鳥そのものの種類が変わっていくのだ。その点が植物や昆虫、哺乳類の世界とは大きく異なっている。春には南から、秋には北からさまざまな鳥が訪れ、鳥をめぐる世界、「鳥景色」は大きく変化するのである。

もちろん、すむものすべてが変わるわけではない。一年を通じて同じところ、あるいは近隣にすんでいるものもいる。が、それらは、四季の移り変わりの中で異なる生活の様相を見せる。おおまかにいえば、鳥たちは春から初夏にかけて子育てに励む。秋には、すみかを移動させたり、なわばりの位置を変えたりする。冬には、厳しい気候条件の中、限りある食物を見つけ出し、命をつなぐ。

種類が入れ替わるのも、同じ種が異なるくらしを見せるのも、とても興味深い。ここでは、日本人の心の原風景とも言える「里山」を対象に、四季折々の鳥景色をながめていく(樋口2014『日本の鳥の世界』第4章より)。里山とは、水田、畑、小川、雑木林、丘陵などがモザイク状に連なるところで、 人のくらしが自然と調和を保ちながら維持されてきた環境だ。

里山の四季
2月から3月、庭や道ばたでウメの花が咲くころ、ウグイスのさえずりが響きわたる。ホーホケキョ、日本人ならだれもが知っている声だ。ウメの花に頻繁に訪れるのは、ウグイスではなくメジロだ。が、「梅に鶯」とは、とり合わせのよい二つのもの、美しく調和するもの、のたとえである。このころ、林の中ではエナガが巣づくりを始める。コケを集め、羽毛を探し出し、ふんわりとした温かな巣をつくる。草木の上でホオジロが、木々の上でシジュウカラやヤマガラがさえずる。やがてサクラの季節が訪れる。野山がヤマザクラやオオシマザクラ、ソメイヨシノの白やピンクの花でにぎわう。花にはメジロやヒヨドリがやってきて、さかんに蜜を吸う。上空では、ヒバリがにぎやかにさえずる。

春の訪れとともに、南の国からツバメがやってくる。ビチビチッと鳴きながら、草地や雑木林の上を飛ぶ。サクラの花が終わり、野山が新緑に彩られるころ、タカ類の1種、サシバがピックイー、ピックイーという声とともにやってくる。水田の両側に広がる雑木林の梢にとまり、周囲をうかがう。続いて、オオルリ、キビタキ、サンコウチョウなど、色とりどりの小鳥が訪れ、さえずりが響きわたるようになる。春まっさかり、里山の景観も音風景も一変する。

田植えの季節。田んぼではカエルがにぎやかに鳴き、小川ではカワトンボの姿が目につくようになる。5月なかば、多くの夏鳥に少し遅れて、カッコウやホトトギスがやってくる。カッコウはそのままの声で、ホトトギスは「テッペンカケタカ」と鳴く。夕刻、人家付近のケヤキやイチョウの大木で、アオバズクがホッホッ、ホッホッと鳴く。6月、ヤマボウシの白い花が輝いている。この時期、カッコウやホトトギスは小鳥の巣に托卵する。托卵相手によく似た色や模様の卵を産みこみ、その後の世話を小鳥にまかせてしまうのだ。7月に入り、巣立ちしたツバメの若鳥が、川や沼のほとりのヨシ原に集まることがある。ヨシの葉や茎に何羽もがとまり、そよ風にゆられる光景が目に入る。
ヒガンバナが赤い花をつける9月から10月、モズの高鳴きが聞かれるようになる。静かな野山に、キィーキィー、キチキチキチの声が響きわたる。モズはこの時期、雄と雌が別々になわばりをかまえ、それぞれにこのけたたましい声でなわばり宣言をしているのだ。高鳴きは、俳句の秋の季語にもなっている。この時期、昆虫やカエル、小魚などの小動物を小枝やとげに突き刺す「はやにえ」がよく見られる。
季節が少し進むと、北からツグミやジョウビタキなどの冬鳥が訪れる。ツグミは畑や草地に、ジョウビタキは明るい林や人家の庭先にやってくる。ツグミのケケッ、ジョウビタキのヒッヒッ、カタカタという声が耳に入るようになる。ジョウビタキはモズ同様、雄と雌が分かれてなわばりをかまえる。ヒッヒッ、カタカタという声は、なわばり宣言としての役目を果たす。
木々が紅葉に彩られるころ、ヒレンジャクやキレンジャクが現れることもある。レンジャク類は群れになり、ヤドリギやネズミモチなどの柔らかい木の実を食べる。赤く染まる夕焼け空を背景に、ムクドリの群れがねぐらに向かう。近隣から集まってきた何百、何千もの鳥たちが、黒い雲のようなかたまりになり、形や大きさを変えながら飛びまわる。

冬の沼や池には、マガモやオナガガモ、あるいはオシドリやヒドリガモなどのカモ類が渡ってきている。渡来当初は、雄の羽色も雌同様に地味だが、やがて目も覚めるような美しい姿に変身する。その美しさをきわだたせるような求愛行動が見られることもある。しばらく姿を消していたカイツブリも見られるようになり、さかんに潜っては小魚をとっている。棒くいの上では、カワセミが水面をじっとながめている。

やがて季節がめぐり、ウメの花が咲く。メジロが集まり、蜜を吸う。暖かな日差しの中で、ウグイスのホーホケキョの声が響きわたる。冬を越したツグミやジョウビタキ、いろいろなカモたちは、北へと旅立つ。代わりに、南の方からいろいろな夏鳥が渡来する。里山の新しい一年がまた始まる。

世界の自然と自然、人と人をつなぐ渡り鳥

いろいろな渡り鳥、この鳥たちはどこからやってくるのだろうか。最近の研究の成果により、限られた種ではあるが、渡りの様子がよくわかってきている。夏鳥のサシバは、南西諸島方面から直線的に北上して本州にやってくる。同じくタカ類のハチクマは、インドネシア方面からマレー半島、中国南部を北上し、朝鮮半島を南下して九州に入る。冬鳥のカモ類の多くは、カムチャツカをふくむシベリア中~北部から南下してくる。コハクチョウは、ロシアの北極圏からアムール川河口やサハリンを経て南下してくる。オオハクチョウは、コハクチョウよりも少し南側のロシア東北部から渡来する(くわしくは樋口2005『鳥たちの旅』(NHK出版)や樋口2016『鳥ってすごい!』(山と渓谷社)を参照)。
渡り鳥は、こうした長距離移動をしていく先々で、異なる国や地域の自然と自然をつないでいる。その意味で、日本の自然は渡り鳥を介して、ロシア、中国、朝鮮半島の自然とも、また東南アジアのいろいろな国の自然ともつながっている。
渡り鳥は同時に、遠く離れた国や地域の人と人をもつないでいる。渡り鳥の移動する先々では、数多くの人が鳥たちの渡る様子を見ている。サシバやハチクマなどのタカ類が渡る長野県の白樺峠、愛知県の伊良湖岬、長崎県の福江島などには、一日に数百、数千もの人が訪れる。この中には、一般市民も多数ふくまれている。秋の青空を背景にタカの渡る様子を見ながら、自然の醍醐味や、渡りという現象への夢とロマンを感じているのだ。そして同じ楽しみを、渡りゆく国や地域でやはり数多くの人たちが味わっている。日本で私たちが見た同じ鳥の群れを、タイやマレーシア、インドネシアの人々が見て楽しんでいることもある。
数ある生きものの中でも、このような役割を果たしているものは数少ない。その意味で、渡り鳥はすばらしく特異な存在である。インターネットなどの情報伝達が進んでいる今日、渡りゆく先々の地域の人々が、観察した鳥や渡りの様子を伝え合い、情報を共有していることも珍しくない。そうした情報は、鳥たちの現状を知り、かかわりのある保全上の問題を明らかにし、対策を考える上で重要なものともなっている。その過程で、人々は喜びや楽しみを共有し、人と人との結びつきのたいせつさをも感じとっている。

講座の後、句会が開かれました。
句会報告   選者=樋口広芳、藤英樹、長谷川櫂
◆ 樋口広芳 選
【特選】
木もれ日と遊ぶ小鳥や山の道     飛岡光枝
天地のふところ深く鷹渡る      村松二本
遠き灯の又ひとつ消ゆ木葉木菟    高橋慧
初雁の声を越後の土産とす      長谷川櫂
此の国も旅寝の一つ鳥渡る      吉安とも子
籾殻焼くいぶせき空を雁渡る     長谷川櫂
両腕に雀遊ばせ案山子かな      趙栄順
【入選】
小鳥来て影をひそめし庭雀      澤田美那子
一面の刈田佇む白鷺         高橋慧
鶴来たる非武装地帯経由して     西川遊歩
その胸に星を宿して鶲来る      飛岡光枝
わつと来て天を囃すや稲雀      きだりえこ
わが庭に虹のかけらや小鳥来る    稲垣雄二
ふわり来て別れを告げる秋の蝶    松平敦子
鵙鳴くやおのが領土を高らかに    越智淳子

◆ 藤英樹 選
【特選】
はなやぎて鷹の渡りの金華山     村山恭子
黒々と椋鳥の一樹や息づけり     飛岡光枝
戦なき国に帰れよつばくらめ     中丸佳音
わつと来て天を囃すや稲雀      きだりえこ
今日よりは此処がふる里鳥渡る    吉安とも子
髪切つて頭軽しや小鳥来る      趙栄順
欄干の鴉動じぬ柿日和        木下洋子
色鳥や必死に生きて番なる      澤田美那子
鵙鳴くやおのが領土を高らかに    越智淳子
【入選】
小鳥来て影をひそめし庭雀      澤田美那子
元の声とうに忘れし懸巣かな     イーブン美奈子
神宮の森しんかんと小鳥来る     飛岡光枝
吊し柿父の楷書の如くなり      二見京兎
遠き灯の又ひとつ消ゆ木葉木菟    高橋慧
椋鳥の声が容となる木立       吉安とも子
鳥渡る国境のなき世を渡る      奈良握
美帆路峠朝日にのつて白鳥来     ももたなおよ
鳴き交はす雁がねやみな胴間声    長谷川櫂
色鳥や箱根八里の唄聞こゆ      奈良握
目覚まし時計要らぬ齢や小鳥くる   葛西美津子
燕帰る見たことのない空を見に    三玉一郎
園児らは昼寝の時間小鳥来る     木下洋子
鶺鴒の渚どこまで走るらん      越智淳子
両腕に雀遊ばせ案山子かな      趙栄順
ふわり来て別れを告げる秋の蝶    松平敦子

◆ 長谷川櫂 選
【特選】
木もれ日と遊ぶ小鳥や山の道     飛岡光枝
神宮の森しんかんと小鳥来る     飛岡光枝
色鳥の散りてこぼれて万華鏡     趙栄順
【入選】
かりがねや蓬莱山を越えて来し    木下洋子
天地のふところ深く鷹渡る      村松二本
きりもなく稲を飛び出す雀かな    藤英樹
わつと来て天を囃すや稲雀      きだりえこ
思ひきやかりがね寒き朝の風     足立心一
わが庭に虹のかけらや小鳥来る    稲垣雄二
雨の日の次は風の日鷹柱       村松二本
目覚まし時計要らぬ齢や小鳥くる   葛西美津子
園児らは昼寝の時間小鳥来る     木下洋子
両腕に雀遊ばせ案山子かな      趙栄順

11/23(木・祝) Zoom でHAIKU+、講師は谷口智行さん

きごさいBASE 投稿日:2023年10月8日 作成者: dvx223272023年11月20日

「HAIKU+」は、現在ご活躍中の俳人・俳句研究者をお迎えして、「俳句で今何が問題か」という統一テーマで、俳句の未来を考える催しです。
今回の講師は俳人で「運河」主宰の谷口智行(たにぐち・ともゆき)さん。

遠方の方も参加しやすいZoomを使ったオンライン講演となります。
Zoomは初めてという方も、パソコン、スマートフォン、タブレットを使用されていれば、比較的簡単に視聴できます。ただし事前に参加申し込みが必要です。詳細は下記の<申込み案内>をご覧ください。

日 時: 2023年11月23日(木・祝) 13:30から

演 題 : 季語と暮らし 

講 師:  谷口智行(たにぐち・ともゆき)
<プロフィール>  昭和33年 京都生まれ 和歌山県新宮市育ち
平成 7年 「運河」茨木和生に師事
平成16年「朝日俳句新人賞」準賞 三重文化賞奨励賞
令和4年「運河」主宰(兼編集長)
令和5年「日本詩歌句随筆評論大賞」(『窮鳥のこゑ』)
句集『藁嬶』『媚薬』『星糞』、エッセイ集『日の乱舞/物語の闇』
共著『女性俳句の世界 第五巻』『俳コレ』、評論『熊野、魂の系譜』『熊野概論』『窮鳥のこゑ』
俳人協会会員・紀南医師会長・医学博士

<講師よりひと言>
四季折々の自然の移ろいや人々の暮らしとつながる季語。その豊かな世界について、小誌「運河」に発表された作品を中心に皆様とともに考えてゆきたい。

2023年11月23日(木・祝)
13:15 Zoom入室開始
13:30~15:00 講演
15:00~15:45 村松二本(きごさい編集委員・「椎」主宰)との対談、質疑応答

Zoomを使ったオンライン講演会です。11/15までに参加申し込みをして、後日メール配信するズーム入室URLなどの案内をご確認いただかないと、当日視聴できません。よろしくお願いいたします。
なお、HAIKU+は句会はありません。

8月 きごさい+報告 「異国への憧れ、南蛮菓子あれこれ」

きごさいBASE 投稿日:2023年9月7日 作成者: dvx223272025年9月25日

 8月11日、第30回きごさい+がズームで開催されました。講師は、きごさい+ではおなじみの株式会社虎屋・虎屋文庫主席研究員の中山圭子さん。中山さんの講座は今年で7年目、春夏秋冬の和菓子に続いて、一昨年は羊羹、昨年は落雁のお話。そして今回のテーマは「異国への憧れ、南蛮菓子あれこれ」でした。
講座 レポート 
 「ぜひ気になる南蛮菓子をご用意いただき、味わいながらご参加ください」という中山さんの事前の呼び掛けに、私も久しぶりに金平糖を買ってみた。中山さんから「私は平戸のカスドースと京都のボーロを用意して気分を高めています」と珍しいお菓子が画面で紹介された。
日本古来の菓子といえるものは木の実や果物だったが、飛鳥時代以降に入ってきた外来の菓子や食材に日本らしい創意工夫を重ね、様々な菓子が生み出された。影響をあたえた外来食物の一番目は遣唐使などがもたらした唐菓子、次が鎌倉~室町時代に中国に留学した禅宗の僧侶が伝えた点心(羊羹、饅頭など)、そして三番目が本日のテーマの南蛮菓子だという。 南蛮菓子とは、室町時代末期より江戸時代にかけて、ポルトガル人やスペイン人などの宣教師や貿易商人がもたらしたもので、代表的なものに、カステラ、金平糖、ボーロ、鶏卵素麺がある。和菓子の歴史のおさらいを聞きながら、江戸時代、花とひらいた菓子文化に南蛮菓子も入るのだろうか、その影響は、とますます興味がわいた。
レジュメにそって美しい画像と貴重な史料が次々と画面に映し出され、中山さんの明快で楽しいお話が始まった。代表的な南蛮菓子のルーツなど、一部を紹介すると…

カステラ  Bolo de Castela (カスティリアつまり、現在のスペインの菓子の意)
      ポルトガルのパン・デ・ロー、スペインのビスコチョが原形
金平糖   Confeito  (砂糖菓子の意) 
チャイコフスキー作曲 『くるみ割り人形』の「金平糖の精の踊り」はドラジェのこと
有平糖  Alfenim (テルセイラ島に伝承される飴菓子) Alféloa (砂糖菓子、実体不明)説もあり
鶏卵素麺  Fios de Ovos  (卵の糸の意)
ボーロ   Bolo(ケーキを主とした菓子の総称)
かせいた  Caixa de Marmelada  (マルメラーダの箱の意)
      マルメラーダ…マルメロを砂糖煮にして固めた羊羹のような菓子
カルメラ  Caramelo (焼き砂糖、飴類の意) 日本では生菓子の飾り附けなどに使用
ビスカウト Biscoito(二度焼きしたパンの意あり)
ヒリヨウス Filhós (クリスマスなどに食べる揚げ菓子)
日本では飛龍頭(ひりょうず、ひろうす)に変化              
けさちいな Queijada (チーズケーキ) 日本ではかぼちゃ餡入りの菓子に
カスドース Sopa dourada (パン・デ・ローを切って、卵黄クリームをかけたもの)が原形か?
カステラを卵黄にくぐらせ、煮たてた糖蜜で揚げ、グラニュー糖をまぶす

参考 中田友一「おーい、コンペートー」あかね書房 1990年 
荒尾美代「南蛮料理のふしぎ探検」日本テレビ 1992年    
南蛮菓子展 虎屋文庫展示小冊子 1993年
明坂英二「かすてら加寿底良」講談社 2007年
「歴史上の人物と和菓子」虎屋HP http://www.toraya-group.co.jp/gallery/dat_index.html

〇講座を聞いて
 織田信長と南蛮菓子の出てくる場面は大河ドラマなどでよく見る。エキゾチックな形、卵や砂糖を使った甘い菓子は、当時の人をどんなに魅了したことだろうか。現在も全国的に親しまれている「カステラ」や「金平糖」、限られた地方や店で伝統を継承している「かせいた」や「カスドース」、そして実体がよくわかっていない「はるていす」や「けさちいな」などなど。珍しい画像とお話で、遠く南蛮図屏風の世界に旅をした気分になった。
またポルトガルの菓子との比較画像は興味深かった。金平糖、有平糖のルーツであるポルトガルの砂糖菓子、飴菓子は日本のそれよりもずっと素朴だ。星を思わせる角や淡い色合いがかわいい金平糖、デザインも多様で色鮮やかな有平糖など、南蛮菓子も日本独自の進化をとげて今に至ることがよくわかった。沸騰した糖蜜に卵黄を糸状に垂らした「卵の糸」の意の菓子は現在もポルトガルや東南アジアの国々で人気だそうだが、それが日本では「鶏卵素麺」と呼ばれ、きれいに束ねて上等の茶菓に仕立てたものもあるのは、日本独自のもので、日本人の美意識と工夫に感心した。
南蛮菓子が和菓子であることに間違いないが、それでもカステラや金平糖には異国への憧れ、エキゾチックな魅力が今も息づいている。           (葛西美津子記)

菓子関係展示情報
〇和菓子でめぐる春夏秋冬展  虎屋赤坂ギャラリー 9月10日(日)まで
〇虎屋文庫50周年記念!「和菓子の〈はじめて〉物語」
虎屋赤坂ギャラリー10月1日(日)~11月23日(木)
〇はじめて知る銭湯 東京ミッドタウン店ギャラリー(六本木)9月8日(金)~2024年1月24日(水)
〇大名と菓子‐百菓繚乱‐ 彦根城博物館 10月7日(土)~11月6日(月)

虎屋文庫について
和菓子文化の伝承と創造の一翼を担うことを目的に、昭和48年(1973)に創設された「菓子資料室」。室町時代後期創業の虎屋に伝わる古文書や古器物を収蔵、和菓子に関する資料収集、調査研究を行っている。学術研究誌『和菓子』を年1回発行(最新号は第30号 特集―文学と菓子2)。
非公開だが、お客様からのご質問にはできるだけお応えしている。
株式会社 虎屋 虎屋文庫 〒107-0052 東京都港区赤坂4-9-17 赤坂第一ビル2階
E-mail bunko@toraya-group.co.jp TEL 03-3408-2402 FAX 03-3408-4561

句会報告   選者=中山圭子、長谷川櫂
◆ 中山圭子 選
【特選】
掌に私の銀河金平糖         稲垣雄二
カルメラや並ぶ夜店の灯し色     越智淳子
カステイラ秋の昼寝の海わたる    飛岡光枝
銀河からつぎつぎこぼれ金平糖    齋藤嘉子
薄紙を透けくる桃のかをりかな    金澤道子
【入選】
沈めあり流れに透けて水饅頭     西川遊歩
石一つこれが英霊秋の風       齋藤嘉子
涼しさや氷の角のこんぺいと     長谷川櫂
恐山風無く廻る風車         山口伸一
幽霊も水飴買うて迎鐘        きだりえこ
月祀る昭和の社宅カルメ焼き     西川遊歩
一片の菓子さへ沁みる敗戦忌     澤田美那子
金平糖空へ散らして星の恋      きだりえこ

◆ 長谷川櫂 選
【特選】
掌に私の銀河金平糖         稲垣雄二
カステラの底の粗目や秋に入る    金澤道子
甘き菓子なき時代あり敗戦忌     谷口正人
夕顔の花とひらくや有平糖      飛岡光枝
掌に夏こぼるるや金平糖       飛岡光枝
【入選】
八月や軍用菓子を納めし記      西川遊歩
金平糖ぽつぽつ齧り麦茶かな     越智淳子
紐とけばなんと涼しき琥珀糖     ももたなおよ
均等に切れぬカステラ秋暑し     村井好子
新涼の紙に七色こんぺいと      葛西美津子
カステラやグラス冷たきアイスティー 越智淳子
菓子のせて南蛮船や秋の風      斉藤真知子
カステラのざらめぱらりと今朝の秋  村井好子
一片の菓子さへ沁みる敗戦忌     澤田美那子
角出して金平糖の夜の秋       澤田美那子

10/9 きごさい+は「季節をめぐる鳥の世界」のお話 

きごさいBASE 投稿日:2023年8月18日 作成者: dvx223272025年9月25日

さまざまなジャンルから講師をお迎えして季節や文化に関わるお話をお聞きする「きごさい+」
今回の講師は、東京大学名誉教授で鳥類学者の樋口広芳先生です。ぜひご参加ください。
講演の後、句会もあります。(選者:樋口広芳、藤英樹、長谷川櫂)

日 時:2023年10月9日(月・祝) 13:30~16:00
演 題 : 季節をめぐる鳥の世界
講 師 : 樋口広芳 (ひぐち・ひろよし)

プロフィール:
1948年横浜生まれ。東京大学名誉教授、慶應義塾大学訪問教授。東京大学大学院博士課程修了。米国ミシガン大学動物学博物館客員研究員、(財)日本野鳥の会・研究センター所長、東京大学大学院教授を歴任。専門は鳥類学、生態学。日本鳥学会元会長。主著に、「鳥たちの旅ー渡り鳥の衛星追跡ー」(NHK出版)、「生命(いのち)にぎわう青い星ー生物の多様性と私たちのくらしー」(化学同人社)、「鳥・人・自然―いのちのにぎわいを求めて―」(東京大学出版)、「鳥ってすごい!」(山と渓谷社)、「ニュースなカラス、観察奮闘記」(文一総合出版)。

講師からのひと言
四季折々に移り変わる鳥の世界。春、ウグイスがさえずり、ツバメが南の国からやってきます。夏、鳥たちは子育てに大忙し、季節が少し進むと、干潟にたくさんのシギやチドリが訪れてきます。秋、大空をタカが南へと渡っていきます。北からは、ツグミやジョウビタキ、いろいろなカモ、ガン、ハクチョウが渡ってきます。冬、水辺で美しく色変わりした雄のカモたちが、奇妙な格好で雌に求愛します。こんな様子を、美しいスライドを使って紹介したいと思います。

2023年10月9日(月・祝) 13:30~16:00  (13:15~ Zoom入室開始)
13:30~14:45  講演
14:50~15:20  句会(選句発表)
15:20~16:00  藤英樹(きごさい編集長)との対談、質疑応答

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2026年のはじめに  長谷川櫂

新年明けましておめでとうございます。

 NPO法人「季語と歳時記の会(きごさい)」は2008年の発足から今年で19年目を迎えました。年会誌「歳時記学」は「きごさい」と名称を変更して号を重ね、今年2月発行予定の号で第18号になります。この第18号を会誌の最終号とし、今年からこのサイト「きごさいBASE」に全面移行します。

 新企画「四季のエッセイ」には歌舞伎俳優の松本幸四郎さんに新春を寿ぐ素晴らしいエッセイを寄稿していただきました。また恒例の「日本の暦」も掲載しています。今後はデジタルの特性を生かしてスピィーディー発信してまいります。皆さまの更なる積極的なご協力、ご支援をお願いいたします。

最後に今年も皆さまの一層のご多幸を祈念いたします。(季語と歳時記の会代表)

きごさい歳時記


「日本の暦」2026年版


今夜はご馳走

季節文化を発信

NPO法人「きごさい」(季語と歳時記の会)は、ネット歳時記「きごさい」を中心に季節文化を発信する仕事をしています。その活動はボランティアのみなさんの力で運営されています。賛同される方はご参加ください。

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「きごさい」第17号購読可
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『大人も読みたい こども歳時記』(10刷)
長谷川櫂監修 季語と歳時記の会編著
小学館
1,600+税
2014年3月刊行


『花のテラスで Ⅱ』
福島光加
花神社
2300+税
2018年4月刊行


『花のテラスで』
福島光加
花神社
1,900+税
2014年9月刊行


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